男性リラク市場
「タイパ」と「メンテナンス」志向が高まる

美容センサス2025年上期の調査データ(こちら)が示すように、男性のリラクゼーション市場は堅実な成長を続けています。

成長理由の1つと考えられるのは、日々のパフォーマンス維持を目的とした「身体メンテナンス」ニーズの明確化です。

この流れを特に牽引する若者世代の「タイパ(タイムパフォーマンス)」意識とともに、現代男性のリアルなニーズについて考えていきましょう。

(ホットペッパービューティーアカデミー研究員 江頭茉里)

男性リラクゼーション市場は「着衣の施術」が大幅に伸びている

リラクゼーションサロンの市場規模は2022年から3年連続の拡大を見せています。2025年には市場全体で3798億円とここ5年で最大規模となりました。

出典:美容センサス2025年上期【リラクゼーションサロン編】(ホットペッパービューティーアカデミー)

特に活況なのが男性のリラクゼーション市場です。

この成長を強く牽引したのは服を着たままで気軽に受けることができる「着衣の施術」でした。これには、整体、もみほぐし、足つぼ(リフレ)などが含まれます。

具体的な数字で見ると、2025年に1352億円、前年比14.9%と大幅に伸びています。

一方、アロマトリートメントなどに代表される「脱衣の施術」は18.5%の市場縮小で、非常に対照的です。

これらのデータから、男性のリラクゼーションに対する主要なニーズが実用的な「身体のメンテナンス」だと明確化されてきたと言えるでしょう。

最近では生活の必需品となったスマートフォンの長時間使用による「スマホ疲れ」や、コロナ禍以降の在宅勤務による運動不足など、身体的ストレスを感じる機会も増えています。

そんな時代背景とも連動した流れだと考えられます。

20代・30代男性の「身体メンテナンス」意識

出典:美容センサス2025年上期【リラクゼーションサロン編】(ホットペッパービューティーアカデミー)

男性の着衣の施術について、大きな変化を見せたのは、20代・30代男性の「利用金額」です。

着衣の施術における20代男性の1回あたり利用金額の平均は4572円で、前年より9.3%の伸び率です。さらに顕著なのが30代男性で、平均金額は全年代で最も高い5528円、伸び率は18.7%です。

仕事では中心的な役割を担い始め、プライベートでも考えることが増える年代にとって、身体のコンディションを整えることは非常に重要です。

「癒やし」や「ご褒美」というより、日々のデスクワークやストレスで蓄積した身体の不調をリセットし、仕事のパフォーマンスを維持するための「メンテナンス」という価値を感じているのではないでしょうか。

また「そのためならばより多くのお金を払うこともいとわない」という意識も高まっていると言えそうです。