美容の未来のために、学びと調査・研究を

美容サロン経営を学ぶならホットペッパービューティーアカデミー

女性が活躍するサロン

女性スタッフが辞めない
サロンの秘訣

結婚・出産を経ても女性スタッフが長く活躍している、さまざまなサロンの取り組みや職場づくりを紹介していきます。

vol.13「最低でも100店舗」を宣言。
業界のボトムアップを目指すオーナーの想い。

CLAIR/ネイル・まつげサロン(AQUAFEELグループ)

東京都大田区

2011年に「AQUAFEEL」を設立された宍戸さんは、「従業員満足ナンバーワン、顧客満足ナンバーワン」を目指し、社会保険労務士の指導のもと労務管理を整備しています。「最低でも100店舗」を目標に、わずか4年でフランチャイズも合わせて現在11店舗まで急成長。
ネイル・まつげサロンの「CLAIR」は、3児のママスタッフを店長として抜擢。女性だけでなく全スタッフの働きやすさにこだわり続ける、その想いをうかがいました。

1取り組み

社会保険労務士と顧問契約を結び、就業規則などを整備。

どんな取り組み?

社会保険労務士の指導のもと、産休制度などをきちんと盛り込んだ就業規則を作成し、店舗ごとにスタッフがいつでも見られる状態にしている。制度を皆が理解しているため、「CLAIR」の店長の古川さんが産休に入るときも、本人、当時の店長、周囲のスタッフがスムーズに対応することができた。

取り組みの理由は?

オーナーの宍戸さんは「従業員満足ナンバーワン、顧客満足ナンバーワン」の会社を目指している。そのための目標を、「社会保険完備、完全週休2日、アシスタントの月給30万円、平均年収450万円、社員寮完備、自社ビル、技術養成所の設置」と具体的に掲げて、社内の労務体制の整備を進めている。社会保険加入と就業規則は労務管理の基本のため、真っ先に取り組んだそうだ。

100店舗を目指すため、直営店だけでなく、経営を任せられるスタッフにはフランチャイズ化してオーナーになってもらっている

100店舗を目指すため、直営店だけでなく、経営を任せられるスタッフにはフランチャイズ化してオーナーになってもらっている

フランチャイズで任せている店舗。左は横浜市の「drop」、上は大田区の「Liberta」

フランチャイズで任せている店舗。左は横浜市の「drop」、上は大田区の「Liberta」

2取り組み

女性がいつママになっても対応できる制度を。

どんな取り組み?

産休・育休は、妊娠した女性スタッフが出る前から就業規則に明記。出産後、時短勤務の期間は1年契約の契約社員も選べるようにした。待遇は正社員と同等だが、本人が周囲に気を使わずにすむためだ。本人のがんばり次第でその後も更新でき、子どもの手が離れれば正社員に戻れる形式にすることで、スタッフの心理的な負担も減らしている。

取り組みの理由は?

宍戸さんは独立したときから、グループで100店舗以上にすることを目指している。店舗を増やしスタッフを増やすには、女性スタッフに仕事を続けてもらう必要があるため、女性が働きやすいサロンを作ろうと最初から考えたそうだ。宍戸さんの究極の目標は業界全体のボトムアップ。「うちが好待遇で求人が殺到することで業界に影響を与えたい。そのためにも店舗数を増やして、影響を与えられる存在になりたいと思っています」(宍戸さん)。

「CLAIR」のママ店長である古川さんは、宍戸さんの経営理念に共感して入社したそう

「CLAIR」のママ店長である古川さんは、宍戸さんの経営理念に共感して入社したそう

3取り組み

「合同勉強会」と「評価シート」で
女性に限らず全スタッフの質を向上させる。

どんな取り組み?

技術面では、1店舗に全スタッフが集まり合同勉強会を行っている。また、個々のスタッフが行ったサービスの内容を振り返って自己採点する「評価シート」を導入している。職種ごとに作成した約10の評価項目について記入し、毎日各店長に提出。その内容を毎週行う店長会議で共有し、サービスの質の向上をはかっている。

なぜそうした?

「従業員満足ナンバーワン、顧客満足ナンバーワン」を実現するには、従業員の質のアップが大前提だ。技術の練習はもちろんだが、技術だけでは他店との差別化ができないため、接客サービスの向上にも力を入れている。価格を安くする集客では社員の賃金を上げられず、労務管理に必要な社会保険の原資も得られない。ベテランの女性スタッフが産休などで離れたときに、引き継いだ若手のスタッフが同様のサービスを提供できなければ失客にもつながる。技術と接客サービスの向上こそが、好待遇や女性活躍を実現できる基本なのだ。

オーナーインタビュー

「業界に影響を与えられる存在を目指しています」と、オーナーの宍戸光太郎さん

Q. 社会保険労務士を顧問につけるなど、労務管理を徹底する理由は?

A. 労務管理の徹底は当たり前。マイナンバー制度が導入されれば、経営は筒抜けになります。

美容室が過多状態で、美容師を目指す若い人が減っているのが業界の現状。このままでは業界が沈没します。キレイになりたい女性がいる限り必要とされる仕事なのですから、働きたいと思う人を増やし、そう思われるサロンづくりは当たり前です。来年からマイナンバー制度が導入されれば経営は筒抜けになり、社会保険に入っていないサロンは会社組織を継続できなくなるでしょう。業界が淘汰される時期は目の前に来ているのです。

Q. 短期間でグループが成長している秘訣は?

A. 目標を明確にし、それを周りに伝えて実行するだけ。

シンプルに、「自分のおかれている立場で1番を目指す」と目標を立てることです。「1番になる!」と周りに言って、具体的な道筋も示すこと。私は独立したときから「100店舗を目指す」、「従業員満足と顧客満足でナンバーワンを目指す」と言ってきました。具体策を従業員に伝えれば、共通の目標として着いてきてくれます。そのためには、お客さまよりスタッフを第1優先に考えています。スタッフが目標を持ってイキイキと働いてくれれば、それがお客さまへのサービスに必ずつながっていくからです。

Salon Data

CLAIR 【クレール】(AQUAFEELグループ)

アクセス
JR大森駅から徒歩2分
創業年
2014年
店舗数
11店舗(AQUAFEELグループ)
設備
ネイル6席、まつげ6席 ※CLAIR
スタッフ数
6名 ※CLAIR
URL
http://beauty.hotpepper.jp/kr/slnH000301774/
女性が活躍するサロンの記事一覧へ

おすすめの記事

注目の動画

連載記事ARTICLE

  • 新着
  • ランキング

受付中のセミナーSEMINAR

動画ランキングMOVIE

ホットペッパービューティーアカデミーに
会員登録をして、
美容サロン経営に役立つ動画
を見よう!