本音を引き出す「聴く」技術本音を引き出す「聴く」技術
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1人よりも100万人、いや
1億人の人生を変えたい。

1人よりも100万人、いや1億人の人生を変えたい。

千葉

OWNDAYSはSNSのフォロワーを多く抱える「インフルエンサー」を特別枠で採用するという方針を打ち出したことでも話題になりました。これはどういった思いから?

田中

「イヤイヤ働く人をなくしたい。OWNDAYSが好きで働きたい人だけで会社を作りたい」っていうのが根底にあります。
働くうえで、なぜ反発や不満が生まれるかというと、個性を奪うからだと思うんですよ。社員個人を目当てにお客さんが店に来る状況が作れたら、社員は自分の“信用”で商売をすることになる。すると、やる気も湧くでしょうし、自分の信用を傷つけるようなおかしな振る舞いをすることもなくなる。結果的に、会社全体としても強くなることができる。そういう、自分個人を売りにできる人材の判断基準の一つとして、「インフルエンサー採用」を掲げました。

千葉

なるほど。

田中

AIがどんどん進化して、「人間らしさ」が必要でない仕事はなくなっていくでしょう?ロボット的な、自分の顔で働けない人を増やさないことが、会社を発展させるうえで今後は重要になります。「OWNDAYSの社員」なんていう「名なし」の人はいないんです、これからは個々が名前で呼ばれるような仕事をしないと、やっていけなくなります。
だから「インフルエンサー採用」は、彼らの集客力というより、他に期待していることがあります。それは自分の力でお客さんを呼べる人材が社内に増え、社員たちが「なるほど、こうしたらいいのか」と目の当たりにして、ロボット的ではない人が、どんどん生まれていくこと。

千葉

「店」ではなく「人」にお客さんがつく、というのは美容業界ではよくある光景です。

田中

そうですね、美容師やセラピスト、ホステスなど「個人」をウリにする職は昔からありました。それが今後はいろんな業界に広がっていくと思うんです。なぜならネットが浸透して、個人の信用を調べる手段が身近になったから。どうせなら「この人が言うなら間違いない」って人から買いたいですよね。「メガネを買うならこの人から」という人たちがいて、その多くがOWNDAYSに所属しているなら、会社として魅力的だと思うんです。

千葉

壊滅的な状況からOWNDAYSの再建に取り組んで10年経ち、見事な復活を果たしました。今後の目標は?

田中

「売上1000億円」になることがまず目標。いまは200億円くらいなので、野球なら甲子園に出たくらい。メジャーリーグはまだまだです。現在、日本のメガネSPAの1位が500億円くらいですが、そこがあと5~6年で1000億円に到達するでしょう。このままのペースなら10年後にはうちも1000億円にいくでしょうが、そこを早回しして5年で達成したい。
1000億円までいけば、人からの評価も「そこそこやるじゃん」ってなると思う。そしたらメガネの仕事は次の人に譲って、自由にやりたいことを始めたいですね。

千葉

取り組みたい分野はもう心に?

田中

航空業界もいいし、エネルギー産業も大切だし、いろいろあるのでとても言いきれないけど。これから人口が増加して食料が絶対に不足するし、寿命を延ばして健康であることは人間の欲望…、「生命科学」と「食料」という2大産業は大事でしょうね。

千葉

特定の分野というよりも、「従来にない大きなことに取り組みたい」という感じでしょうか。

田中

そう、自分の働きによって「この人たちの生活が変わった」という風にしたい。それが一番の欲望です。OWNDAYSではネパールでメガネを配布するボランティア活動をしているんですが、今度は学校を作る話も進んでいて。「学校ができたことで、この村の子どもたちの人生を俺が変えたんだ」って思えたら、すごくいいでしょ?だから奉仕の精神なんかじゃなくて、ボランティア活動は“欲望”でやっています。最大の「承認欲求」ってやつですよ。
1人よりも100万人、いや、できるなら1億人の人生を変えたい。人生は1回、どうせなら大きいことをやりたいですね。

援助が必要なネパールの貧困地域に赴き300本のメガネ、文房具、絵本、スポーツ用品などを届けた(2018年10月に行ったボランティア「EYE CAMP」)

2019年2月、インド2号店目となる「OWNDAYS Sarath City 」がオープン。海外最後の超大国、今後も積極的な開拓が続く

EDITORIAL NOTE
借金14億円からの企業再生。社員のみなさんの多くが、田中さんの著書『破天荒フェニックス』を読んで初めて、「再建の裏側=厳しい道のり」を知ることとなります。それまで、田中さんが苦労話を語ることはなかったからです。

破天荒でありつつ、いい意味で計算高い。本の出版も、田中さん流・ブランディングのひとつでしょう。世間一般に「OWNDAYS」「田中修治」を知る人が増えることは、社員の会社・社長に対する“誇り”も比例して増えていく。
・・・そして、さらに世界へ。快進撃は、まだまだ終わりません。

『破天荒フェニックス』もまた、世界各国から翻訳出版のオファーが続々ときている

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