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女性スタッフが辞めない
サロンの秘訣

結婚・出産を経ても女性スタッフが長く活躍している、さまざまなサロンの取り組みや職場づくりを紹介していきます。

vol.88未経験からでも月給30万円を目指せる、
業界最高水準の給与体系をつくるサロンの取り組みとは?

OLIVE SPA

東京都港区

海外を含め、全国に30店舗以上展開するリラクゼーションサロン「OLIVE SPA」。著名人がお忍びで訪れることでも知られる人気高級サロンです。スタッフの9割以上を女性が占め、創業当初から女性のライフステージの変化に合わせた働き方を考えてきたそうです。その取り組みについて、創業メンバーである専務取締役の大川美保子さんにお話をうかがいました。

1取り組み

妊娠・出産の際は、一人ひとりの状況に合わせて対応。

どんな取り組み?

「OLIVE SPA」のスタッフの大多数を占めるのがスパセラピストたち。女性スタッフが妊娠した場合、早い時点からスタッフの体調に合わせた働き方に切り替えるなど、無理なく産休を迎えられる体制にしている。また、産休・育休からの復帰も、保育園や本人の体調などの状況に応じて、臨機応変に対応している。

どのように推進している?

「創業13年の若い会社で、約500名の女性スタッフの平均年齢は25〜26歳。妊娠・出産を経験しているスタッフの比率はまだ少なく、制度としてはこれから整えていく段階です」と語る大川さん。スパセラピストは体力を使う仕事のため、妊娠中の体調によっては早い時期からトリートメント業務が難しくなるケースもある。また、大都市圏に店舗が多いため、出産後、待機児童として保育園に子どもを預けられないスタッフも多い。
こうした産前産後のスタッフたちの個別の状況を加味するため、一人ひとりと人事担当者が面談。無理なく続けられるよう、スタッフにとって最善の方法を考えている。

平均年齢が若いスタッフのなかでも、ママスタッフが着実に増えている

平均年齢が若いスタッフのなかでも、ママスタッフが着実に増えている

2取り組み

キャリアステップ、給与体系を明確にし、強い組織をつくる。

どんな取り組み?

「OLIVE SPA」は創業当初から「女性スタッフの給与を上げることでセラピストの社会的地位を上げる」を目標としてきた。未経験からでも月給30万円が目指せる業界最高水準の給与体系もつくっており、実現しているスタッフも少なくない。キャリアが上がればそれだけ給与も上がっていく。
それを実現するキャリアの流れは、まず未経験者でも入社後に社内のアカデミーで技術を学び、セラピストデビューする。その後、チーフ、マネジャーなどを経て店長に昇進、さらに本人が希望すれば本社部門スタッフとして店舗を統括するエリアマネジャーになったり、インストラクターや人事、広報などの仕事に就くなど、幅広いキャリアステップを用意しているのだ。

背景とメリットは?

「OLIVE SPA」が高い給与水準を維持できる背景には、他社よりも比較的高い金額のメニュー設定をし、それに見合った施術や施設、サービスをお客さまに提供していることがある。「そのためにも、採用の時点から、会社が考える施術やサービス、おもてなし精神などのすべてを理解したうえで入社してもらっています。サービスの向上に対して必要な、あらゆる職種に就く可能性があることを社員が理解しているので、キャリアアップを目指すようになっていきます」(大川さん)。

大川さんご自身もセラピストからスタートし、取締役までキャリアをアップさせてきたロールモデルの代表だ

大川さんご自身もセラピストからスタートし、取締役までキャリアをアップさせてきたロールモデルの代表だ

3取り組み

お互いの事情で補い合える、柔軟な組織づくり。

どんな取り組み?

妊娠中のスタッフが体調を崩して施術ができなくなったり、ママスタッフの子どもが急に熱を出して休まなければならないこともある。こうした場合でも、お客さまへのご迷惑を最小限にするために、お互いの仕事を自然に補い合う空気が「OLIVE SPA」にはある。また、店舗内だけで補えない場合は、近隣の他店舗のスタッフが応援にくるこもとある。

背景とメリットは?

店舗数、セラピスト数とも規模が大きな「OLIVE SPA」では、突発的に人員が欠けた際に、店舗間でお互いにリカバリーできる。規模が大きくなる以前から、「スタッフ全員が、施術だけでなくフロント業務、スタッフサポート、店舗運営もできるようになる」という風土があったそうだ。「そういう教育をしてきたというより、若いスタッフが先輩の背中を見て自然に育っているように思います。セラピストであっても技術だけできればよいというわけではなく、店舗を運営する力も必要ということを店長クラスが身をもって示してきました。誰かが困ったときは職種が違っても、みんなが助け合う風土ができています」(大川さん)
また、創業当時からスタッフ同士のコミュニケーションを重要視してきた。同期の交流会や、エリアごとの社内旅行など、仕事以外で他店のスタッフとコミュニケーションできる場も多く、そのことが協力体制につながっている。

取締役インタビュー

取締役 大川美保子さん。2004年に「OLIVE SPA」の前身である株式会社インタースパの創業メンバーとして入社。セラピストからスタートし、2016年より現職

Q. 女性活躍の制度を今後はどのように整えていく予定ですか?

A. 出産経験者に協力してもらい、データを積み上げて制度化していきたいです。

女性が長く働き続けるためのキャリアパス制度ははかなりできてきましたが、育児との両立については今は個別対応です。大枠ができるまでは一人ひとりに合わせたオーダーメイドでやるしかないと思います。その際に、他のスタッフの不満が出ないよう、まわりのスタッフの協力と理解を得ることも必要です。ママスタッフの人数がある程度増えてくれば、育児と仕事の両立において何が障壁となるのか、出産経験者の体験がデータとなります。それを積み上げて全社で共通とすべき部分は何か、メンバーと一緒に制度をつくっていこうと考えています。

Q. スタッフが協力し、ともに成長できる風土はどのようにつくってこられましたか?

A. 「お客さまに目を向けること」で雰囲気もよくなり、スタッフが成長します。

スタッフたちがイキイキとしていないとお客さまへのサービスに響きます。店舗のムードが悪いときは、スタッフの目がお客さまでなく、他のことに向いているときなのです。そのときは、エリアマネジャーたちが「お客さまに目を向けて」と指導しています。もともと接客が好きでこの仕事を目指しているスタッフたちなので、基本に立ち返ると好循環になるのです。
当社のお客さまは意識が高い方が多く、スタッフがお客さまからパワーをもらって育てていただいている部分がとても大きいです。そのお客さまに認めてもらおうとがんばり、活躍できたスタッフは、女性としてもどんどんキレイになっていきます。すると、社外の友人たちから「すごくキレイになったね」と褒めてもらえることが自信になって、次のやる気につながっていきます。自分が充実すると他のスタッフにもやさしくなれますよね。充実感を日々感じることで、一人ひとりが成長していっていると思います。

Salon Data

OLIVE SPA【オリーブスパ】

創業年
2004年
店舗数
国内30店舗、海外2店舗
スタッフ数
約650人(全社)
URL
https://www.olivespa.co.jp/
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