サロンで始める
訪問美容~データ&実例編~
データや実践事例を交えて訪問美容の可能性について考えていきます。
vol.69
実例編アパレルから福祉ネイルの道へ。サロンと訪問の良いバランスとは?
元々百貨店でアパレル販売員をしていた木村さんは、コロナ禍をきっかけに訪問の福祉ネイルを開始しました。2023年1月には神戸の元町駅近くにサロンをオープン。現在はサロンをメインに、訪問美容・講師業の三本柱で活動しています。高齢者の方々にネイルの喜びを届ける木村さんに、福祉ネイリストになった経緯や軌道に乗せるまでの道のりを伺いました。

Miporin Nail Lounge
- 全スタッフ1名
- 1店舗
- 代表:
- 木村美穂さん
- 訪問美容開始:
- 2022年
- 訪問施設数:
- 6件
- 訪問個人顧客数:
- 7名
- 価格:
- ハンドポリッシュ+1本アート(施設)2,000円~、甘皮ケア追加(施設)1,500円、ハンドトリートメント追加(施設)1,000円、爪切り(施設)1,000円~、ハンドポリッシュ+1本アート+ケア+トリートメント(在宅)6,000円~+交通費(電車賃)、フットネイルケア(在宅)7,000円、ジェルネイル(在宅)6,000円~
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Q
訪問美容に関心を持ったきっかけは?
-
A
コロナ禍で外出できなくなった高齢の方にネイルをしてあげたいと思ったのがきっかけです。
百貨店のお客さまの認知症進行が気がかりで、福祉ネイルに挑戦。
ずっと百貨店でアパレルの販売員をしていましたが、コロナ禍でお客さまが足を運べなくなりました。年配のお客さまが多かったのですが、家から出られずおしゃべりできないことで、認知症を発症してしまった方もいました。店舗の場所が思い出せず、百貨店の中で迷ってしまわれたのです。そんな姿を見て「何か自分にできることはないか」と考えるようになりました。お客さまは皆おしゃれが好きで、いつもネイルをキレイにされていたので、ご自宅に行ってネイルをしてさしあげたらどうかな?と思ったのが始まりです。
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「アパレル時代は、よくお客さまがご自身のネイルを見せてくれていたんです」と語る木村さん
1年間福祉ネイルを学び、訪問をスタート。
まずは福祉ネイルについて学べるところを調べて、「日本保健福祉ネイリスト協会」に出会いました。そこで1年ほど学び、まずはアパレル時代のお客さま15名ほどのご自宅に行くことからスタートしました。初期費用は、学費や道具などを含めて15万円ほどかかりました。
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訪問ネイルに持っていく道具。ナチュラルなピンクが人気だそう
-
Q
どうやってお客さまを増やしていきましたか?
-
A
最初はアパレル時代のお客さまからスタートし、営業や紹介で広げていきました。
最初は無償からスタートし、徐々に現在の価格へ移行。
最初はまだ経験がなかったこともあり、ほぼ無償で施術をしていました。でも、ありがたいことにお客さまの方から「ちゃんと料金を支払いたい」と言っていただくことがあり、徐々に適正価格に変えていきました。介護施設にも営業に行きましたが、福祉ネイルの知名度がなく、価値をご理解いただくまでが大変でしたね。福祉ネイルというのは、単にネイルをキレイにするだけではなく、「ネイルを通じたケア」であることこそが大切な価値だと思っています。お客さまと会話を交わしたり、手や足に触れて動かしたり、仕上がったネイルを見て記憶を呼び起こすきっかけになったり…そういった価値を丁寧に伝えて、少しずつお客さまを増やしていきました。
-
サロンワークや訪問の際につけている名札。お客さまも「みぽりん」と呼んでくださるそう
地道な営業と紹介で、現在は顧客50名に。
介護施設への営業や紹介で、現在は50名ほどまでお客さまが増えました。アパレル時代のお客さまが施設に入居され、そのまま施設に施術に行くこともあります。今は訪問先の約8割が有料老人ホームやグループホームなどの介護施設です。福祉ネイルの講師もしているので、生徒さんを現場に連れていくこともあります。卒業生の活躍の場を広げるためにも、今後さらにお客さまの数を増やしていきたいと思っています。
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三つ折り用のチラシ。協会のチラシを使用しているそう
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Q
訪問美容で利益を出せるようになったのは?
-
A
スタート1年後あたりから「これなら続けていける」レベルになりました。
サロンワークを土台に、訪問ネイルと講師業を展開。
訪問ネイルを始めて1年ぐらいで、ひとりでやっていける手応えを感じました。その後とても良いお話があり、2023年1月にサロンをオープンしました。訪問で巻き爪に悩んでいる方が多いと知り、足専門のサロンがやりたいと思ったためです。今の仕事のバランスは、サロンが5割・訪問&講師業が5割くらいです。根本となるサロンワークがしっかりしているからこそ、訪問で無理に売上を追わずに済み、のびのびと仕事を楽しめています。
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元町駅から徒歩4分という立地にあるサロン「Miporin Nail Lounge」
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Q
今後の夢や目標は?
-
A
多くの方がネイルの力で、病気や老いと共に暮らしていける世の中にしたいです。
「これが最後になるかもしれない」という気持ちでお客さまに向き合う。
福祉ネイルのやりがいは、やはりお客さまに笑顔になっていただけることです。認知症の方でも私のことを覚えていてくださったりすると、とても嬉しいですね。アートはお花が人気なのですが、その場で描く工程をお客さまとふたりで楽しむ時間を大切にしています。ご家族も一緒に喜んでくださり、お客さまが亡くなった後に「生前はありがとうございました」とお手紙や菓子折りをいただくこともありました。だからこそ、生徒さん達にも「悔いがないように、この1回の施術が最後のネイルになるかもしれないという想いでやってね」と伝えています。
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ハンドトリートメントの施術風景(写真提供:Miporin Nail Lounge)
誰もが福祉ネイルを楽しめる世の中に。
今後の目標は、必要とする方すべてに福祉ネイルを届けたいということです。認知症などになっても、ネイルをすることで機嫌よく楽しく過ごせる世の中になったらいいなと思っています。
-
値上げは結構難しかったそう。今後無理なく続けていくためにも、無理のない価格設定が必要だと語る
木村さんからひとこと
訪問の福祉ネイルに興味がある方は、ぜひ一歩踏み出してもらいたいです。一歩踏み出したら、全力でサポートします。なかなか営業でうまくいかずお客さまを増やせないという方も多いので、一緒に行けるような環境を作っていきたいですね。ひとりで悩まないで、みんなで楽しくできる場を提供できたらと思っています。気になったらぜひ周囲に相談してみてください。

Salon Data
Miporin Nail Lounge
- アクセス
- 元町駅から徒歩4分
- 創業年
- 2022年(店舗は2023年~)
- 店舗数
- 1店舗
- 設備
- 1席
- スタッフ数
- 1名



















