物価高の影響をどう受ける?
訪問理美容の「真の価値」とは?

長引く物価高騰は、美容サロンにも大きな影響を及ぼしています。材料費や光熱費が上がる一方で、消費者の節約志向も高まっています。「訪問理美容に関する調査2025」では、こうした厳しい状況の中で訪問理美容の利用率自体は減少しているものの、一方「継続意欲」には大きな変化はないという、このサービスならではのニーズが見えてきました。
この調査では、訪問美容に関係する「ケアマネジャー」と「ご家族」を対象に、「施設」で受ける場合と「在宅」で受ける場合についてアンケートを実施しています。
※訪問理美容…高齢などで外出が難しい方に向けて、自宅や介護・福祉施設などへ理美容師が出張し、ヘアカットをはじめとする理美容メニューを提供するサービス
(ホットペッパービューティーアカデミー研究員 江頭茉里)
目次
訪問理美容の利用率は減少傾向
訪問美容の利用率は?

出典:訪問理美容に関する調査2025(ホットペッパービューティーアカデミー)
まず直視すべきは、訪問理美容の利用率は2024年に比べて、2025年は減少傾向にあるという事実です。
ご家族においてはほぼ横ばいですが、ケアマネジャーでは約9ポイント近くの減少と、その幅も大きくなっています。
物価高の影響などもあり、新規で利用を始めるハードルは以前よりは高まっていると言えるかもしれません。
訪問理美容のカット料金はいくら?
訪問美容のカット料金は実際にはいくら?

出典:訪問理美容に関する調査2025(ホットペッパービューティーアカデミー)
次に、現在の訪問美容におけるカット料金の相場を確認しましょう。
カットの平均的な料金は施設では2,000〜2,100円程度、在宅の場合は2,700〜2,800円程度でした。
施設の方が安価に設定されているのは、一度の訪問で多くの方に効率よく施術ができることが背景にありそうです。
カット料金はもっと高くてもよい?
興味深いのは、「かけてもよいと思う料金」については、実際に支払っているよりも高いという点です。回答者や場所を問わず、訪問美容の価値は高く認識されていることがわかります。
しかし、具体的な金額については、「サービスをどの程度間近で見ているか」などによって感覚の差が出ているようです。
例えば、施設の場合、ご家族が2,076円とする一方、ケアマネジャーは2,451円と回答しています。
ケアマネジャーは多くの要支援・要介護者の様子を見ているからこそ、訪問理美容の「効果」を感じらる場面が多いのではないでしょうか。
ご家族の場合も、在宅の場合には2,943円と実際の支払いよりも200円以上高い金額を答えています。ご自宅での施術ではご家族も、施術自体の大変さや施術後の変化をより間近で共有していることがその理由だと考えられます。
現場の解像度が高い人ほど、訪問理美容の価値を確かに認めています。「訪問美容の現場でどんなことが行われているか、どんな効果が出ているか」を丁寧に共有し、サービスへの納得感を持っていただくことが適正価格を受け入れていただくためのかぎを握りそうです。
物価高でも利用頻度には「変化なし」
物価高によって訪問美容の利用頻度は変わった?

出典:訪問理美容に関する調査2025(ホットペッパービューティーアカデミー)
続いて、利用頻度に関しても調査しました。
昨今の激しい物価高は美容だけでなくあらゆる消費に影響を与えていますが、訪問理美容の利用頻度は意外にも「特に変化はない」という回答が最も多くなりました。
ご家族を対象に「物価高の影響で訪問美容の利用頻度がどう変化したか」を聞いたところ、施術場所を問わず約7割の方が「特に変化はない」と回答しています。
これは、ケアマネジャーを対象とした調査でも同様の傾向で、6割以上が「特に変化はない」と答えています。
むしろ、「利用の頻度を増やした」という層も10%程度存在し、すでに訪問理美容を利用したことがある人にとっては、「生活に必需のサービス」だと認識されていることがわかります。
社会情勢にかかわらず定期的な利用が見込めることは、サロン経営にとっても強みの一つとなりうるでしょう。









