｜第５章｜提案力を高めて客単価を上げる長く働ける環境を作る

野嶋　ＮＹの場合は単価が高いことによって、自由な働き方を実現できている部分もあるでしょうね。単価が上がらないと経営的な生産性がクリアできない。今のジレンマから抜け出せないという点があるでしょうね。

Aya　そうなんです。だから単価上げましょうって、そのためには提案力ですって。技術で隣のサロンと比べてもそんなに変わらない。じゃあ、何かというと、引き出しをもって、毎回毎回、お客様に新しい提案をする。ヘアドクターになる。そうするとお客様が「ここのサロンにいけば特別なことを教えてくれる。あそこじゃなきゃだめだ。あの○○さんという先生じゃなきゃだめだ」となっていくんです。そこまでいくためには、とにかく徹底的に提案力を高めましょうというお話をさせていただいています。 　提案力をつける、客単価を上げる、営業時間を短く、年齢層の高いスタイリストが長く働ける環境を作る、それが自分が提案したいことなんです。30歳を過ぎた、特に女性のね、美容師さんが働きやすい環境ができるといいですよね。

潤一　われわれが提案したいのは業界のグローバル化なんです。日本を離れなくてもグローバルな環境で切磋琢磨していくような環境を提案していきたいんです。

Aya　日本の美容師さんに海外のシステムを知ってもらう。とにかく早く帰れるシステムを作ろうよと。お客様が次の予約をしてくれる仕組みを作ろう。夕方仕事が終わってから来るお客様を、有給をとって、午前中に来ていただけるような提案をしよう。そうやって、平日昼間にこられるお客様を増やして、7時までに帰ろう。早く帰れる日をつくり、友人や家族と過ごす時間を作ろう。

野嶋　われわれもインタビューすると、OLさんは平日にサロンに行きたい人が多いんですよ。

Aya　サロン側が提案していないだけなんですよね。「平日の昼間であれば、じっくりカウンセリングして、ゆっくり提案しながらできますよ」と、お客様にメリットを与える。そして、「その時間でないと予約が取れない」という風に宣言し、自分の立場をはっきり確立する。そうすれば7時までに帰れるじゃないですか。

野嶋　休日の混雑してるときにさっとやってもらうより、ゆったりしてそのほうが絶対にいいですよね。