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女性が活躍するサロン

女性スタッフが辞めない
サロンの秘訣

結婚・出産を経ても女性スタッフが長く活躍している、さまざまなサロンの取り組みや職場づくりを紹介していきます。

vol.35なんと女性スタッフの3人に1人がママ。
キッズルームも備えるサロンの取り組みとは?

RizE

広島市中区

広島市内にラグジュアリーなサロンを4店舗展開中の「RizE」。男性スタッフも多い中、女性スタッフの約3人に1人がママまたは産休中だそう。女性オーナーの林さんは、独立後に子育てしながらサロンを経営してきました。ご自身の経験から、「女性スタッフが続けられる環境を提供したい」と思ったという、パワフルで肝が据わった経営方針についてお話をうかがいました。

1取り組み

サロン専用のキッズルームには保育士も常駐、ママスタッフも安心。

どんな取り組み?

「RizE」の4店舗はいずれも広島市中区にある。ほぼ隣接した場所に3店舗が位置する中、ネイル・まつげ・エステサロンである「TenR(テネル)」内に、4年前から保育士が常駐するキッズルームを構えている。ママスタッフの福利厚生のためにつくったスペースだ。

背景とメリットは?

オーナーの林さん自身が2児の子育てをしながらサロン経営をしてきたママスタイリスト。「女性スタッフが『子どもができても仕事をつづける』と決めたんです。それなら『子どもを預けられる環境』と『働き方を選べる環境』をサロン側でつくり、サポートしたかったのです」(林さん)。
環境を整えたことで、ママスタッフの子どもが、保育園に入れない待機児童の場合でも、保育園が休みの土日でも、安心して働けるようになった。「サロン内のキッズルームで子どものかわいさを知り、まわりのスタッフも早く子どもを産むようになりました(笑)」(林さん)。

サロン内のガラス張りの一角にあるキッズルーム。ママの働く姿が子どもたちからも見えて安心

サロン内のガラス張りの一角にあるキッズルーム。ママの働く姿が子どもたちからも見えて安心

2取り組み

復帰後の働き方は、本人の希望で柔軟に対応。

どんな取り組み?

「取り組み1」で林さんが語っているように、ママスタッフをサポートする体制のひとつとして「働き方を選べる環境」をつくっている。育休から復帰する際の働き方は個別に面談して、フルタイムでの勤務を希望すれば正社員のまま、育児に軸足を置きたいスタッフは週2日で時給+歩合のパート勤務など、本人の希望を優先している。

背景やメリットは?

子育てをする環境は人それぞれ。ご主人の仕事や実家が近いかなど個別事情が影響するため、どんな事情のスタッフでも無理なく仕事をつづけられるよう、一人ひとりと話をして決めている。その結果、ママになっても辞めず、全35名(女性26名)中、産休も含めたママスタッフが8名もいるのだ。

「私は経営者なので出産の前日まで働いていましたが、スタッフにはそんな思いはさせたくないです」(林さん)

「私は経営者なので出産の前日まで働いていましたが、スタッフにはそんな思いはさせたくないです」(林さん)

忘年会や入社式には社員も子連れで参加

忘年会や入社式には社員も子連れで参加

3取り組み

本人の希望と能力によって、多様なキャリアプランを検討。

どんな取り組み?

オーナーの林さんは、スタッフのキャリアプランを多様化するために、さまざまな事業や店舗を展開・検討している。
たとえば、トータルビューティーサロンである「RizE」にはさまざまなメニューがあるため、美容学校を卒業してヘアのスタイリストを目指していたスタッフが、まつげエクステスタッフに転向し活躍することもあるという。また、ベテランスタッフのスキルを活かすために、年齢層の高いお得意さまがくつろげる新しいタイプのサロン「StecuR(セテクーラ)」を展開したり、キッズルーム担当の保育士スタッフたちが、もっと活躍できるよう、スタッフ以外の子どもでも一時預かりできる事業展開も検討中だそうだ。

背景とメリットは?

このような取り組みを始めたきっかけは、アシスタント時代にカットが苦手なスタッフがいたこと。「このままではこの子は辞めてしまうかもしれない」と林さんは思ったという。店舗としてまつげエクステを強化したいと考えていた時期だったため、「やってみる?」と声をかけたところ、本人が喜んで転向したそうだ。
「StecuR(セテクーラ)」では、集客数よりサービスの密度の濃さを売りにしているため、ベテランスタッフの接客力が活かせるとともに、働き方もゆったりできる。
スタッフの子どもを預けるために雇用したキッズルームの保育士たちにも、同じ仲間として働きがいを見つけてもらい、より高収入を得てもらうために、新たな事業を生み出すことを林さんは考えているそう。

「一人ひとりの個性と能力を見極めて、適材適所で活躍させるのもオーナーの仕事」と林さん

「一人ひとりの個性と能力を見極めて、適材適所で活躍させるのもオーナーの仕事」と林さん

オーナーインタビュー

オーナーの林美千代さん。サロン勤務を経て独立。ご自身も高1と小4の男の子のママ。現・JBCA広島エリアの委員長

Q. スタッフのためにキッズルームを作るだけでなく、保育士の方のキャリアまで考えられるのは?

A. 女性が仕事をつづけると決めたからには応援したいのです。

女性が子どもを産む時期は、仕事でもこれからという時期です。そこでキャリアを止めるのはもったいない。けれどスタイリストの代わりはいても、自分の代わりに子どもを産める人はいないので、母になる人生もあきらめないでほしい。そして両立できない理由を夫や仕事のせいにしないでほしいのです。夫に理解がないのはそういう男を選んだ自分のせい。私の夫も「妻には家にいてほしい」タイプでしたが、仕事でがんばる姿を見せて変えさせました(笑)。「つづける」と覚悟を決めたスタッフは経営者としてできる限り応援したい。
保育士のスタッフも同じです。彼女たちは「キッズルームのあるサロン」の立派な広告塔です。そんな彼女たちが「もっとがんばりたい」というのであれば、どうすればもっと活躍できるか考えるのは当然のことです。

Q. もともとトップスタイリストで、今経営に軸足を置くようになったのは?

A. 自分が引いた方が下が育つとわかったからです。

4年前くらいから、成功しているサロンオーナーのお話を聞く機会が増えました。当時の自分とは全然違う、「人を育てる経営者」の目線であることに感銘を受けました。ちょうどその頃実家の母が倒れて、一時的に仕事を休んでいる間にメンバーがとても成長していて。自分が現場にいない方が人が育つのだと気づいたのです。経営者は、社会に初めて出る若い人をお預かりする立場。大事な若い人たちをどう育て、いかにスタッフが働きやすい環境をつくるかを考えることが自分の役割だと思っています。

Salon Data

RizE 【ライズ】

アクセス
広電宇品線 中電前下車徒歩 5分
創業年
2000年
店舗数
4店舗
設備
15席 (RizE HAIR)
スタッフ数
35名(全店舗)
URL
http://beauty.hotpepper.jp/slnH000106650/
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