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女性が活躍するサロン

女性スタッフが辞めない
サロンの秘訣

結婚・出産を経ても女性スタッフが長く活躍している、さまざまなサロンの取り組みや職場づくりを紹介していきます。

vol.23「きりもり上手な主婦が店長に最適!」と
言い切るオーナーの取り組み内容とは?

MOK 大阪梅田店

大阪市北区

大阪、京都、神戸に4店舗展開するヘアサロン「MOK」。その名の通り、木の素材をメインにした温もりのある雰囲気で、ゆったりとした時間が過ごせるサロンです。全店で23名のスタッフ中、ママスタイリストが1名、育休中のスタッフが2名います。「ずっとへ、まっすぐ」という経営理念のもと、お客さまだけでなくスタッフともずっと協働していける店舗づくりを実現しているオーナーの寺田さんにお話をうかがいました。

1取り組み

パート勤務、正社員での時短勤務、自宅待機勤務など、
多様な勤務体制を個々の事情に合わせて導入。

どんな取り組み?

ママスタッフである大阪梅田店・店長の徳永さんは、アシスタント時代に妊娠して一度退職した後、2児の出産を経て復帰。そのとき保育園に入園できていなかったため、週3日のパート勤務からスタートし、現在は正社員として11:00~17:00の時短勤務、また定休日と日曜日を休日としている。ママスタッフだけでなく、共働きで育児をする男性スタッフが保育園のお迎えに行けるよう時短勤務を選択できたり、体調を崩したスタイリストが予約が入ったときのみ出勤する自宅待機制度を作るなど、スタッフ個々の事情に配慮した勤務体制をとっている。

メリットは?

「一度仲間になったスタッフには長く続けてもらいたい」というのがオーナーの寺田さんの考え。徳永さんのように一度辞めたスタッフが「戻ってきたい」と思えたり、若い女性スタッフたちに「子どもを産んでも続けられる」と希望を持たせることができるようになっている。

大阪梅田店の店長・徳永さん(左)が妊娠して退職した際も、オーナーの寺田さんは「続けて欲しい」と依頼していたので、徳永さんが「復帰したい」と言ったとき、すぐに快諾したそう

大阪梅田店の店長・徳永さん(左)が妊娠して退職した際も、オーナーの寺田さんは「続けて欲しい」と依頼していたので、徳永さんが「復帰したい」と言ったとき、すぐに快諾したそう

2取り組み

毎月1回の全体会議、社員旅行、運動会などで、
スタッフ同士の和を築く。

どんな取り組み?

「MOK」では毎月、神戸店に全員が集まって会議を実施。業務報告やアシスタントの技術テストを行うほか、全スタッフが店舗横断で所属するさまざまな委員会の活動報告や、その月に生まれたスタッフの誕生会を開催している。また、社員旅行やお客さまを招いての運動会など定期的なイベントも多々行っている。

メリットは?

県をまたいだ4店舗展開ながら、「MOK」全体のまとまり感を生み出すだけでなく、スタッフ同士が顔を合わせる機会が多いことで、お互いの事情を理解し合える風土ができている。そのことで、「取り組み1」のようなスタッフ個別の事情を組んだ勤務制度を作っても、自然に協力体制が生まれている。

社員旅行も毎年実施。写真は台湾での社員旅行で

社員旅行も毎年実施。写真は台湾での社員旅行で

運動会はお客さまとの交流を兼ねて実施。スタッフも家族連れで参加する

運動会はお客さまとの交流を兼ねて実施。スタッフも家族連れで参加する

3取り組み

全員一致の採用で、ママも自然と働きやすい風土に。

どんな取り組み?

新しいスタッフを採用する際は、スタッフ全員が面接官を務めている。その後の選考会議でも全員一致の結論が出るまで話し合い、「MOK」の社風に合う人材の採用者を決めている。

メリットは?

スタッフみんながいいと思ったメンバーを採用していることから、オーナーの寺田さんの考え方と同様に協働や「和」を重視する、運営のしやすい組織ができあがっている。オーナーが新しい方針などを導入するときもスタッフからの反対がほとんどないという。
そのため、ママスタッフを迎える風土づくりについても、自然と受け入れてくれるようになった。元スタッフだった徳永さんの再雇用はオーナーが決めたが、「2児のママでパートの人が来る。子どもの発熱などで早退することも多いかもしれない」と伝えても、そのことをデメリットと考えるスタッフは皆無だった。また時短勤務の徳永さんを店長に任命した際も、スタッフたちは異論なく受け入れてくれたそうだ。

「MOK」創立15周年のアニバーサリーでスタッフみんながお祝いしてくれたそう

「MOK」創立15周年のアニバーサリーでスタッフみんながお祝いしてくれたそう

オーナーインタビュー

最初に勤めた店舗で、健全な経営を自然に学んだというオーナーの寺田健太郎さん

Q. 会社の立ち上げ時から社会保障完備など福利厚生を整えた理由は?

A. それが当たり前だと思っていました。

自分が20年前に5年間勤めたサロンが、社会保障完備で財形貯蓄までしてくれていました。私が手荒れでドクターストップがかかった際に、オーナーが「治るまで受付業務でいい」と言ってくれたのです。だから「経営をしたら人を大切にする」のは当たり前だと思っていました。また、学生時代にさまざまなバイトをして美容業界以外の会社もたくさん見てきたことも、今の経営に役立っています。

Q. 時短勤務のママスタッフを店長に抜擢したのは?

A. 専業主婦を経て「きりもり」する能力が抜群に高くなっていたからです。

以前「マネージ(manage)」の語源を調べていたら「きりもりする」意味だと知りました。「きりもり」と言えば主婦の方々がたけている力。だからスタッフや店舗の売上を管理する店長職には主婦が一番向いていると思ったのです。ママスタッフの徳永は、うちを退職後3年間専業主婦として2児の子育てをしていました。復帰を申し出てくれて再会したときに「なんかパワーアップしている!」と感じました。それこそが「きりもり能力」だと。そうした女性の能力をマネージメント分野で活かし、技術や売上の高い人は店長とは別の役職で待遇するのがベターだと思っています。

Salon Data

MOK 大阪梅田店【モク】

アクセス
大阪市営地下鉄御堂筋線中津駅下車徒歩2分
創業年
1999年
店舗数
4店舗
設備
6席
スタッフ数
23名(全店舗)
URL
http://beauty.hotpepper.jp/slnH000038711/
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