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女性が活躍するサロン

女性スタッフが辞めない
サロンの秘訣

結婚・出産を経ても女性スタッフが長く活躍している、さまざまなサロンの取り組みや職場づくりを紹介していきます。

vol.20入社後すぐの人生設計面談、査定表の公開など
ユニークな仕組みで女性活躍を進めるサロン。

Beauty Resort BEECX

群馬県高崎市

1996年に創業した「BEECX」は、高崎と前橋にトータルビューティーサロンを3店舗展開。広々としたスタイリッシュな空間で、心地よい接客と確かな技術で評判を呼んでいます。ママスタッフや産休中のスタッフも複数在籍。スタッフから「こんなにおもしろい人はいない」と言われ親しまれるオーナーの中嶋さんに、女性たちが「働き続けたい」と思うサロン経営の秘訣についてうかがいました。

1取り組み

入社後すぐ、人生の目標を具体的に計画する面談を実施。

どんな取り組み?

オーナーの中嶋さんは、入社してきたスタッフとまず面談をして、スタイリストとしてだけでなく、女性としてどういう人生を歩みたいかの計画を立ててもらうという。例えば、将来は「BEECX」で役職に就きたいのか、それとも独立したいのか、結婚はいつ頃したくて子どもは何歳頃に産みたいか、出産後も続けたい場合は正社員として働きたいか、それとも時間限定のパートがいいかなど、今まで考えたことのなかった将来を具体的にイメージしてもらうそうだ。

メリットは?

「明確な道筋がなく『なんとなくやりたいな』では、いつまでたっても目指す自分になれません。具体的に計画することで、『いつまでにこれくらいのお客さまと売上げをあげられるスタイリストになっていなければならない』ということがイメージできます」と中嶋さん。たとえ計画通りにいかなかったとしても、今やるべきことが明確になって成長を早める力になっているそうだ。

すべてのスタッフと気軽に話すオーナーの中嶋さん。「お客さまの前ではオーナーも店長も平社員もないですよね」と語る

すべてのスタッフと気軽に話すオーナーの中嶋さん。「お客さまの前ではオーナーも店長も平社員もないですよね」と語る

2取り組み

なるべく早くスタイリストデビューさせるための
教育システムを導入。

どんな取り組み?

「BEECX」では明確な教育カリキュラムを作り、アシスタントは最短で1年半、遅くても3年でスタイリストデビューさせている。カリキュラムの中では、サロンワークと練習時間それぞれにおけるトレーニング内容を明文化。実際に、新卒入社の2年目で30万円の給与を稼ぐスタイリストも育てたそうだ。

取り組みの背景やメリットは?

専門学校を卒業して20歳で入社した女性スタッフたちが、20代中盤から後半に出産する場合、出産前にスタイリストとして働ける期間は限られてくる。「出産後に復帰したいなら、それまでに指名のお客さまをある程度持っている実績が求められるため、若いうちに1日でも長くスタイリストを経験しておくべき」というのがオーナーの考えだ。また、売上げを生み出すのはアシスタントではなくスタイリストなので、早くスタイリストになってもらうことは店の利益にもつながっている。

サロン勤務時代にディーラーの方から、誰でも長く働ける近代美容室の経営について教え込まれたという中嶋さん

サロン勤務時代にディーラーの方から、誰でも長く働ける近代美容室の経営について教え込まれたという中嶋さん

3取り組み

全スタッフの手当や査定表を開示。パート勤務にも寸志としての賞与を支給。

どんな取り組み?

「BEECX」ではスタッフごとの査定表を公開。基本給に手当や歩合がどのくらいつくかを明確にしている。また、出産後のママスタッフは、フルタイムの正社員と時間限定のパートを本人の希望で選べる。パート勤務の場合、通常賞与は出ないが、「BEECX」はがんばってくれた人の働きに応じて、パート用の賞与を支給している。さらに、勤続10年のスタッフには表彰と10万円の報奨金、15年のスタッフにはヨーロッパ研修を予定するなど、長く続けたくなる制度もある。

背景とメリットは?

全スタッフの査定表を開示することで、自分ががんばった成果を実感できたり、がんばることでいくらくらいの給与をもらえるかがイメージできて人生設計もしやすくなっている。また、技術力があっても育児の都合で時間限定のパートを選ぶママスタッフも多い。中には店長経験者もいて、時間に限りがある以外は正社員スタッフ同等かそれ以上の働きをしてくれているため、パート用の賞与によってモチベーションアップにつなげている。

ママスタッフの梅村美希さんは週4日のパート勤務ながら、トータルビューティー技術指導者として、現場に立ちつつ後継者の指導も受け持つ

ママスタッフの梅村美希さんは週4日のパート勤務ながら、トータルビューティー技術指導者として、現場に立ちつつ後継者の指導も受け持つ

オーナーインタビュー

元画家という異色の経歴を持つオーナーの中嶋透さん

Q. 女性スタッフが働きやすい制度を充実させている理由は?

A. 時代が求める女性スタイリストを活躍させるのは当然の流れです。

一昔前はカッコイイ男性スタイリストのサロンが人気でしたが、今は違う。お客さまも働く女性が増え、サロンに癒しを求めていらっしゃいます。カッコイイけど緊張してしまう男性より、気楽に話せておしゃれで技術のある女性スタイリストを指名されることが多いのです。その女性スタイリストに長く続けてもらうのは、本人、お客さま、サロンすべてにとってメリットがあります。当社の理念は「すべてみんなが幸せになること」。だから女性に活躍してもらうのは当然のことです。

Q. 査定を全スタッフに公開、人事もスタッフと相談するそうですが、その理由は?

A. すべての垣根を取り払い、視界をよくした方が経営はやりやすい。

人事制度などはきちんと制度化して公開しないと、例えば女性スタッフが妊娠した場合に「辞めなければいけないんだ」と勝手に思い込んだりします。就業規則に明記して公開しておけば自分のキャリアの道筋が見えやすいですよね。誰かをチーフにしようと思ったときも、現場のスタッフの意見を先に聞けば、後々波風が立ちません。私はなんでもスタッフと話をします。スタッフやお客さまとの垣根を取り払って視界をよくした方が、経営はスムーズですね。

Salon Data

Beauty Resort BEECX 【ビークス】

創業年
1996年
店舗数
3店舗
設備
ヘア8席のほかに、ヘッドスパ専用ルーム、エステ専用ルーム、シャワールーム、まつげエクステ専用ルーム、ネイル専用ルームあり
スタッフ数
21名
URL
http://beauty.hotpepper.jp/slnH000263962/
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