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「バーバー」人気の理由

今「バーバー」が人気の理由

近頃増えている、従来の理容室とは違う新しいタイプの「バーバー」は、なぜ多くの男性ファンを生んでいるのでしょうか?
ターゲティングやコンセプト、強みなどについて探っていきます。

FRANK'S BARBER and BEER CLUB(東京都千代田区)

月の集客1,100人!ビールが飲めるバーバーとは?

東京・地下鉄の日比谷駅の通路を進むと現れる、ガラス張りのスタイリッシュなバー。90年代のHIPHOPが流れる、クールでラフな”ブラザーフッド”を感じさせる空間の奥には、モノクロのバーバースペースが広がっている。店名の通りフランクな接客がウリだという「FRANK’S BARBER and BEER CLUB」の東京エリアマネージャー、柿坂宗一郎さんにその魅力の秘密を伺いました。

大阪から東京進出後、またたく間に人気店へ。

大阪で創業し、2019年に東京進出。

2014年に大阪で創業。オーナーの源真さんは、「男性の理容室離れが進む中、男性が通えるメンズサロンをつくりたい」との想いから、大阪で出店を進めてきた。満を持して2019年、東京の1号店として日比谷に「FRANK’S BARBER and BEER CLUB」をOPENした。ブランディング・マネジメントは、東京エリアマネージャーである柿坂さんに一任されている。

  • 東京エリアマネージャーの柿坂宗一郎さん

  • 東京1号店。日比谷駅に入口が直結している

アメリカの「地元っぽさ」を意識したサロンづくり。

柿坂さんが以前から好きだったのが、アメリカの映画やドラマの世界観。海外での駐在や出張経験もあるような、一流のビジネスマンたちが集う場をつくりたい。そして、外国人にも「自分たちが今まで行っていたような場所」として違和感なく受け入れてもらえるようなサロンづくりがしたい。そんな想いやこだわりが随所に光っている。オシャレさで飾るのではなく、シンプル・クールかつ機能性を重視した結果、自然と「かっこよさ」が生まれているのだ。

  • 白と黒を基調とした、シンプルかつクールな店内

  • カットチェアは、タカラベルモントのヴィンテージを使用

気軽に本格的なIPAビールが楽しめる。

店舗デザインは、シアトル出身のアメリカ人デザイナーへ依頼した。オーナーの源さんが偶然立ち寄ったバーの内装が気に入ったことがきっかけだったという。「OPENの前に、そのバーへビールの注ぎ方の修業に行かせてもらいました。といっても、プロが淹れるような完璧なビールは目指していません。ちょっと泡が足りないくらいのラフな感じが、うちのコンセプトにも合っているんじゃないかなと感じています(笑)」

  • 炭酸の強さも調整できる、こだわりのビールサーバー

  • 日本のクラフトビールをはじめ、さまざまなIPAビールが楽しめる

スピーディな育成方法と、人気の「サブスクカット」とは?

入社1年半以内でのデビューというスピード育成を実現。

フェード(刈り上げ)の技術にはこだわりがあると話す柿坂さん。一方で、入社から1年~1年半でデビューさせるスピーディな育成方法も取り入れている。「スタッフは皆カットがしたくて入社してきています。だから最低限の技術を身につけたら、とにかくたくさん入客して経験を積ませることを大切にしているんです」と話す柿坂さん。月間約1,100名の集客と約750万円の売上を誇るバーバーだからこそ叶う育成術かもしれない。

1万1,000円の「サブスクカット」が人気。

フェードスタイルの男性客は、早いと1週間に1度カットに来店するという。とはいえ、そのつど数千円支払っていると、だんだん足が遠のくこともあるのが事実。そのため、1万1,000円で何度でもカットができ、週1杯ビールが飲めるというサブスクリプションサービスを開始。月の来店顧客の約3割がサブスクでの利用だという。
「サブスクのお客さまの半分以上が週に1度の来店です。フェードのメンテナンスだと1回30分程度の施術なので、”忙しいけれどヘアスタイルは完璧でいたい”というニーズに合っているのではないでしょうか。毎週うちに来ることがルーティンとなると、”次は他のバーバーに行ってみよう”とはなりにくい。結果的にリピート率アップにつながっていると感じています

  • 早めに来店してバースペースでビールを楽しんだ後、施術を受ける顧客もいるそうだ

  • 顧客にはジム通いの男性が多いため、ニーズに応えてプロテインドリンクも用意している

メインターゲットのビジネスマンだけでなく、外国人も多く来店。

20代後半~30代半ばのビジネスマンが主な顧客。

メインとなる客層は20代後半~30代半ば。ヘアカラーはあまり出ず、2~3%くらいの顧客が白髪染めを利用するくらいだという。そのかわり、パーマやヘッドスパは人気がある。理容室ならではのパンチパーマ、中でもくせ毛風のニュアンスがつくれる「ゆるパン」も好評だ。髪の長さが1センチあればパーマがかけられる。「ツイストやスパイラルなどの特殊パーマも一部の顧客に根強い人気がありますね。また、10分1,650円~で利用できるヘッドスパやシェービング、眉カットは合わせて3割くらいの方が利用されます」

月に50名ほどの外国人客が来店。

月に250名以上、新規では50名ほどの外国人客が来店しているというが、なぜ彼らは「FRANK’S BARBER and BEER CLUB」を選んだのだろうか?「予約はあるか、どのくらいの長さにしたいか…など、バーバーでの会話のパターンは限られています。そういった英会話は全スタッフが覚えていますし、各店舗には英語が得意なスタッフが1人いるので、込み入った話になるとそのスタッフに間に入ってもらっています」と話す柿坂さん。しかし一番大切なのが「外国人に対してウェルカムな姿勢を示すこと」だという。「たとえば自分が外国に旅行に行ったとき、日本語でこんにちはと言われたら嬉しいし、安心しますよね。それと同じで、ハローと声をかけるだけで外国人のお客さまは”歓迎してもらえている”と安心してくれるんです」。サロンで働きながら英語がうまくなるというメリットもあるそうだ。

  • 柿坂さんのヘアスタイルも「ゆるパン」風だ

  • ドリンクメニューもさりげなく英語表記となっている

支払い方法を完全キャッシュレスに移行。

2022年1月より、支払い方法はすべてキャッシュレスに移行した。実際に支払いのシーンで困ることはないのだろうか?「うちはほとんどのお客さまが社会人。少なくとも交通系ICカードを持っていらっしゃるので、困ることはほとんどありませんね。ごくたまに学生で現金しか持っていないお客さまが来店したときには、駅で交通系ICカードを発行いただいています。駅直結ならではの強みかもしれませんね」

  • 完全キャッシュレスだからこそ、レジなどの機器を置く必要がなくすっきりとしたスペースをつくることができる

  • 店販は積極的にはおすすめしていないが、外国のマット系ポマードを置いている。香りの良さがウリだ

エリアマネージャーインタビュー

熊本県出身、西日本ヘアメイクカレッジ卒業。大阪の理容室で勤務後、2016年にarcami株式会社に入社。東京進出に伴い、東京エリアマネージャーに就任。2019年に日比谷駅直結の「FRANK'S BARBER and BEER CLUB」をOPEN後、2020年に「FRANK’S BARBER RESERVE 人形町店」、2022年に飯田橋で「FRANK’S BARBE(E)R THE STAND 」をOPENした

Q.次にやってみたいことは?

A.いろんなジャンルの他社と協働してみたい。

2022年11月に東京3号店となる飯田橋店がOPENしたのですが、そこのバースペースの運営はプロに任せることにしたんです。近くでバーを運営している会社なのですが、バーバーの受付業務もお願いしています。バーバーのスタッフがバーの方を兼任していると、どうしてもどちらかで手一杯になってしまう。飯田橋店の方が軌道に乗ったら、そこのバースタッフを派遣してもらうなど、より良い体制をつくっていきたいですね。また、飲食業だけでなく、いろんなジャンルの他社と協働してみたいなとも思っています。

Q.今後の目標は?

A.理美容師の給与を上げていきたい。

理美容師の給与を上げていきたいと考えています。アメリカでは常識となっているチップ文化を取り入れるのも面白いかもしれません。たとえばサブスクのお客さまは毎回支払いをする必要はありませんが、「感謝の気持ちを伝えたい」と感じたときにチップはいい手段になりますよね。チップを受け取ったスタッフもやる気が出て、接客にもっと力を入れるようになるのではないでしょうか。そんなふうに、色んな方法を試していきたいですね。

Salon Data

FRANK'S BARBER and BEER CLUB【フランクスバーバー アンド ビアクラブ】

アクセス
地下鉄各線日比谷駅、有楽町駅A8番出口直結
創業年
2014年
店舗数
9店舗
設備
5席 ※FRANK'S BARBER and BEER CLUB
スタッフ数
6名 ※FRANK'S BARBER and BEER CLUB
URL
https://beauty.hotpepper.jp/slnH000447147/

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