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女性が活躍するサロン

女性スタッフが辞めない
サロンの秘訣

結婚・出産を経ても女性スタッフが長く活躍している、さまざまなサロンの取り組みや職場づくりを紹介していきます。

vol.3柔軟にルールを変えながら「働きやすさ」を常に追求。

little ginza/ヘアサロン

東京都中央区

9月に20店舗目のオープンを控えるグループの一サロンであり、優れた技術・上質な材料をリーズナブルに提供、銀座屈指の人気ヘアサロンとして大躍進を続けている「little ginza」。
ママスタイリストをはじめ、一人ひとりが自分に合った働き方を見つけ、キラキラと輝いています。優秀な人材を集め、個々が活躍できて働く側にも幸せを与えられる仕組みとは?オーナーの松本さんにお話を伺いました。

1取り組み

子育てと仕事の両立を叶える自由出勤制度。

どんな制度?

 創業当時は2シフト制を採用していたが、女性スタッフの妊娠を機に自由出勤制に変更。月ごとにクリアすべき勤務時間数などの制約は設けず、曜日や時間帯を含め、スタイリスト自身で自分のスケジュールを組み立てられるようにした。スケジュールは2週間前までに申告すればOK。これにより、ママスタイリストも、保育園や家庭環境に合わせたシフトを組むことができ、出産後の女性スタイリストの復職率が格段に高まった。

スタッフの反応は?

 スタッフの大半は制度に賛成してくれたが、少数ながらママスタッフのために制度が変わることに不満を抱く男性スタッフも。そこで、働きたいだけ働ける制度でもあることを丁寧に説明しつつ、雇用形態を選べる制度も追加導入。正社員・業務委託契約・面貸しスタッフの中から、給与や福利厚生など、個々が優先する事項に沿った雇用形態を選択できるようにした。スタッフ全員がより自分に合った「働き方」ができるようになり、不満の声も解消。なお、雇用形態は、ライフスタイルの変化などに応じて何度でも変更可能としている。

ママスタイリストの松野さん。不安なく復帰・働ける環境に感謝しているそう

ママスタイリストの松野さん。不安なく復帰・働ける環境に感謝しているそう

2取り組み

お金の悩みを出産お祝い金でサポート。

どんな制度?

 今年から、出産したママスタイリストへ子供ひとりにつき10万円の出産お祝い金を支給。産休・育休中の保障に加え、お祝い金ももらえることで、女性スタイリストの出産時に抱く金銭面での不安払拭につなげられている。

この制度を導入した理由は?

 スタッフからの「妊娠したけどお金がなくて不安」との声を受け、何かしたいと思い導入を即決。これまでも個別に受けた相談や各店舗の店長から上げられた要望のうち、改善することでより良い労働環境につながる事象については、ルールを即変更して対処している。

岩淵店長。スタッフの声を細やかに収集、随時オーナーに報告・相談している

岩淵店長。スタッフの声を細やかに収集、随時オーナーに報告・相談している

3取り組み

復職メール送信など、失客対策に「サロンボード」を活用。

どんな取り組み?

 「ホットペッパービューティー」のサイトと完全連動している予約・顧客管理システム「サロンボード」に、顧客情報や予約状況などのデータを一元化。産休・育休中のスタイリストを指名されたお客さまに対してのフォロー時に活用するほか、メッセージ配信機能を使って、ママスタイリストの復職月に、復職のお知らせメールをお客さまへ送信している。

メリットは?

 産休・育休による失客を抑える手法として、効果を発揮。また、予約状況やお客さまの連絡先を画面ですぐに確認できるので、当日、子供の熱などで欠勤することになったママスタイリストも、予約いただいたお客さまに直接電話でおわびや予約変更のお願いをするなどスムーズに対応でき、顧客離れのリスクを最小限に抑えることができている。

当日欠勤などによる急な引き継ぎも、顧客情報が集約されているのでスムーズ

当日欠勤などによる急な引き継ぎも、顧客情報が集約されているのでスムーズ

オーナーインタビュー

オーナーの松本平さん
2011年に独立開業、2013年に銀座店をオープン。9月にオープンを控える20店舗目の心斎橋店は、待遇面の仕組みをさらにブラッシュアップさせることで「日本一高いスタッフの給料」を目指す

Q. 最初にぶつかった壁は?

A. ルールを変えれば何事も壁ではなくなります。

 アシスタントとして最初に入社したヘアサロンを体調不良でクビになったことがあり、独立当初から普通の企業を作って、家族であるスタッフをどんな時も守り続けたいと考えていました。そのためにも、順応性を大切にしていきたい。ルールも守るべきものではなく、スタッフのために変えていくもの、作っていくものだと思っています。
 だから、会社には守るべきルールはなく、あるのはガイドラインだけ。あえて変わらないルールといえるのは、「困った人がいたら助けよう」のひとつだけでしょうか。あとのルールは、問題が起きたらすぐに変えていく。長く気持ちよく働いてもらえるように、その都度、柔軟に対応していけばいいので、壁にぶつかったと感じたことはないですね。

Q. 今後さらに取り組みたいこと、課題は?

A. スタッフの声に応えながら企業を進化させていきたい。

 残念ながら一般企業にとって普通のことをしても特別に見えてしまうのが今のサロン業界の現状ですが、スタッフにより良い環境を提供していくことは経営者の責務だと思っています。250名いるスタッフのうち、約4割が女性なのですが、彼女たちに対しても同様。労働人口が減少しているなかで、出産後に復職できる道を作ることは、経営の面でも重要ではないでしょうか。
 各店舗に情報をしっかり集約してくれる店長がいれば、19店舗すべてを毎日まわらなくても声を吸い上げ、細やかに対応することはできます。これからもスタッフの要望を取り込むことで企業を進化させ続けたいと考えています。

Salon Data

little ginza【リトル 銀座】

アクセス
銀座線・丸の内線銀座駅A8出口から徒歩30秒
創業年
2011年
店舗数
19店舗
スタッフ数
16名(うちスタイリスト16名)※ginza店
URL
http://beauty.hotpepper.jp/slnH000239916/
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