本当は”もっと”売れる⁉店販の可能性

美容サロンの生産性&顧客満足UPのカギとなる「店販」。しかし実はまだまだ店販の利用者は少ないのです。店販を買いたいと思っているけれど、購入できていないのはどんな人?その理由は?

「美容センサス2023年上期<美容室・理容室編>」と「店販商品購入に関する意識・実態調査」から、ヘアサロン・女性の店販購入の実態を解説します!

(ホットペッパービューティーアカデミー研究員 田中公子)

年間購入額は、年々上昇

出典:美容センサス2023年上期<美容室・理容室編>(2023年6月)
女性15~69歳(実数回答)過去1年間のヘアサロンにおける店販購入者

まず店販の購入金額を見てみましょう。女性1人あたりの2023年の購入総額は12,424円。5年で上昇し続けています。

店販の購入が大きく増えたのは3つの理由があると考えています。1つ目は「コロナ禍」。外出自粛の中で、「サロンに行きたくても行けない」といった状況が続きました。「(サロンに行けない間は)自宅でプロの商品を使ってケアしたい」といったニーズから店販購入額が増えたと考えています。

2つ目は「ハイトーンカラーの流行」によって傷んだ髪のケアをしたいといったニーズ、そして3つ目は「髪質改善」ブームによって自宅ケアニーズも上昇した影響です。

どんな商品を購入している?

出典:美容センサス2023年上期<美容室・理容室編>(2023年6月)
女性15~69歳(複数回答)過去1年間のヘアサロンにおける店販購入者

実際にどんな商品を購入したのかを見てみましょう。トップ3は、「シャンプー」、「コンディショナー(洗い流すタイプ)」、「トリートメント(洗い流さないタイプ)」と日常使いのアイテムが並びます。

注目は「基礎化粧品・メイク用品」。ボリュームはトップ3の商品と比べるとまだ小さいですが、SNS等で話題になったサロン専売商品(クッションファンデーション、まつげ美容液など)は、定期的な購入によってサロンの来店頻度アップにもつながっています。

また高級ドライヤー、コテなどもSNSで話題になりました。購入頻度は高くはありませんが、プロの商品を使ってみたいというニーズは高く、サロンのキャンペーンの時期にあわせて購入してみたといったお客さまの話もよく聞きます。