イノベーターが
見ている未来
vol.54
その取り組みと背景、そして未来についての展望をうかがいます。
TICK-TOCK代表
ステップボーンカット協会代表理事
牛尾 早百合さん
ヘアサロン「TICK-TOCK(チックタック)」を兵庫・神戸を拠点に6店舗、ニューヨークに1店舗展開。また2020年6月、東京・南青山に「ステップボーンカットトーキョー」をオープン。特許を取得したカット技法「ステップボーンカット」創始者であるSAYURIさんに、コロナ禍であらためて見直されたそのカット技術がもたらす価値、そして未来についてうかがいました。
「株式会社TICK-TOCK」代表取締役・スタイリスト、「一般社団法人 ステップボーンカット協会」代表理事、ヘアメイクアーティスト、写真家、講師など多彩な顔を持つ。
・TICK-TOCK
https://tick-tock.co.jp/
・一般社団法人 ステップボーンカット協会
https://sbc-a.jp/
第1章コロナで気づかされたこと
「コロナが教えてくれたのは、
自分が本気ではなかった、ということ。」
SAYURIさんは海外を行き来しているイメージですが、コロナのいま拠点はどちらに?
自宅がある姫路です。コロナの影響で、ニューヨーク店は現在も休憩中で・・・。ステップボーンカット協会のセミナー講師の仕事も、リアルで会うのはほとんどキャンセルになったので、自宅からオンラインで行っていますね。なので、家がスタジオ状態です。
7月には、ステップボーンカットのオンラインスクールを開校されていましたね。
大転換です。まずは手探りで、すでに技術取得している人のフォローアップから始めました。ステップボーンカットは、いままでと全く違う特殊な技法なので、特に最初の「基礎認定講座」は、オンラインでは絶対ムリだと話していたんです。いままで対面で手取り足取り教えていたから。でも試しに、モニター受講生を募集して、その中から本気でやれる方を十何名か選ばせてもらって。そしたら、リアルよりうまくなったんです!オンライングループもつくって、2カ月間みっちりつながっている状態です。
いままで一方的に教える講習メインだったものが、伴走型というか。これはオンラインだからできること。そちらの方が、お互いにいいですね。
ステップボーンカット協会のみんなとのやりとりもすべて、オンライン。以前やっていた時間をとって、会場とって、移動して・・・というのがなくなって、逆に「いままで何でオンラインでやっていなかったんだろう?」と思うくらい。
コロナによって、変革が矢継ぎ早に訪れましたよね。
いまって、何もかも捨てて、何もかも変わるときじゃないですか。人類の歴史の中で、こんなことってない。いろんなしがらみで、あきらめていたものが、一気になくなったというか。背中をドンと押された感覚です。
「ステップボーンカットトーキョー」のオープンは、コロナの時期と重なって大変だったのでは?
そうですね。4月8日に予定していたプレオープンは中止に。すでにお客さま、メディア関連の予約を入れていましたが、すべてお断りの連絡を入れました。結局オープンは6月9日になりました。
「ステップボーンカットトーキョー」のコンセプトを教えてください。
ステップボーンカットのフラッグショップがほしいとは、ずっと思っていたんです。目指すのは、「クリーンビューティ(人と地球にやさしい美容)」。水・電気・薬剤を最小限にして、衛生管理と環境保護のバランスを第一に考えた、新しいヘアサロンのカタチを構築しました。
コロナが教えてくれたのは、いままで、自分が本気ではなかったということです。ステップボーンカットの価値を、本気で伝えていなかった。なぜなら自分たちは、自分たちだけで問題なく満足していたからです。そういった自己主義に気づきました。やるべきことがいっぱいあったなと。不要なものに労力と経費をいっぱい使って、それとともに自然を破壊していた。
これからも共存していかなければいけないコロナと、運営していく覚悟はできました。なぜなら、美容室は健全な社会に必要であると思うからです。
ステップボーンカットは、コロナの時代にこそふさわしいもの。お客さまからみたメリットは、カットが早いので施術時間が時短になることです。サロンにとっては、生産性が上がり、コストが抑えられる。なので、「ステップボーンカットトーキョー」のオープンがコロナと重なったことも、必然だったと感じます。
一刀入魂カットが超時短を可能に!
特許取得の技術で、生産性革命を。