ファンを作るサロ友
ファンを作る「サロ友」とは?
少子高齢化でお客さまが減る中、リピート客獲得がより重要になっています。
そんな中、「顧客同士のつながり」を生み出すことで「サロンのファン」を作る…「サロ友」についてご紹介していきます。
Cream(福島県福島市)
飲み会でお客さまをつなげる、常連が多い美容室。
福島市の住宅街に佇む「Cream」は、雑貨店のようにバラエティ豊かなディスプレイが印象的な美容室。気さくなオーナー夫婦の接客が好評で、「初めてなのにリラックスして過ごせた」という声が多く寄せられています。
オーナーの遠藤寛明さんがお客さまを集めて飲み会を始めたのは、8年前のこと。年齢も立場も異なるさまざまなお客さまたちがその時々に集い、会話に花を咲かせています。どんな目的で始まったのか、きっかけや運営の工夫点を伺いました。
オーナーの遠藤寛明さんがお客さまを集めて飲み会を始めたのは、8年前のこと。年齢も立場も異なるさまざまなお客さまたちがその時々に集い、会話に花を咲かせています。どんな目的で始まったのか、きっかけや運営の工夫点を伺いました。
1
お客さまを集めて「Creamの会」を開催。
震災後の福島を盛り上げるべく飲み会をスタート。
東日本大震災により、福島県全体が沈んだ雰囲気に包まれていた2011年の夏。地元を盛り上げるために遠藤さんが始めたのが、店のお客さまたちと飲み会を開くことだった。1回目は5人ほどの小規模な集まりだったが、回を重ねるほどに少しずつ人が増え、8年経った今では10~18人ほどの賑やかな会に。「Creamの会」と名付け、現在は2カ月に1回ペースで平日の夜に開催している。「お酒が飲める年齢から参加できるので、20代の学生さんから30代の会社員さん、40代の主婦の方など、いろいろな立場の人が集まります。普段の生活では関わり合う機会のないような人たちと話ができるので、毎回すごく盛り上がるんですよ」と遠藤さん。
友だちがほしいお客さま同士がつながる場に。
「Creamの会」の告知は公には行わず、店で直接声をかけている。新規のお客さまであれば、来店2~3回目で「友だちがほしいんだよね」という言葉が出た時が、招待のタイミングに。「転勤で福島に来たというお客さまは多くて、職場の人づき合いしかないので、みなさん友だちを求めているんです。会話しているとポロッとそんな言葉が出てくることがあるので、よかったら来てみませんか、とお誘いしています。ブログで会の様子を軽く報告したりもしているので、最近はお客さまの方から参加したいと申し出てくれることもあります」と遠藤さん。
会を通して交流が生まれ、お客さまが主催する「Cream女子会」「Cream男子会」なども行われるように。「ママ友ができた」「一緒に旅行する仲間ができた」と嬉しい報告も多数聞こえてきている。
2
不定期でアウトドアイベントの開催も。
スポーツやバーベキューなど屋外イベントも好評。
キックベースやバーベキューなど、お客さまを集めてのアウトドアイベントも不定期で開催。屋外の開放感と、特にチーム戦のイベントでは連帯感が生まれやすく、終了後の飲み会もひときわ盛況に。遠藤さんいわく、「ボウリング大会はゴールデンウィーク中、キックベースは夏休み期間など、イベントは店の休業日に合わせて開催しています。とても好評なのですが、スポーツ競技にはある程度の人数が必要な上、皆さんの休日を合わせるのがなかなか難しい。たまにしか開催することができない、というのが課題です」。
お客さまから提案があれば、とりあえずやってみる。
イベント開催のきっかけは、ほとんどがお客さま。「ボウリングをみんなでやりたいとか、バーベキューがしたいとか、お客さまの提案があって僕は人を集めただけです」と遠藤さんが言うように、お客さまたちはアイデアが豊かで、施術中の会話の中から楽しそうな企画が次々に生まれてくる。その案を受けて、実現できるように調整するのが遠藤さんの役割だという。「飲み会やイベントを企画して、お客さまを増やそうという考えはありません。目的はお客さま同士が仲良くなること。それが実現できていれば、何も言うことはありません」。
そうして交流の場をつくってきた結果、お客さまと店との絆も深まった。長く通い続けくれる常連客も多く、お客さま同士の結婚式に遠藤さん夫婦が招待されたこともあるという。
3
楽しい会にするために、門戸を広げ過ぎない。
開催の趣旨を事前にしっかり説明する。
お客さまに「Creamの会」への参加を呼びかける際、まず伝えているのは「合コンではない」ということ。初回の開催時、男女の出会いを目的に訪れた参加者が、好みの異性がいないという理由ですぐに帰ってしまったことがあった。そんな心ない振る舞いによって、楽しい雰囲気に影が落ちる。以来「友だちをつくるための会なので、男女の出会いを目的にした参加はNG」として、事前に趣旨を説明し、理解してくれた人だけを招待している。「もちろん、たまたま気が合っておつきあいに発展するのは構いません」と遠藤さん。
招待するのは、自分とお客さまの関係性を築いてから。
せっかく飲み会に参加しても、会話に入れずお客さまがさびしい思いをしてしまっては本末転倒。そんな事態を招かないように、新しいお客さまとは店で何度か会話を重ね、なるべく関係性を築いてから「Creamの会」へ誘うようにしている。「飲み会の席では、特に初めて参加されたお客さまを見ています。もし輪に入れないようなら、僕がそばに行って話しますけれど、そんな出番はほとんどないですね。みなさん新しい人に興味津々なので、いろいろと話しかけて輪に引き込んでくれます。そうやっていい雰囲気で開催できているから、僕も自信を持って新しいお客さまを誘えるのだと思います」と遠藤さん。参加メンバーは定番化しつつも、転勤などで来られなくなる人がいたり、新しい人が加わったりと、緩やかに変化しているという。
インタビュー
Q.飲み会やイベントに参加したお客さまの反応はいかがですか?
A.「参加したことで成長できた」とおっしゃる方が多いです。
「友だちがほしい」という思いで集まっているので、みなさんが会話に積極的で、初対面とは思えないほどに盛り上がります。40代の主婦の方は「若い子と話して自分も頑張ろうと思えた」と言っていましたし、20代の学生さんからは「年上の人と話すと勉強になることが多くて楽しい」という感想も。世代も立場も違う人と話す機会は日常ではなかなかないので、それぞれにとってよい刺激になっているみたいです。ただ集まって飲むだけではなく、この会でお客さまのプラスになることが生じているならば嬉しいですね。
Q.「初めてなのにリラックスできる」と評判です。理由は何でしょうか?
A.「緊張しない空間づくり」が成功しているようです。
店の内装を考える時、「友だちの部屋に来たようにくつろげる空間」をコンセプトにしました。以前勤めていた大型店が飾りのないスタイリッシュな内装で、それだと緊張するという声を聞いていたので、ちょっと崩してみることに。雑貨のディスプレイを始めたら、お客さまもキャラクター小物などを持って来てくれるようになり、追加していくうちにどんどん賑やかな空間になりました。雑貨屋さんと間違えて入ってきた人もいるほどです。接客では、お客さまに心地よく過ごしてもらえるように、技術も会話も全力でのおもてなしを心がけています。
Salon Data
Cream【クリーム】
- アクセス
- JR曽根田駅より車で5分
- 創業年
- 2010年
- 店舗数
- 1店舗
- 設備
- セット面2席
- スタッフ数
- 2名