【ネイル】「ご褒美」ニーズと「効率化」ニーズ。二極化する市場から探る、男女別アプローチのヒント

ネイルサロンの市場規模は、好調な女性市場に支えられ過去5年間で最高額となる1455億円(前年比4.7%増)となりました。

一方で、市場の内訳を見ると、男女で利用のしかたに違いがあることが分かりました。「美容センサス2025年上期(ネイルサロン編)」の調査データから、サロン経営のヒントを見ていきましょう。

(ホットペッパービューティーアカデミー研究員 田中公子)

【女性】「ロイヤルユーザー化」と「ご褒美需要」が加速?

出典:ホットペッパービューティーアカデミー「美容センサス2025年上期(ネイルサロン編)」

ネイルサロン全体の市場規模は、過去5年間で最高額となる1455億円(前年比4.7%増)。なかでも女性の市場は1253億円(前年比9.4%増)と3年連続で拡大しており、ネイル全体の市場を支えています。

出典:ホットペッパービューティーアカデミー「美容センサス2025年上期(ネイルサロン編)」

注目したいのは、女性の1回あたりの利用金額と年間利用回数の両方が上がっている点です。まずは1回あたり利用金額。6,270円(前年比433円増、7.4%増)と、ここ5年で最も高くなりました。

 

出典:ホットペッパービューティーアカデミー「美容センサス2025年上期(ネイルサロン編)」

年間利用回数は、6.07回(前年比0.43回増、7.6%増)と、こちらも5年で最多です。特に「12回以上」といった高頻度で利用する方の割合が増えています。

出典:ホットペッパービューティーアカデミー「美容センサス2025年上期(ネイルサロン編)」

出典:ホットペッパービューティーアカデミー「美容センサス2025年上期(ネイルサロン編)」

またサロンの滞在時間は、平均75分。2022年以降サロンの滞在時間は減少していましたが、前年より5分長くなりました

女性の1回あたり利用金額・年間利用回数・サロン滞在時間のすべてが伸びているのは、顧客の「ロイヤルユーザー化」が進んでいると言えそうです。

物価高の影響もありながら利用金額が上がっている背景には、ネイルの「機能的価値」を超えて、時間をかけた「ご褒美」として楽しむニーズが増えている可能性が考えられます。