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抗がん剤治療の方にネイルチップを!クラファン資金で、システム開発

ネイルチップ無償提供の活動は、2020年3月、コロナ禍による営業自粛中に生まれた。スタッフに自宅学習として「展示用のネイルチップの再利用方法」という出題をしたところ、一人のネイリストから提案が上がってきたことが、きっかけ

抗がん剤治療での「爪の悩み」を解決したい

女性の活躍支援をビジョンに、静岡県浜松市を拠点にネイルサロンなどを展開する「株式会社ビューティースマイル」代表取締役・高橋繁世さん。ネイルサロンで作成した展示用のネイルチップをリメイクして、抗がん剤治療中のがん患者の方に、ネイルチップを無償提供するボランティア活動も行っている。

抗がん剤治療中の方は、爪が黒く変色したり、弱くボロボロになってしまうことが多い。また治療中は、動脈に含まれる酸素量を計測をするパルスオキシメーターを爪の先に装着するため、ジェルネイルもマニキュアもできない。そこで「装着、取り外しが可能なネイルチップが、お役に立てるのでは?」と、活動をスタート。

その仕組みをシステム化させ、より効率的に広範囲に広めたいとの考えから、2022年11月にクラウドファンディングを。結果、244万7,000円もの支援金額に達した。

サロンの見本用チップは、季節や流行が終わってしまうと使い道がないものだった。また5本1セット片手分しかないため、販売することも難しい。しかし、片手5本ずつを違うデザインにする「ちぐはぐネイル」が流行し、色味を揃えることで違和感がなくなることがわかった。消毒をしてピカピカに仕上げ、すぐに装着ができるように1回分の接着剤も同封し、発送している

『患者さんからのクレームが“ない”』ことに心を痛めた

2年間で約500人ものがん患者にネイルチップの無償提供を行うなか、ある課題が…。

高橋さん『この活動はボランティアで、チップを無料で提供しているため、患者さんからはクレームや要望が一切なく、喜びの声しか届かないんです。もちろん、それもとても励みにはなっているのですが…。いまは、一人ひとりの爪のサイズを把握できず、オーダー制でもない。もしかしたら、“患者さんの爪のサイズに合わないものを提供しているかもしれない” “好みのデザインではないかもしれない”ということに、心を痛めていました。

そこで、今回のクラファンで集めた資金をもとに、ネイルチップを受注&発注できるシステムを開発する。想定している流れは、こうだ。①患者自身が爪のサイズをスマホで測定→②サイズがマッチングしたネイルチップの中から、好きなデザインを選ぶ→③入力した住所あてに発送。これが実現すれば、一人ひとりにマッチしたネイルチップを送ることが可能となる。サイトオープンは、1年後の完成を目指している。

爪のサイズの測定方法は、現段階ではスマホで誰でも計測可能であるところまで、システム会社と検証済(画像はイメージ)

患者さんも、サロンも笑顔に

今後の構想を、高橋さんにうかがった。

現在は、ネイルチップを抗がん剤治療中の方に提供していますが、それ以外にも爪に悩む多くの人に広げていきたい。病気で亡くなった方の爪がかなり傷んでいる場合、「葬儀のときは、きれいにしてあげたい」と願う遺族の方もいます。エンゼルメイク同様、爪もまた、チップで美しくみせることができます。
一方、ネイルサロンの方も、見本用に作ったネイルチップを毎回大量に廃棄しなければいけないことに抵抗を持っています。せっかく作ったチップを有効活用することができれば、患者さんも、サロンも、うれしいですよね。
これからも、たくさんの人に笑顔になってもらえるように。さまざまな企業と協業して、この活動を広げていきたいです。』

リクルート「ホットペッパービューティー 浜松版(エステ・リラクゼーションページ)」の立ち上げ・営業リーダーを経験後、2011年「株式会社ビューティースマイル」を設立。現在は、ネイル・アイラッシュ・リラクゼーション&エステサロンのほか、保育園事業、韓国の就労独立支援も行う高橋さん

▼「Beauty Smile Heart 」HP
https://www.beautysmileheart.com/

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