女性が活躍するサロン
女性スタッフが辞めない
サロンの秘訣
結婚・出産を経ても女性スタッフが長く活躍している、さまざまなサロンの取り組みや職場づくりを紹介していきます。
vol.120創業からママ在籍!長く活躍できるアイサロンとは?
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RLASH東深津店
広島県福山市
東福山駅から車で10分。落ち着いた住宅街の中に佇む「RLASH東深津店」は、まつげ・アイブロウ・脱毛・ネイルなど、さまざまなメニューが利用できる人気店です。全スタッフ27名のうち、育児中のママは10名。そのほか、妊娠中のプレママが2名、育休中のスタッフも2名在籍しています。創業当初からスタッフの約半分がママだった同サロンでは、何よりもスタッフ同士の「仲の良さ」を大切にしてきたそうです。ご自身も二児のママである代表の菊池千愛さんに、「仲の良さ」を保つ秘訣を伺いました。
1取り組み
急な休みなどのフォローはスタッフだけにまかせず、菊池さんも担当
どんな取り組み?
ママスタッフはお子さんの病気による急な休みなどが発生しやすいが、そんな時は社長である菊池さんに連絡するのがルール。また、菊池さん自身も人手が足りない店舗へヘルプに行くことで、スタッフに負担がいかないように努めている。
背景とメリットは?
ママスタッフ自身が「働きたいのに働けない。迷惑をかけて申し訳ない」とモチベーションが下がってしまうリスクがあるが、そこは菊池さんが「仕方ないこと。みんな一緒なのだから、気にしないで」と直接フォローしている。「大変だと感じることもありますが、そこのサポートをスタッフだけにさせてしまうと、不満につながってしまいます。逆に私自身が率先してヘルプに行くことで、人手が足りず他のスタッフがヘルプに行かざるを得ない状況が発生しても“社長が頑張っているのだから、自分たちも頑張ろう”と思ってもらえます」(菊池さん)。
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「私自身も二児のママなので、ママスタッフの状況や気持ちはよくわかります」と語る菊池さん
2取り組み
スタッフに「感謝の声掛け」をうながし、不満を生まないよう工夫。
どんな取り組み?
菊池さんがヘルプに行けない場合は、他のスタッフにヘルプに行ってもらうことも。そんな時は、必ず休んだママスタッフに「助けてくれた子へ、御礼の声掛けをしたかどうか」を確認するようにしている。
そうしている理由は?
些細なことだが、そういった気配りが欠けてしまうと不満につながりやすい。元から気の良いスタッフが多いので、一言御礼の言葉があるだけで、喜んでサポートしてくれるという。「悪気はなくても、うっかり忘れてしまうこともあるので、必ず私から休んだスタッフ自身に確認するようにしています」(菊池さん)。
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写真左:畠裕子さん。三児のママ。週4~5日、10時~16時勤務。写真右:小鼓未夢羽さん。現在妊娠中
3取り組み
休みが多いスタッフには、自身の経験を踏まえた選択肢を増やすアドバイスを。
どんな取り組み?
「働きたいけれど、子供が熱を出して働けない」「自分以外に子供を見てくれる人がいない」といったスタッフに、菊池さん自身が利用して良かったと感じる、サロンの近くの病児保育を紹介している。事前に必要な準備なども細かく説明し、いざ困った時に安心して頼れるようサポート。
そうしている理由は?
「お子さんの病気による休みは仕方がないものなので、ある程度はサポートできる体制をつくっています。私自身も母親として“子供が病気の時はそばにいてあげたい”という気持ちもよくわかっています。でも休みが多くなってしまって“働けるものなら、もっと働きたい”という気持ちになることもありますよね。もちろん経営者としても、働けるスタッフには出てもらえると助かります。なので、困った時の選択肢のひとつとして、私自身がよく知る病児保育を紹介しています」(菊池さん)。
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スタッフがプライベートも充実できるよう日頃から気を配っている菊池さん。スタッフとも良い関係が築けている
4取り組み
採用時に、応募者の協調性を徹底的にチェック。
どんな取り組み?
採用面接時には、応募者に対して「今いるスタッフが働きやすい環境を守ることを最優先にしている。新しく入ってくるスタッフは、その環境を壊さないかどうかをチェックされる」ということをしっかりと伝えている。3カ月間の試用期間を経て本採用となるが、その間にスタッフや菊池さん自身がマンツーマンで指導に当たり、時には採用を断ることもあるという。
そうしている理由は?
「謙虚さがあるかどうか、というのは大事なポイントですね。たとえばお客さまからまつげの仕上がりがイマイチだと言われた時、“申し訳ない。どうやったら良かったのかな”と反省できる子と、“あのお客さまのまつげが短いから仕方ない”と言い訳してしまう子がいます。後者の子は、たとえば今後サロンで新しい技術を取り入れたり、新しいやり方を始める時に受け入れてくれなかったりする。そうなるとスタッフの協調性や人間関係が崩れてしまいます。たとえ技術力が足りなかったとしても謙虚で感謝できる子の方が、長期的にみるとサロンの成長につながります」(菊池さん)。
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採用面接・試用期間中には、サロンの方針をしっかり伝えた上で本人の協調性をチェックしている
代表取締役インタビュー
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株式会社rery amour代表取締役・菊池千愛さん。自宅サロンを経て、2014年広島県福山市に1店舗目をオープン。現在は「RLASH」「MEME」「Titiy.R」の3ブランドで6店舗を展開。経営の傍ら、自身も施術者として活躍中
- Q. ママスタッフがいることのメリットや価値は何だと感じていますか?
-
A. 若いスタッフの安心感につながると感じています。
育児中、産休中や育休中、妊娠中など…さまざまなライフステージのスタッフがいることで、若いスタッフも自然に「将来子供を産んでもこのサロンで働けるイメージ」を持つことができ、安心感につながっていると感じています。若いスタッフ自身が結婚や出産を迎える時に、いろんな相談相手がいるというのも、心強いのではないでしょうか。また、ママスタッフは離職率が低い傾向にあるので、サロンとしてありがたい存在だと思っています。
- Q. 今後取り組みたいことはありますか?
-
A. クリニックメニューを導入して、ベテランスタッフ活躍の場をつくりたいですね。
医師と連携し、看護師を雇用した上で、アートメイクや美容点滴などのクリニックメニューを導入していきたいと考えています。年齢を重ねると遅かれ早かれ老眼の傾向が出て、まつげなどの細かい施術は難しくなります。40歳をこえても活躍できるよう、別のキャリアを用意してあげたいんです。実は私自身も看護師免許を持っています。アートメイクの施術自体は医師の指示のもと看護師が行うとしても、眉のデザインなどは老眼があってもできますし、これまでのキャリアも活かせます。その他、いずれは託児所を併設して、スタッフが子供を預けられるような体制もつくっていきたいと考えています。
Salon Data
RLASH東深津店<まつげ・アイブロウ・脱毛・ネイル専門>
- アクセス
- JR東福山駅から車で10分
- 創業年
- 2014年
- 店舗数
- 6店舗
- 設備
- ベッド5台、ネイル1席 ※東深津店
- スタッフ数
- 4名 ※東深津店