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美容業界に関する情報・調査を集めた「Beauty総研」サイトに過去掲載されていたインタビュー記事をご紹介いたします。

ヘアサロン領域

2014.09.10

2011年12月にオープンしてから約2年半。既に青山に2店舗、ニューヨークに1店舗を展開する快進撃で業界の注目を集めているassort。代表のkenさんは、アメリカで生まれ、高校を卒業と同時に単身で日本に。それまでの美容業界の常識にとらわれない自由な発想でのマネジメントについて伺いました。

PROFILE

小林 Ken(こばやし けん)

1984年生まれ。アメリカ・テキサス州に生まれ育ち、美容師になるために日本へ。
名古屋の専門学校で学ぶ。その後、都内2店舗で勤務後、27歳で独立し、「assort」を立ち上げ。
2013年には「assort NewYork」2014年には青山にもう1店舗をオープン。
人生のモットー「十人十色」。店名「assort」の由来は、「assortment:アソートメント」(「さまざまな種類の詰め合わせ」の意)の略。 assort webサイト → http://www.assort-hair.com/

|第3章|個の力を大事にする。assort流スタッフ教育

野嶋 動画を拝見していても、すごく楽しそうですよね。一方で、厳しく指導している面もありました。assortが目指しているチームって、どんなチームなんでしょうか。

Ken やはり、自分で考える集団ですかね。人のために働いている、じゃダメなんだと思います。自分のために働かなきゃいけない。
アシスタントでも、憧れの先輩がいるのはいいのだけれど、その人のイエスマンになってはいけない。自分の意志でここにいて、今後こういうことができるようになりたいと言い切れるマインドセットをしっかりできる人たちが集まる組織にしているつもりです。

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野嶋 先ほど言っていた「個」の力ですね。とは言え、具体的なカットレッスンなどは必要ですよね。どうしているんですか?

Ken 一応カリキュラムのマニュアルはあるんですが、最小限に抑えてあります。
最初からこの角度で切らなきゃだめなんだというマインドにしたくないからです。最初からこれしかないと思うと、自由な発想力や見る力が強化できなくなっていくので。

このマニュアル作るのはすごく大変でした。スタッフみんな、切り方がバラバラなので(笑)。一応、教える人たちも最小限のマニュアルまでは共有します。レッスンを受ける人も、その最小限のマニュアルまではクリアしてもらいます。それ以上知りたいという人は、あとは個々で教えてもらって、というやり方をしています。

野嶋 そこでもやはり、自主性が重んじられているんですね。

Ken そうです。だからまず自分で試してみて、ダメなら工夫をして、やり直す。ここで検証をして、もう一度やる。これではじめてフルのプロセスだと伝えています。
何かにチャレンジするときって、1回やったら終わっちゃうパターンが多いんです。
けれども、assortでは、成功しても失敗しても一度立ち戻って、どこが悪くてどうやったらもっと良くできるのかを考えていく。このシンプルなプロセスを繰り返していきたいなあ、と。
カットひとつとっても、こういうふうに切るんだよという前に、実際に自分で切って落としてみて、なぜこうなったのかと検証していくことが大事だと思っています。

野嶋 その試す、検証する、もう一度やるというプロセスは、技術以外においても重視されているんですか?

Ken 技術以外の面でも同様です。例えば今、日曜日に休みたいという女性スタッフがいるんですよね。それを言ってくるのはすごく勇気がいることだったと思うんだけれど。そういう場合も、まずやってみることが大事だと思うんです。
やってみて、検証しようよ、と。

以前、みんなが週休2日制をとるにあたって、定休日を無くしてみたこともありました。でも、結局半年くらいたったら、一体感が薄れたり、全員休みだからできる行事ができなくなったりという不具合も出てきたんですよね。そこでやはり定休日は必要だねという結論になったりしました。
全て、まず行動、そして検証と改良です。

野嶋 いろんなことを言いやすい空気感がありそうですね。

Ken 上下関係のパワーバランスは無いと思います。みんなフランクですよ。1週間休んで海外に行きたいんですけれど、とか、よく言われますね。

野嶋 どう答えるんですか?

Ken あ、どうぞ、行ってらっしゃいって。うちは、海外に行く子には1万円渡すんです。少しでもいいもの経験しておいでって。
でも、そのかわり休むときは他の人ときちんとコミュニケーションとって、相談してね、と。

最近assortのマネジメントについて取材を受ける機会が増えたのですが、僕は、すごくシンプルなことをシンプルにしているだけだと思っています。特別なことをしているつもりは全くないです。

野嶋 今までの日本のヘアサロンのやり方に比べるととても変わっているように見えるけれど、kenさんにとっては、今のやり方が、ナチュラルなサロンの作り方なんですね。

Ken そうだと思います。いたって自然体です(笑)。

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