継続勤務者は、1年で時給が大幅上昇!
実は「全国就業実態パネル調査(JPSED)」は2016年以降、毎年同じ人に調査をし続けており、日本では非常に希少な調査です。(※2023年調査:調査数55,807名、昨年からの継続回答者42,643名、残りは新規パネルおよび回答復活パネル)
例えば、この調査では個人の収入が翌年どのようになったか?も分かります。
先ほどのデータを2年連続で職種を変えていない人に絞り、前年からの時給の上昇率を調査した結果がこちらです。
継続勤務者における前年からの時給の上昇率は?
※「生活衛生サービス職業(理容師・美容師・その他生活衛生サービス職業従事者)」を使って集計。各個人における「当年の時間あたり賃金/前年の時間あたり賃金」の割合を年代別に平均化。
出典:リクルートワークス研究所「全国就業実態パネル調査(JPSED)」より、
理美容師の継続勤務者における1年間の時給の上昇率は、全体で15.7%(※下記、注記参照)。どの年代も【理美容師】が【事務職】を大きく上回る結果に!
理美容師は継続して働くと、前年からの給与の上昇率は他業種以上に高いことが分かります。
それでは、どうすればスタッフの給与(還元率)を上げることができるのでしょうか?スタッフへの給与・還元率の高いサロンの事例をご紹介します!
前年からの時給の上昇率は、個人別の上昇率(当年の時給÷前年の時給ー1)の平均値です。今回の分析では、時給水準が低い理美容師ほど前年からの時給の上昇率が高く、時給水準の高い理美容師ほど前年からの時給の上昇率が低い(またはマイナス)になっています。特に時給1000円以下の層が時給の上昇率が高く、平均値を引き上げる要因になっています。
スタッフの平均年収が1,000万円超え⁉サロン事例を紹介!
美容業界ではここ数年、スタッフの年収が飛びぬけて高いサロンや、圧倒的な生産性を誇るサロンの事例を聞くことが増えています。ここからはアカデミーの取材記事「業界トップインタビュー」から、スタッフの年収(所得)の高さや生産性が飛躍的にアップしている特徴を見ていきましょう。(数字は、すべて取材時のものです)
デビュー後のスタッフの年収が平均1,200万円(sand)
sand 代表取締役 島崎譲さん
“ショート特化”のヘアサロンとしてSNSでも絶大な人気を集め、高い技術力を誇るスタイリストが多数在籍する「sand」。若手を多く抱えながら、スタイリストの平均年収は1,200万円オーバーを達成しています。
「個」の強さを生む秘訣は、チームサロンとして互いを高めあう関係性です。
島崎さんの若手教育メソッドはこちら
4年で年商1億円→12億円に!還元率は37%~38%!(fifth)
fifthグループ CMO 木村允人さん
メンズパーマに特化したブランディングで、圧倒的な集客力を誇る「fifth(フィフス)」。その手法をレディース・ユニセックスサロンにも応用し、快進撃を続けている。創業16年までは年商1億円だったが、わずか4年で12億円に成長。
スタッフへの還元率を上げ続けており、取材した2022年時点での還元率は37~38%。20代スタッフがメインで、スタイリストの平均年収は1,000万円オーバー。スタイリストの離職は、「ここ数年ゼロ」(取材時)とのこと。
fifthはメンズの大幅な客単価アップに成功しています。客単価アップの秘訣はこちら
徹底したDXで驚異の生産性!時短のママ美容師の生産性が157万円(ORIGAMI)
ORIGAMI 代表取締役 大川亮平さん
美容業界において、DX(デジタルトランスフォーメーション ※進化したデジタル技術を浸透させることで、人々の生活をより良いものへと変革させるという概念)の先端をいくサロンが徳島県に!スタッフは主に時短のママ美容師でありながら生産性は月間157万円!徳島の平均的な生産性が40~50万円といわれる中で、3倍を超える生産性を実現しています。
圧倒的な生産性を可能にするDXの手法とは?スタッフには、美容師以外にも多様な職域の可能性も広げています。記事はこちら
「業界トップインタビュー」では、この他にも業界をけん引する経営者のインタビューをたくさん掲載していますので、ぜひご覧ください!