先輩女性インタビュー
サロンで働く先輩女性たち
長く活躍しているさまざまな女性スタッフに、どんなキャリアを歩んできたのかインタビューしていきます。
自分なりの「なりたい私」を見つけてください!
vol.64
頑固すぎる新人が180万スタイリストに成長。
変化の引き金となった「ある言葉」とは?
新潟市内で4店舗を展開する「Ann」の中でも、若者の多い街で新鮮なスタイルを発信し続ける「Ann furumachi」。若手集団の中で唯一のママスタイリストであるwakkoさんは、この店で2回目の出産と産休を経て、今年4月に復帰しました。「デビュー当時は周りがまったく見えない頑固者でした」。そんな彼女を人間として、そして美容師として大きく成長させてくれた「ある言葉」があったといいます。育児の場面でも道しるべとなっているその思いについて聞きました。
Staff Data
wakko(ワッコ)さん 32歳
スタイリスト。
Ann furumachi勤務(新潟市)
4歳の男の子と、1歳の女の子のママ。
サロンの定休日の火曜日と日祝が休み。10:00 〜17:00の時短勤務。
wakkoさんのLife History
★…ターニングポイント
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18歳
子どもの頃好きだった場所は、美容師の母が家で開いていたサロン。「自分も美容師になるもの」と思って育ち、高校を卒業して美容学校に入学。
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20歳
美容学校を卒業し、「地元大手のかっこいいサロン」として憧れていた「Ann」に就職。1日も早くスタイリストになりたくて、朝・夜・休日も返上で練習に励む。
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21歳
わずか1年半でスタイリストデビュー。自分が担当するお客さまを持てたことがうれしくて、夢中で仕事に没頭した。
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23歳
★技術の上達に集中するあまり、周囲との距離を感じるようになったある日、「その人の技術は人柄を超えることはない」という会長の教えの意味を理解。周り中に対して突っ張っていた自分を改め、人の助言に耳を傾けることで、自然体で美容の仕事と向き合えるようになった。
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25歳
同じ会社のマネジメント部門に所属する夫と結婚。
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28歳
男の子を出産し、計1年間の産休・育休を取って10:00〜17:00の時短勤務で復帰。長男は2歳ごろまで夜泣きがあり、夫が忙しい時期とも重なって、しばらく体力的に大変だった。
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31歳~
女の子を出産。再び産休・育休を取り、今年の4月に時短勤務で職場復帰。小さな子ども2人の世話は大変だが、今を乗り越えることだけを考えて日々奮闘中。
wakkoさんへのインタビュー
Q. 新人時代のターニングポイントとなった気づきとは何だったのですか?
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A. 周囲への思いやりがない技術には、限界があると知ったことです。
美容師になる夢を追って「Ann」に入社した後は、1日も早くお客さまのカットがしたくて必死に練習しました。大変な日々でしたが、同期の子たちと楽しみながらがんばれたので辛くなかったです。スタイリストデビューしたときは本当にうれしくて、毎日充実感で一杯でした。でも、技術の向上を追い求めるあまり、徐々に周りが見えなくなっていたんですね。人に頼らず意見も求めず、先輩たちからは「大福の中に石が入っているよう」と言われました。外見は柔らかいのに食べたらガリッと当たる。恐ろしく頑固という意味です。
そうして2年ほどたった時、会長の教えである「その人の技術は人柄を超えることはない」という言葉の意味にハッと気づいたんです。「人を頼る」ことは「人を思いやる」ことと表裏で、自分の力だけで成長できると勘違いしていたら、技術の成長もそこ止まりだと。それからは先輩だけでなく、後輩にも自分の仕事に対する意見を求めるようになり、他のスタッフやお客さまの気持ちをもっと思いやれるようになりました。そのことで、誰に対しても突っ張っていた自分自身が楽になった気がします。
Q. 出産して職場復帰するときに、苦労したことは何ですか?
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A. 体力的に辛かったけど、自分が輝ける場がある幸せを実感。
産休・育休を取るのはスタイリストとしては私が初めてでしたが、会社が柔軟に対応してくれ、お休みも時短勤務も希望通り。ただ出産前は体力・技術とも脂が乗り、月に180万円くらい売り上げていたので、1年のブランクを経て戻れるかどうかが不安でした。実際に復帰すると、技術的なことは問題ありませんでしたが、とにかく体力的にきつかったです。当時夫は仕事が忙しくて、平日は育児・家事をひとりで担わなければなりません。「世のお母さんはこんなに偉大だったんだ」と脱帽する半面、子どもを預けてプロとして輝ける場があることは幸せなんだと実感しました。
子どもと接するときは自分の考えを押し付けるのではなく「◯◯なのはなぜ?」とまず気持ちを聞くように心がけています。そして、植物に水をあげるのと同じように愛情を注いであげれば、すくすく育ってくれると思います。これは会社でスタイリストという仕事を通じて教えられたことでもあるんです。スタッフにもお客さまにも惜しみなく愛情を注げば、必ず自分に返ってくる。家族に対しても同じように接することで、子育てを楽しめている気がします。
Q. ママスタイリストとして、この先仕事で何を目指したいですか?
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A. 「もっと上手くなりたい」という気持ちをずっと大切にしたいです。
私自身まだまだカットの勉強がしたいし、そうして学んだことを後輩に教えていきたいです。技術の追求に「これでおしまい」ということはないんですね。本当はまた若いときのように課題を見つけて練習したいんですが、育児をしている間は時間が取れず、体力的にもむずかしいので、その点は葛藤があります。今は毎日をどう乗り切るかで精一杯で、将来子どもが成長したときの働き方はまだ見えません。そんな中で「いつかまた技術的にステップアップしたい」というモチベーションが、今の自分をがんばらせてくれているんじゃないかなと思います。
若手女性スタッフへ、メッセージをお願いします!
人生は一度しかないので、特に若いうちは、その時その時にできることを思い切りやってほしい。時間と体力がある時に、技術の習得や自分磨きをがんばった経験は、後から必ず生きてくるはずです。「もう何歳だから」「理想のキャリアはこうだから」と、先のことをきちんと考えるのも大事かもしれません。でも、とらわれすぎて迷うくらいなら、本当に考えなければいけない時期が来るまで、日々を精一杯過ごすことに集中して欲しいなと思います。がんばってください!
Salon Data
Ann furumachi【アン フルマチ】
- アクセス
- JR新潟駅より徒歩約25分
- 創業年
- 1989年
- 店舗数
- 4店舗
- 設備
- セット面14席 ※Ann furumachi
- スタッフ数
- スタイリスト12人 ※Ann furumachi