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女性が活躍するサロン

女性スタッフが辞めない
サロンの秘訣

結婚・出産を経ても女性スタッフが長く活躍している、さまざまなサロンの取り組みや職場づくりを紹介していきます。

vol.11他業界のように8時間労働で、
売上目標を達成できる美容業界を目指す。

Envy東池袋店/ヘアサロン

東京都豊島区

2011年に東池袋で創業した「Envy」は、2014年に2店舗目を原宿にオープン。どちらもカウンセリングを重視し、お客さまの満足度を第一に考えるアットホームな小規模サロンです。
東池袋店にはオーナーの奥さまがママスタイリストとして勤務するほか、産休中のスタイリストも週に1日アルバイトで出勤。それぞれの事情に合わせ、スタッフに長く働いてもらうことを目指して業務改善に取り組むオーナーの佐野さんにお話をうかがいました。

1取り組み

個別の事情に合った労働時間や休日などの勤務体制。

どんな取り組み?

 「Envy東池袋店」ではオーナーの佐野さんの奥さま・植田奈津美さんがママスタイリスト1号として勤務。正社員だが保育園の送り迎えがあるため、10:00〜19:00の勤務(営業時間は21:00まで)、定休日の火曜日のほかに、保育園が休みの日曜日を植田さんの休日としている。また2号店の原宿店では、月6日の休日を固定で定め、自分の時間を優先するスタッフはさらに2日追加して週休2日に、仕事をがんばりたい人は6日のままでもOKとするなど、個人の志向に合わせた休日の取り方ができるようになっている。

取り組みの理由は?

 オーナーの佐野さんは「Envyで働き続けたい」とスタッフに思ってもらうサロンづくりを目指している。他のサロンにはない魅力づくりをするために、休日の設定のほかにも、労働時間削減のために営業時間内のミーティングや練習も行っている。

育休中でも働きたいスタッフが、週1回バイトとして出勤することも

育休中でも働きたいスタッフが、週1回バイトとして出勤することも

2取り組み

食事会に子どもも連れてくるなど、
実情を見せることで理解を得る。

どんな取り組み?

 ママスタイリストの植田さんが正社員として本格復帰したのは、子どもを保育園に預けられるようになってから。それまでは親族に子どもを預けて、1日3時間のパートとして勤務していた。
 時間限定のママスタイリストの働き方に対して、他のスタッフの理解を得られないこともある。それに対し佐野さんは、スタッフ同士の食事会に子どもを同席させてママスタイリストの実情を見せることもあるという。

なぜそうした?

 「女性スタッフが出産で離脱する時期は、スタイリストとしても一番充実しているとき。大事な戦力なので、育児中でも時間限定で仕事ができるなら、店が事情に合わせることでお互いにメリットを出せます。それを他のスタッフにも理解してもらいたい」と佐野さん。新しいスタッフを採用して1から教えるより、たとえ時間限定でも経験が長いスタッフに続けてもらった方が店全体にメリットがあることを伝えているそうだ。

スタッフ同士がお互いの事情を理解しあえる雰囲気づくりをしている

スタッフ同士がお互いの事情を理解しあえる雰囲気づくりをしている

3取り組み

得意・不得意で担当を割り振り、
ママに限らず、全員の助け合いが当たり前の風土へ。

どんな取り組み?

 「Envy」では、同じお客さまでもスタイルの要望によって担当を変えることもあるそう。スタッフたちからも「佐野さんはスタイリストごとの得意分野を見極めて担当を割り振ってくれたり、苦手なオーダーのときにはヘルプを入れてくれる」と好評だ。お客さまにとっても、「得意な人にやってもらう方が思い通りのスタイルになる」と喜んでもらっている。

取り組みのきっかけは?

 スタイリストはどんなスタイリングでもできるように訓練するが、得意・不得意は必ずある。昔の佐野さんは「短所をなくす教育」をしていたが、それによりモチベーションが下がり、辞めてしまう後輩もいた。そのため「長所をほめて、長所をさらに伸ばすことで短所を減らす」方針に変更。成長して自信を得て気持ちに余裕が出たスタッフたちが、自然と短所をなくす努力をし始めるようになったそう。「全部ひとりでやろうとすると限界があります。助け合って得意な人がやる方が効率がいい。助け合いが当たり前になれば、時間限定のママスタイリストが増えても自然に補い合えるはずです」と佐野さん。

オーナーインタビュー

オーナーの佐野裕さん。「業界を変えなければいけない」との思いで独立、「Envy」を開業

Q. ママスタイリストに限らず、労働条件の改善を行っているのはなぜですか?

A. スタッフがベストな状態でなければ、接客サービスが低下します。

 もともと自分も、サロン勤務時代はかなりの長時間労働をしていました。でも長時間労働ではどうしても集中力は落ちます。無意識で出る疲れた表情を、鏡を通してお客さまは見ています。それではお客さまにベストなサービスを提供できません。だから短い時間で効率よくパフォーマンスを上げるサロンづくりが必要と考えたのです。理想は全員が8時間労働で目標売上を達成することです。

Q. スタッフの労働時間を減らして売上げを伸ばすのは理想ですが、難しいことでは?

A. あきらめたらおしまい。他の業界ができて美容業界ができないはずはない。

 経営者になって、短時間で高パフォーマンスは難しいと感じることもありました。でもあきらめたらおしまいです。いま、美容師を目指す若い人が減っています。「最近の若者は根性がないから」というオーナーもいますが、むしろいまの子は賢い。情報が簡単に入りますから、美容業界が他業界より遅れていることを見透かしているのです。それが悔しい。スタイリストはお客さまの人生を預かり、「美」を提供して影響を与えられるとても魅力的な仕事。それを若い人にも、子どもを産んだ女性にもずっと続けてもらいたい。だから他業界に負けないように、他業界の経営者の方の本を読むなど、自分も経営者として努力を続けたいと思っています。

Salon Data

Envy東池袋店 【エンヴィ】

アクセス
JR池袋駅東口から徒歩10分・東京メトロ有楽町線東池袋駅から徒歩1分
創業年
2011年
店舗数
2店舗
設備
4席 コールド2席 ※Envy東池袋店
スタッフ数
3名(うちスタイリスト3名)※Envy東池袋店
URL
http://beauty.hotpepper.jp/slnH000191753/
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