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LGBTQ+のお客さまへの接客等を考えることで、「誰もが自分らしく美容を楽しむ、表現できる」そんな美容サロンを実現するお店づくりのヒントをご紹介します!

もしお客さまから、LGBTQ+であるということを伝えていただいたら、どのように接すればよいのでしょうか?何か特別に変えなければいけないことがあるのか?他のスタッフにも共有しておいたほうがよいのか?

お客さまから具体的にご相談をいただいたときの対応について、学んでいきましょう。

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カミングアウトと、アウティング

カミングアウトとは、自分の性的指向や性自認などを自ら表明することです。

カミングアウトという言葉は、Coming out of the Closet(クローゼットから出てくる)という英語から来ていると言われています。残念ながら、今の社会では、カミングアウトをすることで、相手から嫌われたり、自分自身のそれまでの立場が危うくなったり、ときには居場所を失うかもしれない、というリスクがあります。

人にもよりますが、カミングアウトはとても勇気がいる行動なのです。

カミングアウトに関連して、もう1つ知っておきたい言葉が「アウティング」。誰かの性のあり方について、本人の了承なく第三者に暴露してしまうことです。「この人なら」と思って信頼できる相手にだけ話したのに、勝手に周囲に言いふらされる、というのは、とても傷つくことですよね。

お客さまにはどう接すればよい?

お客さまがサロンのスタッフにカミングアウトをしたということは、そのスタッフのことを信頼しているということです。「お話しいただきありがとうございます」など、自分を信頼してくれたことに感謝の気持ちを伝えたり、「サロン内で何かお手伝いが必要なことはありますか?」「気をつけてほしいことはありますか?」などお客さまにお困りごとがある場合には、サポートできることを伝えましょう。

このとき注意したいのが、良かれと思って先回りする行為は危ないということです。「他のスタッフにも伝えて、お客さまがサロンでより居心地よくなれるようにしよう」というホスピタリティのつもりがお客さまを傷つける結果にもなりかねません。

気をつけておくべきポイント

  • 他のスタッフに勝手に話さない(共有カルテには書き残さない)
  • お客さまが共有を望まれているかどうか?を確認する
    ー「他のスタッフさんに言っておいてください」⇒他のスタッフにも伝える
    ー「LGBTQ+であることは伝えず、好みのデザインのみ共有しておいてほしい」⇒好みのデザインのみカルテ等に記入する
    ー「一切話してほしくない」⇒自分の中にとどめる

お客さまご本人が、自分のタイミングで打ち明けたいと思う一方で、直接伝えていないスタッフの間で情報が交わされることには、大きな不安や不信感につながることを覚えておきましょう。

「今後の」LGBTQ+のお客さまのために

「LGBTQ+のお客さまはうちのサロンにはいないから」と思っているかもしれせんが、複数の調査からは「13〜20人にひとり」がLGBTQ+であると言われており(1回目記事)サロンのお客さまの中には、きっといらっしゃると考えられる数字です。

このため「LGBTQ+のお客さまは、うちにはいらっしゃっていない」と感じているとしたら、それは、気づいていないだけかもしれません。

もちろん、今後新規にいらっしゃるかもしれないお客さまのことも考え、下記のようなサロンの工夫があるとよいかもしれません。

  • アライ(Ally)/レインボーグッズの設置
    アライ(Ally)とは、英語で「同盟」や「味方」を表す言葉で、LGBTQ+を理解し支援する人という意味で使われています。LGBTQ+のお客さまにとって「自分が安心して過ごせるサロンなのか?」というのを不安に思われていることが多いです。「アライグッズ(レインボーグッズ)があるだけで安心する」といったお声もあるので、受付等にステッカーを貼る、レインボーフラッグを掲示する、スタッフがバッジをつける等もよいかもしれません。

    ※アライグッズは各自治体ホームページから無償で配布している場合もありますし、LGBTQ+についての取り組みをしている企業の登録・認証制度などを実施しており、店舗掲示用の資材を提供している事例もあります。

  • トイレ/更衣室
    性別によって分かれたトイレや更衣室は、「自分はどちらに行ったらよいのか?」と迷ってしまうお客さまもいるかもしれません。男女別に分かれたトイレ・更衣室だけではなく、性別を問わずに利用できるトイレや、個室更衣室を用意しておく、などの工夫をすることで、安心して過ごせるお客さまが増えるでしょう。トイレがビルの共有スペースにある、というような場合は、トイレの場所を聞かれたときに、「入口を出て右手に女子トイレ、男子トイレがあって、1階に多目的トイレがあります」などのご案内をすることも考えられます。これは、トランスジェンダーのお客さまだけではなく、オストメイトの方など、見た目では分からないニーズを持ったお客さまにとっても、安心できる声かけになります。
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