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「バーバー」人気の理由

今「バーバー」が人気の理由

近頃増えている、従来の理容室とは違う新しいタイプの「バーバー」は、なぜ多くの男性ファンを生んでいるのでしょうか?
ターゲティングやコンセプト、強みなどについて探っていきます。

MR.BROTHERS CUT CLUB(東京都目黒区)

超有名バーバーのこだわり。
「無骨な日常空間」が成功のワケ。

原宿、中目黒、大阪の計3店舗。いまや日本のバーバー文化を牽引する存在となった「MR.BROTHERS CUT CLUB」。無骨で男らしい空間、お客さまとの距離が近いフレンドリーな接客、こだわり抜いたカット技術。バーバーに求められる多くの要素が、この空間に凝縮されています。この一見ラフにも見えるスタイルの裏に貫かれる信念とは? カット技術向上の秘訣は? バーバー文化隆盛のいま、ひときわ放たれる異彩の秘密を、代表の西森友弥さんに伺いました。

とある出会いが転機となり、やがてバーバーカルチャーの中心人物に。

アメリカンカルチャーに憧れてバーバーの世界へ。

現在では技術セミナーの壇上にも立ち、ひとりの職人としても注目を集める西森さん。しかし、はじめから現在の職業を目指したわけではないという。「髪を切ることに興味があったわけではなく、アメ車やヴィンテージといったカルチャーが好きで、その延長にたまたまバーバーがあったんです」。そのため昔ながらの理容室にはあまり興味を惹かれず、免許取得後は都内の店舗に勤務しながらも、ほぼ独学で腕を磨いた。それでもやはり独学には限界があり、一時は仕事を辞めようと思ったこともあるという。いまから5年前、2013年頃のことだ。

  • 西森さんが目指すのは「かっこいいこと」。そのシンプルな姿が男性の支持を集める

ターニングポイントとなった、ふたりの人物との出会い。

転機となったのは、ある出会いだった。相手はカリフォルニアにあるバーバーの聖地「HAWLEYWOOD’S BARBER SHOP」のドニー・ハーリー、そして西森さんが「兄貴分」と慕う北海道「barber shop apache」の川上昌博さん。独自の道を追求しつつ、業界で存在感を放つふたりに「こんなにかっこいい世界があるのか」と驚いたという西森さん。このターニングポイントを経て「かっこいいことを目指す」という自身の原点に回帰。2015年、原宿に「MR.BROTHERS CUT CLUB」を開いた。想定客は「本質的な男らしさ」に惹かれる男性。周囲からは“男性向けサロン開業”という挑戦に反対の声もあったというが、その声を押し切って自身の道を突き進んだ。

  • 川上さんと共同で開発した「BROSH」のポマードは、いまではバーバースタイルに欠かせないベストセラーに

  • 尊敬する川上さん(写真右)と共に。偉大な先輩の存在が、西森さんに新たな道を示してくれたという

街に合わせた店づくりで、客層の棲み分けを目指す。

大人の街たる中目黒に2号店をオープン。

2号店を中目黒にオープンしたのは2016年。1号店の場所に原宿を選んだのは「たとえリスクがあっても、トップの場所でやりたかった」という思いから。一方、次の一手にこの中目黒を選んだのは、客層の棲み分けのためだった。原宿は場所柄20~30代のお客さまが多いことから、黄色をベースにしたややポップな店舗。「大人の街」である中目黒は、30~40代を想定して落ち着いた雰囲気の店づくりを行った。オープンしてみると中目黒店には50代以上のお客さまも訪れ、また原宿店のお客さまの中でも年齢が上の層が中目黒店に移行もしてきたという。同じ「MR.BROTHERS CUT CLUB」の看板を掲げながら、それぞれに微妙な変化をつけることで、各世代に寄り添う店をつくりあげたのだ。

  • 壁に掛かる数々の額には「すべてストーリーが話せる」というスタッフゆかりの写真やこだわりの写真などが

  • 原宿店の店内。50年代のアンティークを軸に、ややポップな雰囲気に仕上げている

落ち着いたヨーロピアンヴィンテージが大人の男の心を掴む。

中目黒店のベースは、欧州のアンティーク。千駄ヶ谷のアンティークショップ「セローテ・アンティークス」とタッグを組み、ドイツやオランダのヴィンテージ家具を揃えた。さらにそこにスプートニクランプをはじめとしたキャッチーなアイテムをプラス。「ヨーロピアンヴィンテージが8割、50’sアンティークが2割」という店内は、重厚でありながらどこか遊び心も感じさせる雰囲気。大人の男心をくすぐるインテリアとなっている。またヴィンテージにこだわりつつも「お客さまに触れるものだけは快適性を重視し、国産の新品を使う」というのもこだわりのひとつ。

  • 天井には名品スプートニクランプ。ヨーロピアンヴィンテージのなかに少しの遊び心を加える

  • バーバーチェアはタカラベルモントの新品。お客さまに直接触れるものは国産が中心

接客はフランクに、技術は徹底的に。その両立が人気を支える。

バーバーは日常の延長という持論を接客で表現。

「美容室は女性をお姫様のように扱う非日常の場所。一方で男性にとってバーバーは、会社帰りにふらりと寄るような日常の延長」と西森さん。そのため店舗では日常を感じさせる接客を心がけているという。「極端に言えば、敬語も不要。言葉ではなく感じの良さで接客をするようにスタッフに伝えています」。カット後にはサービスのドリンクを片手に、スタッフとお客さまが談笑するシーンもしばしば。日常の延長としての空間だからこそスタッフとお客さまの距離が近づき、よりお客さまの希望や本心を引き出しやすくなるのだ。

  • フランクな接客が持ち味。アシスタントはつかず、シャンプーからカットまですべて一人のスタイリストが担当する

  • 店内にスタッフのジャケットなどの私物が掛かっていたりするのも、“日常”を演出するための狙い

新規顧客の満足度が、技術のひとつの指標。

接客がフランクであるのに対して、技術へのこだわりは並ではない。その技術の指標となるのが「新規のお客さまの満足度」だという。「流したときにハネないようなカット、お客さま自身でも整えやすいスタイル、あるいは“やりたい髪型がわからない”というお客さまへの提案。それらを含めて技術です」という西森さん。精神論ではなく、明確な目標をスタッフ間で共有することで、高い再来率や「オープン4年半で赤字の月は一度もない」という経営を実現している。

  • スタッフとお客さまの距離が近いからこそ、カウンセリングもスムーズに進み、満足度につながる

  • カット技術は、西森さんがもっとも重視するポイント。次の世代に技術を継承することも使命だという

代表インタビュー

西森友弥さん。1988年生まれ。18歳で上京し専門学校卒業後、都内の美容室へ。2015年に独立し、原宿に「MR.BROTHERS CUT CLUB」を開店。その後、2016年に中目黒店、2017年に大阪店を開く。バーバースタイルの旗手として、国内外から注目を集める

Q.スタッフの育成で気をつけていることを教えてください。

A.店長を大切にすること。それが全スタッフの育成につながります。

店舗が増え、スタッフが増えてくると、全スタッフに細かく気を配るのが難しくなります。だから大切にしているのは、自分が店長に敬意を持って接し、大切にすること。そうすることで店長がお店に愛を持ってくれれば、自然に良い店、良いスタッフが育ってくれます。多店舗展開されるオーナーさんは、店長を誰よりもかわいがるべきだと思います。

Q.次の目標を教えてください。

A.メンズカットのアカデミーを5年以内につくりたいです。

現在、この業界にはメンズカットのしっかりしたカリキュラムがありません。精神論ではなく、たとえば“デビューしたてのスタッフでも半年でカットできる”というような明確なマニュアルが必要。そういった基礎をつくりあげることで、今後のバーバー界がいっそう盛り上がるはず。だからいまはそれらを学ぶアカデミーをつくるために動いています。目標は5年以内の開設です。

Salon Data

MR.BROTHERS CUT CLUB-中目黒店-

アクセス
中目黒駅南改札より徒歩3分
創業年
2016年
店舗数
3店舗
設備
セット面5席
スタッフ数
19名

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