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女性が活躍するサロン

女性スタッフが辞めない
サロンの秘訣

結婚・出産を経ても女性スタッフが長く活躍している、さまざまなサロンの取り組みや職場づくりを紹介していきます。

vol.17次の目標は、ママスタッフだけの店舗を作ること。
一般企業を意識すれば、美容業界はもっと良くなる!

L’Aube/ヘアサロン

福岡県福岡市

今年4周年を迎えた「L’Aube」では、高い技術をリーズナブルに提供。くつろぎムードもたっぷりで、地元のお客さまに愛されている人気店です。福岡市内に3店舗を展開するグループ全体では、4名のママスタイリストが在籍。他業種に負けない労働環境を整えるべく、ママ支援をはじめ、長く働ける環境づくりに取り組んでいます。スタッフは家族と考えるオーナー 後藤さんが、スタッフに示した「将来への安心感」の形とは?お話を伺いました。

1取り組み

産休&育休後は、希望に沿った時短勤務が可能。
急な欠勤時もサロン全体でしっかりサポート。

どんな取り組み?

 10時~15時までや、9時~17時までなど、個々の事情や希望に合わせて出勤時間などを相談できる時短勤務体制を用意。育休期間や休みの曜日なども、ママスタッフと丁寧にコミュニケーションを取りながら、フレキシブルに対応している。
 また、子どもの発熱などによる急な欠勤時も、予約調整やお客さまへのフォローなど、一児のパパであるオーナーを中心に、サロンスタッフ全員でしっかりサポート。ママが働きやすい環境づくりに努めている。

メリットは?

 ママスタッフの希望に沿って柔軟に対応してもらえるので、仕事と育児の両立が可能に。優秀な人材の離職を防げるだけでなく、失客防止にもつながっている。
 また、現場復帰してイキイキと働く先輩ママは、若手女性スタッフが将来を描く際の良きロールモデルに。出産後も同サロンで働き続けられることをイメージしてもらえるようになった。「スタッフ自身もスタッフの家族も、自分の家族だと思っています。だからこそ、女性スタッフが辞めなくなったことが、取り組みを始めて一番よかったと思うことです」と後藤さん。

今年8月に樂士くんが誕生した、育休中のママスタイリスト 松木亜矢香さん。「L’Aube」には、来年4月に復帰予定

今年8月に樂士くんが誕生した、育休中のママスタイリスト 松木亜矢香さん。「L’Aube」には、来年4月に復帰予定

2取り組み

個々の事情や家庭の方針に合わせて選べる雇用体系。

どんな取り組み?

 「出産前と同じペースでしっかり働きたい」「育児中心で、夫の扶養の範囲で働きたい」など、ママが希望する働き方は家庭の事情によってさまざま。正社員とパートのどちらかを選べるようにして、ママスタッフが望む働き方ができるようにしている。

メリットは?

 希望の働き方ができるので、不安なく復職の道を選ぶことができる。また、お客さまは30~40代の女性の方が中心。子育て中のお客さまも多く、話の合うママスタッフの存在は同サロンの強みのひとつに。
 さらに、社会保険に加え、ママ支援の取り組みにも力を入れたことで、求人に応募してくれる人が増加。「就職先に安定を求める若手が格段に増えている中で、社会保険や労働環境を整えることは、人材確保にとって欠かせない要素となってきているように思います」と後藤さん。

「サロンを一企業として捉え、社会保険や福利厚生面を重視する若手が増えてきています」と後藤さん

「サロンを一企業として捉え、社会保険や福利厚生面を重視する若手が増えてきています」と後藤さん

3取り組み

ママが働けないサロンは発展できない。
オーナーの意思を全員で共有し、ママへの理解を促進。

どんな取り組み?

 「長く安心して働ける、他業種に負けない企業」を目指している「L’Aube」。サロンをより大きく成長させていくうえで、ママ支援をはじめ、人が辞めない仕組みづくりは必須と考えている。そんなサロンの意思をミーティング時に伝え、全スタッフで共有。「ママスタッフがいてくれることの大切さ」を常に語りかけ、ママへの理解を高めてもらえるよう努めている。同時に、ママ以外のスタッフの要望も丁寧にヒアリング。3店舗目オープン時にベース給与UP、休日を増やすなど、スタッフのためと思えることは日々実行している。

メリットは?

 サロンの発展のためにも、美容業界の将来のためにも、ママが働き続けられる環境を整えたいとのサロンの意思を、みんな理解してくれている様子。ママを自発的にフォローしてくれており、ママの働きやすさにつながっている。
 また、他のスタッフの要望も汲み取り叶えることで、スタッフの意識が向上。「サロンをもっとよくしていこう」と、全員が自主的に行動したり、考えてくれたりするようになった。

ミーティングの場でトップの意思を伝え、全スタッフで共有。ママへの理解を促している

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スタッフ間の交流を深めるために、食事会やレクリエーション大会を定期的に開催。写真は今年の社員旅行時のもの

スタッフ間の交流を深めるために、食事会やレクリエーション大会を定期的に開催。写真は今年の社員旅行時のもの

オーナーインタビュー

オーナーの後藤忠臣さん 福岡県内のサロン3店舗を経営。来年中にはママスタッフだけのサロンを含め、2店舗をオープン予定。「うちの社員であることを誇りに思ってもらえるような会社となれるよう、今後もスタッフの要望を形にしながら、働きやすさを追求していきたいです」

Q. 取り組みを始めたきっかけは?

A. 大きなきっかけは、女性スタッフの辞職。
自己中心的な自分に気づかされ猛反省しました。

 2店舗目のオープンを考えていたときに、ずっと一緒にやってきた女性アシスタントが「この職場では長く働けない」と辞めてしまって。そのときに初めて、働きやすい職場というのを意識したことがなかった自分に気づかされて愕然としたんです。そこからは猛勉強。労働環境を整えるには1店舗では限界があるとわかり、保険制度やママ支援の取り組みを叶えるという新たな目標を立てて、2店舗目をオープンさせました。その後、妻が妊娠し、辛い思いをしながら職場に通う姿を見て、ママが働くことはこんなに大変なんだと知って。2店舗目の経営が軌道に乗った瞬間に、社会保険と産休&育休制度、時短勤務の仕組みを整えました。

Q. 今後取り組みたいことは?

A. ママが働きやすい究極のサロンである
ママスタッフだけの店をオープンさせたい。

 ママスタッフがより働きやすい環境を整えるために、来年中にママスタッフだけの店舗をオープンさせたいと考えています。保育園のお迎えや休みに対応できるよう、受付は9:00~15:00にして17:00には完全クローズ。定休日は日曜日です。この店舗単体では収益を出すのは難しいかもしれませんが、それ以上の利益を与えてくれると思っています。例えば、このサロンがあることでよりよい求人条件を提示できるし、他店舗へのヘルプ要員も増える。日曜日は若手スタイリストたちに仕事場として開放すれば、より早く経験値を高められますよね。この店舗によってできること、得られることはたくさんあると確信しています。

Q. 取り組みを始めたいオーナーの皆さまへメッセージを!

A. スタッフのため、美容業界のために、ぜひ「我慢」を!

 求人状況がさらに厳しくなっていくなかで、他業種同様の労働条件を提示できなければ、美容業界の衰退は避けられないと思います。昔の苦い経験からとにかくスタッフの居場所を作りたいとがんばってきて思うのですが、取り組みを進めるうえで必要なのは「経営者の我慢」。これからの美容業界のためにも、我慢できる経営者の道を選んでほしいと思います。そうすることで、人が辞めないサロンになれて、スタッフの幸せも高められる。金銭的な報酬は減りますが、そのスタッフの笑顔を金銭以上の価値と捉えてもらいたいです。

Salon Data

L’Aube【ローブ】

アクセス
JR吉塚駅東口から徒歩3分
創業年
2007年
店舗数
3店舗
設備
8席 ※L’Aube
スタッフ数
11名(うちスタイリスト6名、アシスタント5名) ※L’Aube
URL
http://beauty.hotpepper.jp/slnH000219930/
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