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女性が活躍するサロン
結婚・出産を経ても女性スタッフが長く活躍している、さまざまなサロンの取り組みや職場づくりを紹介していきます。
Chocolatグループ
大阪市北区
創業から1年半で5店舗を展開する「Chocolat」グループは、スタッフが全員女性の「女性のためのヘアサロン」。ヘアサロンと同時に本格整体&アロマ専門店「和み庵」も経営するオーナーの塩見さんは、4児のママでもあります。育児をしながらご主人と整体サロンを経営してきた塩見さん。「スタッフには育児と仕事の両立で自分と同じ苦労をさせたくない」と、女性の働きやすさを第一に考えています。ママスタッフ2名、妊娠中のスタッフが1名いる現在の様子をうかがいました。
1取り組み
2014年の創業当初から、アシスタントを含め社会保険完備はもちろん、基本は完全週休2日制としている「Chocolat」。採用時に働き方に対する本人の希望を確認、「ガッツリ働きたい人は月の休みを減らす」「家庭の事情で勤務時間に制限のある人は早番のみ」「子どもがいて育児に軸足を置きたい人はパート勤務も選べる」など、個々の事情に合わせた勤務形態が選べるようにしている。
「プライベートが充実していないといい仕事はできない」というのがオーナーの塩見さんの考え。女性スタッフのみのサロンの場合、出産や育児、ご主人の仕事の都合など、女性特有の働き方の制限がどうしても発生する。この取り組みにより、みんなが無理なく働くことができ、スタイリストを生涯の仕事として続けることができるようになった。また、求人の際にも人が集まりやすくなったという。
スタッフは全員女性。2児のママスタイリスト・竹口さん(左から2番目)も活躍中
2取り組み
週休2日の1年目のスタイリストでも基本給は27万円以上。これに指名料などの歩合が付く。社会保険完備のため、育休中のスタイリストで雇用保険の条件を満たしている人は育児休業給付金が支給されるので安心。創業当初の基本給はもう少し低かったが、塩見さんは「まずはスタッフの生活を安定させることが大事」と考え待遇改善に取り組んだ。
スタッフの給与を上げるためには売上を伸ばし、かつ会社やオーナーの取り分を低く抑える必要がある。「スタッフあっての店舗ですから、待遇はスタッフを中心に考えます。最初は赤字でもオーナーの取り分は後からついてくるものです」と塩見さん。売上を伸ばすために、講習会を頻繁に行うなどスタッフの技術教育も充実させている。また、「店舗は好条件の立地に出店する」「店舗ごとのコンセプトを明確にして内装にもこだわる」「サロンで扱うシャンプーや薬剤を高品質なものにする」など、集客につながる策を戦略的に行っている。
スタッフを第一に考えてくれる会社に応えてスタッフ全員ががんばることで、創業から1年半の間で基本給を徐々に上げていったそうだ。
「Chocolat UMEDA」は「不思議の国のアリス」がコンセプトのキュートでガーリッシュなサロン
スタッフを想う情熱と、経営戦略を練る冷静さを兼ね備えた塩見さん
3取り組み
「Chocolat」の1号店を梅田にオープンさせたのが2014年5月。今年(2016年)の1月には天王寺に5店舗目の「Chocolat Abeno」をオープン。わずか1年半の間に多店舗展開してきた。さらに今年の2月には難波にまつげエクステとネイルの専門店をオープン予定だ。「梅田、難波、天王寺とあえて狭い範囲で展開しています。それによって、例えば誰かの子どもが発熱して急に早退しなければならないときなどに、他の店舗からもヘルプしやすくしています」(塩見さん)。
多店舗であることでヘルプしやすいだけでなく、結婚などでスタッフが転居した場合に、家に近い店舗に異動することも可能になる。また、普段から他の店舗へヘルプに入ることによってグループ全体で助け合う風土ができあがっている。
さらに、講習会や撮影会だけでなく、月に1回会社が費用を出し、スタッフ全員で交流できる飲み会を開催。お互いのプライベートな事情も理解しあっているため、家庭で何かあったときに気兼ねなく休めるという。
5店舗目としてオープンした「Chocolat Abeno」はあべのハルカスの目の前という好立地
スタッフ同士の交流の飲み会を定期的に行っている。子どもを連れて参加もOK
オーナーの塩見志子(しおみゆきこ)さん。4児の育児をしながら、整体サロンの代表も兼務するスーパーママ社長
A. 経営者だから仕方がありません。でもスタッフには無理なく働いてほしい。
私自身はもともとスタイリストですが、整体やアロマにも興味があって勉強していた頃に、整体サロンを始めた主人と出会って結婚しました。サロンを大きくしようとしていたので、ふたりで育児をしながら経営もがんばってきましたが、やはり両立は大変。長女出産後は退院翌日から働いていましたし、電車の中で離乳食を与えたりと子どもたちには可哀相な思いをさせました。自分は経営者なので仕方ありませんが、スタッフは全く別。自分が母として大変だった思いをスタッフにはさせたくなかったので、経験をもとに「どうしたら女性が働きやすくなるか?」を常に第一に考えています。
A. 女性たちに好きな仕事をあきらめてほしくないからです。
スタイリストも整体セラピストも、みんな好きで就いた職業のはずです。それが女性だけが家庭の事情で仕事を続けられなくなるのはおかしいですよね。一方で、ママになったらやっぱり子どもといられる時間があった方が幸せです。会社側が少しでも勤務日数や勤務時間を考慮することで続けられるなら、会社も優秀な人材を失わずに済んでお互いにハッピーだと思います。
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