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異業種インタビュー 突破する視点

ビジネスの世界において圧倒的な存在感を放つ人。その視点はどのように生まれるのか?
他業界の「知」を美容業界へ。そのヒントをお届けします。

西野 亮廣

PEOPLE.03 西野 亮廣

言葉を贈る、感謝がめぐる。 レターポットが紡ぐ世界とは?

「キングコング西野」と聞いて、どんなイメージを思い浮かべるだろう。お笑いタレント、絵本作家、「はれのひ」被害にあった新成人の救世主…。ひとりで何役もこなすマルチプレイヤーである彼は、2017年12月28日にまたひとつの新たな試み「レターポット」を世にリリースした。
公開からわずか2カ月弱で会員5万人を突破する勢いで注目されている「レターポット」。インターネットを介してメッセージを送るためのサービスだが、西野氏は「これは通貨である」と語る。ひと筋縄では把握できない発想力豊かな彼の思考をのぞきながら、「レターポット」が目指す世界に迫っていく。

Profileプロフィール

にしの・あきひろ●1980年、兵庫県生まれ。お笑いコンビ・キングコングのツッコミ担当。独演会やニューヨークでの原画展開催など、個人の活動にも意欲的に取り組む。2009年に初の絵本『Dr.インクの星空キネマ』を出版。小説『グッド・コマーシャル』、ビジネス書『魔法のコンパス』など著書多数。共同執筆形式の絵本『えんとつ町のプペル』は発行部数32万部のメガヒットに。同作品の映画を2019年公開予定で準備中。最新著書『革命のファンファーレ 現代のお金と広告』は、「読者が選ぶビジネス書グランプリ2018」で第1位に輝いた。オンラインサロン「西野亮廣エンタメ研究所」では、西野さんがいま関心あるモノゴトを共有できる。
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いらないものを、いらないって言うと
怒られてしまうわけです。

いらないものを、いらないって言うと怒られてしまうわけです。

千葉

(ホットペッパービューティーアカデミー・アカデミー長)
西野さんにはいろいろとうかがいたい話があるのですが、今回は最近立ち上げられた「レターポット」のことを中心にうかがいます。このレターポットというのは説明が難しいですね…、ざっくりいうと「言葉という贈り物ができるサービス」でしょうか。まず、始められたきっかけから教えてください。

西野

最初は奈良に住む女の子の提案からですね。去年(2017年)の9月かな、わざわざ新幹線に乗って、僕にプレゼンがしたいんですって東京まで来たんですよ。そのとき僕は下北沢の飲み屋にいたので、じゃあ一緒に飲みながら話を聞こうかってことに。で、何がしたいのかと聞いたら「いらないものはいらないって言える世界を作りたい」と。それはすごく共感できることで、まぁブログでも前から言っているので僕にプレゼンをしに来たのかなと思うんですけど。
どういうことかというと、例えばこの仕事をしていると差し入れをされることが多くて、すごくありがたいけれど食べきれない。スタッフさんにおすそ分けしてもまだ余ってしまう、すると捨てられることになっちゃう。結果的に食べ物を粗末にすることになるのが、すごく嫌だなぁと思っていて。だから僕はデビュー1年目から、差し入れはお断りしていたんですね。すると「差し入れは気持ちなんだから受け取りなさいよ」みたいに非難される。つまり、いらないものを、いらないって言うと、怒られてしまうわけです。
これと同様の問題はいろんな場面で起きていて、例えば被災地に千羽鶴を贈ることもそう。僕も阪神淡路大震災のボランティア現場で経験したことですが、支援物資を搬入するスペースを確保するために、まず全国から届く大量の千羽鶴を撤去することに時間が割かれる。さらに処分のコストも被災地もちです。これに僕は同意できなくて、「千羽鶴はいらない」と言ったらまた怒られてしまった。

千葉

「被災者のためを思って折ってくれた千羽鶴を断るとは失礼だ」と。

西野

そうですそうです。それで、いらないものをいらないと言えなくて、贈り物によって人が不幸になるという、よくわからない問題はなぜ起きているのかな?と考えてみたんです。モノが不足していた時代は、贈り物が相手の幸せに直結していた。でも今はモノであふれている。こういう時代に贈り物をすることは、相手の選択肢を奪ってしまったり相手を苦しめてしまうことになっちゃうんです。誰が悪いってわけでもなくて、モノ不足の時代の考え方を、モノがあふれる現代に持ち込んだゆえに起きる問題なんですね。
それで、プレゼンに来た女の子も、この問題を解決したいと考えた。彼女の提案は「商品券のようなものを贈れるアプリがあるといいと思うんです」というものでした。だけど僕はそれを聞いて、あんまおもしろいとは思わなくて。すでに同様のアプリはあるし、あと商品券のようなものってつまりはお金ですよね。確かにお金を贈れるのは便利なんですけど、プレゼントの本質って、そこに費やされた時間だと思っていて。これあの人に似合うかな?と考えた時間や、買い物に費やした時間に価値があるので、そういった時間がかかっていないお金だと少し寂しく感じてしまう。だったら「プレゼントするお金にどうしたら時間をかけることができるんだろう?」と考えたのがレターポットの始まりです。

千葉

相手の負担にならない贈り物で、かつ時間をのせられるものはないかと考えたんですね。

西野

まぁでも、単にお金を渡すのって1秒もかからないじゃないですか。どうやったら時間をかけることができるのかなぁ…と考えたときに「文字だ!」と。これがのちのレターポットにつながるんですが。何かというと、運営母体を作って、運営から1文字5円で買って、誰かの誕生日に1000文字のメッセージを贈る。つまり運営に5000円を払って、誰かに1000文字がプレゼントされて、贈られた人は文字が貯蓄されている状態。そして、この人は別の誰かにその1000文字を使うことができる。「文字を通貨にする」っていう試みですね。

千葉

文章を考えた時間が文字にのっかって贈られるということですね。そこに1文字5円というお金としての価値ものっている、と。なるほどなるほど。

西野

それで贈られた人は運営を経由して1000文字を5000円に換金できるなら、この話ってスッと理解できるでしょう。だけどレターポットは換金できないんですよ。このせいで、レターポットはわかりにくいものだってみんな感じると思います。でもシミュレーションしたら「換金機能はいらないな」ってなったんです。
なぜかというと、まず紙幣の成り立ちを振り返ってほしいんですが、紙幣はもともとは貝殻や石で、やがてゴールドになって、ゴールドと商品を交換していた。それからゴールドを持ち歩くのも不便だしってことで、ゴールドを預かる金匠が誕生し、金匠は預かった証拠に受領証を発行することにした。そのうち、受領証をゴールドに換金して買い物するのも面倒だから、受領証と商品を交換するようになった。この瞬間、受領証自体が価値をもったんです。つまり、お金をお金たらしめているのは、みんなが信じるかどうか。ただの紙ぺらを100ゴールドと信じる人がある程度にまで増えたら、ゴールドに換える必要さえないんです。
レターポットに話を戻すと、このコミュニティではみんなが1文字5円と知っている。だったらもう換金機能はいらないなって結論になったんです。

千葉

換金という概念から独立した新しい経済圏がレターポット内にはある、と。文字自体が通貨として回っているのに、文字とお金(日本円)が交換できる必要はないという考え方ですか。

西野

レターポットは交換するツールじゃなくて、「贈与」なんですよ。1000文字あげるから何かしてねっていうのがこれまでの通貨。これは資本主義の原則でもあります。でもそうじゃなくて、贈与するものだというのがレターポットの世界です。だから「絶対資本主義!」って人には、だいぶ理解が難しいと思います。
最初、サービスのスタート時点では換金機能をつけておいて、みんなに浸透したら換金をなくそうとしていたんですよ。でも浸透してから、ある日突然「もう換金はできません」なんてなったら、みんなたぶん、めっちゃ怒りますよね。そんなら最初から換金機能はなしにしようと。
それに換金できるとしたら、それってもう送金アプリでしょう。送金アプリならほかのみんなも手がけるだろうし、特に2018年は送金アプリが増えそうだなって考えていたんで、そんなものを作ってもつまらないなと。送金アプリの未来は見えたけど、文字を通貨にした場合にどうなるかはある程度までしか見えなかった。予想できないことがすごい楽しくって、これにかけてみようと思ったんです。

千葉

確かに、換金ができるなら僕もスッと理解できるのですが、なかなか難しい…(笑)。

西野

あと、「与えるだけで本当に回っていくの?いいことをしたらめぐりめぐって返ってくるの?」という疑問もあるでしょう。でもこれだけインターネットが根付いた今の時代、見返りを求めずにやったことは周りのみんなが見ているんですよ。ほんで、「お前えらいな~」って見ていたみんなが少しずつカンパをくれる。すると最終的に、鶴の恩返しの鶴1羽分のお礼よりも、みんなのカンパのほうが大きくなる。だから返ってくるどころか、見返りを求めずにやったほうがコスパがいい、交換しないほうがいいよって考え方です。

千葉

インターネットで信用が可視化されるようになったから、それも成り立つようになったんですね。今までって、いいことをした人が最後はハッピーエンドになるって、映画の世界じゃなきゃ実現しなかった。いいことをする人はいても、我々の目には見えなかったから。でもこれからは現実世界でもそういう人がいっぱい出てくるでしょうね。

西野

確かに、レターポットの中でもそういうスターは出ています。レターポットという複雑な仕組みの解説を作って、ツイッターを使って無償で広めてくれた女性がいるんですよ。それを見たみんなは「ありがと~」ってレターをその女性に贈って、1万5000レターくらいが集まった。特別な有名人じゃないのにですよ。次に彼女はその1万5000レターを、1レターも持っていないレターポットの新規ユーザーに配ったんですね。それでまた、新規ユーザーにもすごい感謝される状況に。そのタイミングで彼女が「ノートパソコンがほしい」というクラウドファンディングを立ち上げたところ、解説を見て感謝していた人、レターをもらった人たちが支援をして、ひと晩で目標金額を達成しました。見返りを求めずにいいことをしたら、結果的にはノートパソコンすら一晩で手に入れられるという実話です。

レターポットの仕組みを図解してみたが、理解するのはなかなか難しいかもしれない。「実際に使ってみてほしい。それが一番わかってもらえる」と西野さん

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