お客さまに支持されたサロンを表彰する日本最大級のアワード、「HOT PEPPER Beauty AWARD」。「GOLD Prize」「SILVER Prize」受賞サロン、または「注目サロン」に選出されたサロンへのインタビュー。取り組みや受賞の秘訣をうかがいます。
【福岡】目指すは、九州一のおもてなし。
圧倒的満足を生む、忖度なしの評価制度!?
est-r. Fukuoka 福岡博多店【エストアール フクオカ】
HOT PEPPER Beauty AWARD 2023 GOLD Prize
「HOT PEPPER Beauty AWARD」にて、2021年・2022年はSILVER、そして2023年はGOLD Prize受賞!福岡・博多のサロン激戦区で、お客さまに支持される秘訣は徹底した「おもてなし」。そのための教育&スタッフ同士で行うという評価制度とは?
https://beauty.hotpepper.jp/slnH000408577/CONCEPT
「洗練された大人女子&美髪」がテーマの人気サロン。特に、髪質改善・縮毛矯正・ショートボブに定評あり。
AWARD受賞・
売上アップに向けた
取り組み
まずは、正しい日本語から!
新規のお客さまには「傾聴7割」
スタッフ同士の「評価制度」
まずは、正しい日本語から!
ライバルが多い博多エリアで抜きん出た存在になるため、掲げたのは「九州一のおもてなし」。そのひとつとして取り組んだのが、正しい日本語で話すこと。
たとえば、「よろしかったですか?」「~のほう」「~円からお預かりします」。業種を問わず接客の場面でよく聞く言葉だが、これらは“バイト敬語”と呼ばれ、正しい日本語とは言えない。
スタッフには、「俳優・女優になってください」と伝えているとか。日頃、友だちなどにはカジュアルな振る舞いだとしても、サロンが「高貴な空間」であるために、言葉づかいや佇まいに至るまで気を抜いてほしくないからだ。
新規のお客さまには「傾聴7割」
何度も通ってくださるお客さまが非常に多いが、リピーターであっても、フレンドリーになり過ぎない距離感を心がけている。
また、新規のお客さまの場合は「傾聴7割・会話2割・提案1割」を目安に接しているとか。円グラフの割合を頭のなかで描き、「プレ・アフターを含めたカウンセリングで、言葉のキャッチボールをどのくらいすべきか」「アイスブレイクを、どこに入れたらいいか」などをイメージするのだという。
スタッフ同士の「評価制度」
自社でつくった育成シートをもとにした、「評価制度」も特徴的。これは月に1回、スタッフ全員が一人ひとりを評価するもので、たとえ目上の人だろうと、忖度は一切なし!
チェック項目は、「お客さまの名前を呼んでいるか」「きちんと目線を合わせているか」など計20個。各項目ごとにA~Eランクをつけ、最後にフリーコメントで「GOODポイント」を記入する。
仮に、項目ランクの結果がよくないとしても、怒られたり、給料が下がるといったことはない。評価制度自体が、ネガティブなものにならないためだ。
お互いの仕事における状態がわかり、「いいところはマネしよう」という気持ちが生まれるそう。また毎月行うことで、一つひとつの動きが習慣化され、しっかりと身についていく。
代表インタビュー
定村 一史さん
株式会社 link bond/代表取締役。2018年、35歳のときに1店舗目をオープン。現在、福岡・博多に5店舗展開。ほぼ徒歩5分圏内にヘア・アイ・ネイルサロンがあり、トータルビューティーサロンとしての利用を打ち出している。
ーいわゆる“バイト敬語”に至るまで、きめ細やかに教育されていることに驚きました。
若い人だけではなく、年配の方も間違った言葉をつかってしまいがちですよね。お客さまに喜んでもらうためには、デザイン力などの“技術はあって当たり前”。比較的、高価格帯のサロンであれば、言葉づかいを含めた高いレベルでの接客が求められます。それで、このような教育を始めました。
ースタッフ同士で話すときは、みなさんどのような感じですか?
強制しているわけではありませんが、みんな礼儀正しく、きちんとした言葉づかいができていますね。グループLINEなどでも、先輩の言い方を見ているからでしょうか。自然と、後輩たちも学んでいるようです。
教育が浸透すると、「風土」になる。みんなが、誰に対しても「おもてなしの心」を持っていたら、それが当たり前の状態になるのかもしれません。
ーその「おもてなし」のあらわれだと思いますが、HOT PEPPER Beautyの口コミ件数が2,367件(2023年9月22日時点)と、非常に多いですね。
ありがたいことに、「自分のことをここまで大切にしてくれるサロンは初めて」といったコメントを多くいただきます。
ーお客さまに、口コミ投稿のお願いはしていないとのこと。それでも、口コミを書きたくなるくらい、接客が感動レベルである証だと感じました。
お客さまがサロンから帰ったあと、ほかの方に「こんないいことがあってね!」と、思わず話したくなる接客を目指しています。サロンでの情景を、ありありと思い出してもらえるほどに。
スタッフも同様です。口コミに返信する際、お客さまとのストーリーを具体的に思い出せる状態であってほしいですね。
2018年の創業からたった5年で、「HOT PEPPER Beauty AWARD」3年連続受賞!
ー接客を含め、「人間力を高める」教育をされている印象です。そういった想いは、どこからきているのでしょう。
世間一般的に、「美容師はリテラシーが低い」と思われていることは否めません。それを変えたいと思い、スタッフ教育に力を入れています。
僕が若い頃は、月で手取り7万円のときもあったくらい給料が安くて…。その経験があるので、スタッフには安定した給料と、この先のキャリアアップを考えています。
ーそれは、どのようなものですか?
「美容師は45歳で限界がくる」と言われることもありますよね?仮にそうなったとしても、美容師以外の道で食べていけるように、コスメのOEMなどもやっているんです。
好きな「美容」から離れてしまうのはかわいそうなので、美容に関連したサービスにしました。
株式会社 link bondのビジョン。サロン事業のほか、コンサル・コスメ販売なども手がけている
ー現在5店舗ですが、今後の展開予定を教えてください。
いまは博多エリアで礎を築いているところですが、同じ福岡市内である天神・大名あたりに出したいですね。目指すは「九州一のおもてなしを誇る、トータルビューティーサロン」。そして、来年2024年末頃に、東京・渋谷にも出店を予定しています。
ー博多と同じく、渋谷もまたサロン激戦区ですね。勝算は?
渋谷は、家賃が高いですね(笑)。外観は、年季が入っていてもいい。一歩なかに入ったら、素敵な雰囲気で、接客もきちんとしている。そんなギャップがあるサロンもおもしろいかな、と。
ただ、これからも大事にしたいのは量より“質”。さらに「おもてなし」を磨き、九州から美を発信し続けるプロフェッショナルチームでありたいです。
取材レポート
いくつもの事業を経営するかたわら、曜日限定でサロンワークも行う定村さん。長年通ってくださっているお客さまからは「全然予約がとれない!」と、愛のある叱責をいただくこともあるとか。
心がけているのは、飽きさせないこと。必ず、前回とは違う「提案」を入れるそうです。その方の生活までプロデュースできるほどの信頼関係が大事、とも。それが、多くのVIP顧客を生んでいるのでしょう。
「後輩は、先輩を見て自然と学んでいる」という言葉がありました。スタッフのみなさんもまた、代表である定村さんの接客を見て、真の「おもてなしの心」を学んでいるのだと思いました。
est-r. Fukuoka 福岡博多店【エストアール フクオカ】
- アクセス
- 「博多駅」筑紫口より徒歩1分
- 創業年
- 2018年
- 店舗数
- 5店舗
- 設備
- セット面5席(博多店)
- スタッフ数
- スタイリスト5名/アシスタント6名(博多店)