本音を引き出す「聴く」技術本音を引き出す「聴く」技術
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社長が一番働いている感じを、
SNSではアピールしてる(笑)。

社長が一番働いている感じを、SNSではアピールしてる(笑)。

千葉

OWNDAYSを買収して社長に就任した当初、社内の雰囲気は?

田中

そりゃもう、まったくウェルカムではないですよね。ただ幸いにもというか、倒産寸前の経営状況にした前任の社長も人望があったわけではないので、その点では割とやりやすかったですよ。「普通のこと」をするだけで好かれるんですから。
自分もそれまで別の業界とはいえ社長業をしてきていたし、知り合いにもいろんな企業の社長がいる。だからどうしたら社員に喜ばれるかを考えるのは、別に難しい話ではありません。
偉そうにして、上から目線で、自分は動かない、なんてのが一番嫌われる経営者。だから腰は低く、みんなの意見に耳を傾けて、一緒に店に立って働いた。それだけで好かれるんだから、全然難しいことじゃない。

千葉

前社長が残した借金で資金繰りに追われ、合間をぬって全国の支店を視察に回る。その様子が描かれているのを読んで、すごいパワーの持ち主だなと。

田中

いやまぁ、それが仕事ですからね。「社員のために」なんて言うと美しいけど、店舗に顔を出すことで、みんなががんばってくれて売上が倍になるなら、やるでしょう。
現在のOWNDAYSの売上を倍にするのはキツイですよ、みんなすでにがんばって、やることをやっているから。でも当時はまだ改善点がいっぱいあって、暇なら掃除をするとか店頭で声掛けするとか、そういった簡単なことをちゃんとするだけで、売上が倍になる余地がありました。OWNDAYSの当時の売上が20億円、そうすると1店舗あたりの1日の売上は10万円。店舗売上が倍になるということは、全体の売上が40億円にもなるんです。

ただ、前社長は店に行くことさえしないから気付かなかった。帳簿の数字だけ見ていてもダメなんですよね。

千葉

OWNDAYSの店舗で店員さんと話した時、「最近、社長と会ってないから会いたい」と言っていました。社員さんと距離が近く、愛されているんだなと。

田中

俺が叱るのはスーパーバイザー以上の立場の社員で、お店の社員を叱ることはないし、好かれる行動をとってますからね。年末年始やお盆、クリスマスとか、忙しい時期はお菓子を持って店に顔を出したり。
正月にハワイで遊んでる社長より、店に顔を出す方が喜ばれるに決まってる。簡単なことなのに、やらない社長が多いのが不思議なくらい。

千葉

他には、どんなことを?

田中

SNSやブログでは、社長が一番働いている風にアピールしたり(笑)。自分が思う「理想の上司像」を演じるんです。逆に金持ちアピールは絶対にしないし、夜遊びしてもそれは見せない。遊んでいる相手が有名人とか、「この人と社長が一緒にいるんだ」と知ったら社員が喜ぶなっていう相手ならSNSに出すけど。そんな感じでSNSは100%仕事の視点で、広報手段としてやっています。テレビとかメディアに出るのも、自分が目立ちたいからじゃない。社員が喜んでくれるかな、って。
今は会社も軌道にのり、正月に休むくらいのゆとりはあるし、正月にハワイ行こうよって友達に誘われたら、それも楽しそうだなとは思う。けど、それをやっちゃったらおしまいかなぁと。自分に甘くなったばかりに潰れていく人をたくさん見てきたから、恐怖心がある。
20歳から社長をやってきたから従業員が年上ということも多くて、嫉妬心から足元をすくわれたことも多々あったし。男の嫉妬が一番怖いですよね(笑)。だから「嫉妬されないように」ってのは気を遣ってます。

日頃から親交のある西野亮廣さんと。西野さんの番組をはじめ、テレビに出演することもまた、社員に喜んでほしいという思いから

イベント・講演会でも全国を駆け回る日々(写真は2018年11月に行われた、ヘアサロン「NORA」代表・広江一也さんとの講演会)

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