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女性が活躍するサロン

女性スタッフが辞めない
サロンの秘訣

結婚・出産を経ても女性スタッフが長く活躍している、さまざまなサロンの取り組みや職場づくりを紹介していきます。

vol.70ママスタッフのため、18時閉店に設定。
それでも生産性No.1の理由とは?

himawari

東京都杉並区

2011年に1号店となる「蔦(tuta)」のオープン以来、わずか5年で6店舗を出店をしている「tuta project」。2012年に開店した「himawari」はママスタイリストの店長・岡村さんが率いる女性スタッフだけのサロンです。現在産休中のスタッフもいて、10:00〜18:00とママスタッフが無理なく働ける営業時間に設定。女性スタッフが長く働けることを前提に店舗を考えたという、オーナーの内山さんにお話をうかがいました。

1取り組み

女性スタッフだけの店舗は、将来を見越して営業時間を短めに設定。

どんな取り組み?

 「himawari」は女性スタッフだけの店舗。グループ内の他店は22:00まで営業する中、10:00〜18:00(カラー、ヘッドスパのみ20:00まで可)と営業時間を短く設定。店長の岡村智代さんがママスタイリストで、現在産休中のスタッフもいるため、ママスタッフたちが働きやすい環境にしている。

なぜそうした?

 「himawari」のオープン時、岡村さんはまだ独身だったが、グループ内の他店の店長との結婚を控えており、ゆくゆくは妊娠・出産することが予想されていた。そのため、ママスタッフになることをイメージしてサロン運営を設計していた。

「himawari」店長の岡村さん。創業時からのメンバーで、ご主人も同グループで店長を務めている

「himawari」店長の岡村さん。創業時からのメンバーで、ご主人も同グループで店長を務めている

2取り組み

短い営業時間でも、他店と同等の売上をあげる生産性の高い店舗づくり。

どんな取り組み?

 「himawari」は平均客単価が1万2,500円と、グループの中で最も平均単価が高く、総売上で他店にひけをとらない。そのために、価格帯の高いサービスを求めるお客さまを呼び込む集客努力をしている。例えば、自分のために使えるお金に余裕があるお客さまは、カットなどのスタイリングだけでなくケアを求めることが多い。集客サイトでの表現で、「ケアに力を入れていることがわかるようにしている」などだ。また、お客さまのニーズを徹底的に引き出すカウンセリングで、付加価値の高いサービスを提供している。

背景とメリットは?

 「himawari」の営業時間を設定する際、オーナーの内山さんと店長の岡村さんは、客単価を上げることを第一目標とした。
「産休復帰後でも『稼げるスタイリスト』であれば、短い勤務のなかで十分売上は伸ばせると思いました。うちは6店舗それぞれ、店長の得意分野をいかした店舗展開をしています。岡村の強みはカウンセリングでお客さまにプラスαの提案をすること。だから、客単価や生産性の高い店舗をつくれると思いました。現在ではプラスαの提案が他のスタッフも共通認識となっているため、高い生産性が可能になっています」(内山さん)

3取り組み

子どもができたスタッフ一人ひとりの事情に合わせて個別対応。

どんな取り組み?

 女性スタッフが妊娠した場合、育休期間や出産後の勤務時間などは、個々の事情に合わせて話し合っている。会社として固定の制度をつくっているわけではないが、個別対応をすることでよりスタッフ自身にフィットした対応ができている。

なぜそうした?

 妊娠した女性の体調や、生まれてくる子どものことを予想して予定をたてることは誰にもできない。出産後の子育て環境も、ご主人の考え方などに左右されることが多い。そのため、ママ1号の岡村さんの例が、次のママスタッフには当てはまるわけではない。
「それぞれの事情に合わせるしかないので、本人の状況と希望を聞いて、個別に判断していきます。一番大事なのはお客さまに迷惑をかけないことです。引き継ぎはお客さまのご希望でグループ内の他店も含めて振り分け、産休前後にどう対応するかをお客さまにきちんとママスタッフ本人からご説明しています。それさえ徹底していれば、他のことはフレキシブルでよいと思います」(内山さん)

「現在産休中のスタッフの復帰の際は、状況が岡村のときとは全く違うので、別の対応が求められると思います」と内山さん

「現在産休中のスタッフの復帰の際は、状況が岡村のときとは全く違うので、別の対応が求められると思います」と内山さん

4取り組み

まわりのスタッフの協力を得られるかは、本人次第。そのために、日々の人間関係を大切に。

どんな取り組み?

 子どもができると、急に熱を出すなど不測の事態が多々起こる。一緒に働くスタッフの協力は欠かせないが、そのために会社としてあえて手助けすることはないという。逆に、そのときにスタッフの協力を得られる人間関係を日々つくっていくことを、スタッフたちに期待している。

なぜそうしている?

 「正直、オーナーとして、女性が子どもを産んで仕事を続けることをバックアップするとかしないとか、大げさに考えたことはありません。その人自身が続けたければ続ければいいし、どうすれば続けられるか本人が考えればいい。その決断に対して会社が口を挟むことではないと思っています。まわりの協力も、オーナーが『協力してあげて』と言ってするものではありません。個々のスタッフがそれまでに積み上げてきた人間関係で『この人のためなら』とまわりが思うかどうかですよね。それは女性の出産に限らないことです。もちろん相談されれば話は聞きますが、あえて私が介入しないようにしています」(内山さん)

営業中はなかなかスタッフと話す時間がとれないため、岡村さんは一緒にご飯を食べたり、自宅に招くなどして、コミュニケーションの時間をつくっているそう

営業中はなかなかスタッフと話す時間がとれないため、岡村さんは一緒にご飯を食べたり、自宅に招くなどして、コミュニケーションの時間をつくっているそう

オーナーインタビュー

オーナー・内山彬さん。2011年、26歳で独立し「蔦」をオープン。2013年に「tuta project」として法人化。ご本人も「kichi」で現場に立っている

Q. 「子どもができて続けるかは本人次第」とおっしゃるのは、一見突き放しているように聞こえますが、なぜそうお考えになったのですか?

A. なるようにしかならない。スタッフに何かが起きても経営が揺るがない基盤づくりがオーナーの仕事です。

 女性の妊娠・出産で起こることは予測ができません。なるようにしかならない難しいことです。だから、スタッフにどんな事情が起きても揺るがない経営基盤をつくることを心がけています。つまりどの店舗も売上をきちんと上げている状態にすること。売上が伸びる仕組みづくりができていれば、誰かが産休・育休で長期で休むことになっても、それをフォローできます。逆に言えば、売上が上がっていないと、オーナーが余裕を持ってスタッフの働き方や会社の運営を判断することができません。

Q. 「himawari」が非常に生産性の高い店であるなど、「売上が上がる仕組みづくり」の秘訣は?

A. スタッフたちに「得意分野」を見つけてもらい、それに対するファンづくりをしています。

 スタイリストにはそれぞれ個性や好きな分野、得意分野があります。それがお客さまのニーズとかみあえば再来につながり、固定客となります。だから不得意分野をなくさせるより、得意分野を徹底的に伸ばしてもらい、それに合ったお客さまを集客する努力をしています。技術だけでなく、インテリアもターゲットに合わせて趣向を凝らしています。5年間で6店舗まで増やしたのは、店長たちの個性がそれぞれ違っていたからです。狙ったお客さまに来店いただくには、ホットペッパービューティーでの表現やクーポン設定などを工夫してきました。また、営業時間や定休日を変えてみて、どの時間帯や曜日にターゲットとするお客さまが多く来店されるかなど、少しずつ試行錯誤してきたのです。その結果、どの店舗も売上が安定した体制になってきています。

Salon Data

himawari【ヒマワリ】

アクセス
JR高円寺駅から徒歩5分
創業年
2011年
店舗数
6店舗
設備
6席(himawari)
スタッフ数
6名(himawari)
URL
http://beauty.hotpepper.jp/slnH000239527/
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