PEOPLE.09 高須 克弥 高須クリニック 院長
美容医療界の金字塔。 75歳、がん治療なう。
Profileプロフィール
1945年、愛知県生まれ。「高須クリニック」院長・「高須病院」理事長。江戸時代から続く医師の家系に生まれ、整形外科を専門に学ぶ。その後、美容整形外科医の草分け的存在として「二重瞼形成用糸」「脂肪吸引手術」など数多くの施術に関する特許を取得、その技術を広めてきた。
https://www.takasu.co.jp/
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誰もやったことがなければ、すぐナンバーワンになれる。
千葉
(ホットペッパービューティーアカデミー アカデミー長)
高須先生は「全身がん」であることを公表されています。治療をしながら精力的にお仕事をされていますが、どんな日々を過ごしていらっしゃるのでしょう。高須
僕の近況は、Twitter見てもらえたらわかるよ!全部つぶやいてるから(笑)。「あ、いまは徹夜でマージャンしてるんだな」とかって。これからまた治療のために入院するけどね、元気ですよ。先週はドバイに行っていたし、今日は僕が患者さんの手術をしたし…。忙しいって言っても眠りたい時に寝て、起きたい時に起きる自由な生活。だからほら見て、がんになると痩せちゃう人も多いけど、僕はどんどんデブになってるでしょ(笑)。
千葉
お元気そうで、よかったです。
それでは、まず先生の経歴についてうかがいたいと思います。先生が美容整形の道に進まれた当初、日本ではまだ珍しい分野でしたよね。高須
あったといえばあったけど、美容整形なんて日陰の身でしたね。「美容をやっているなんて医者じゃない、クズだ」なんて言われる時代。
僕はもともと、整形外科を専攻してたの。これからモータリゼーション(自動車が大衆的な生活の中に定着している状態)の時代が来る、すると交通事故も増えるから、整形外科が必要になるだろうって思ってね。それで人工関節とかを研究するためにドイツへ留学したんですよ。そこで顔の骨格を変える、鼻を小さくするような手術を初めて見たんです。そういうのは当時の日本にはなかった。誰もやったことがなければ、すぐナンバーワンになれちゃう。それで興味を持って、やってみようと思ったんだよね。
千葉
先見の明があったんですね。それで帰国後は美容医療の世界へ?
高須
最初はいわゆる整形外科や形成外科医として働いていました。だけど、たとえばガラスで皮ふがグチャグチャになってしまった人がいたとする。僕は傷跡が残らないようにすごく細かく縫うんだけど、それって儲からないの。何針縫っても治療費は変わりませんからね。だけど時間はかかるから、病院から文句が出るわけ。だったら自由診療で、治療費がかかってもきれいな仕上がりを望む人を相手にしようと思って「高須クリニック」を立ち上げたんです。
千葉
当時はそうしたきれいな仕上がり、美容を重視した手術というのは一般的ではなかったんですね。
高須
そうですね、整形外科は骨折とか脱臼とか運動器の修復をします。先天的奇形や傷痕を治すのは形成外科、正常な人を若くした美人に作り替えるのが美容外科って考え方がわかりやすいかな。
うちは親族もみんな医者なんだけど、当初は「美容医療をやるなんて恥だ」ってみんなに反対された。だけど僕は、「これからはこの分野が最先端医療になるんだ」と反論してました。