先輩女性インタビュー
サロンで働く先輩女性たち
長く活躍しているさまざまな女性スタッフに、どんなキャリアを歩んできたのかインタビューしていきます。
自分なりの「なりたい私」を見つけてください!
vol.113
アシスタントで出産、復帰。
今感じるやりがいとは?
ママ美容師によるママのためのヘアサロン『ONEone 二子玉川』で、オープン当初から活躍するサユミさん。長男が生後半年の頃からここで働き始め、2年が経ちました。保育園が休みの日曜と祝日は子ども同伴で出勤しているので、長男にとってサロンは第二の自宅のよう。スタッフたちに遊んでもらいながら、楽しく1日を過ごしています。出産前はアシスタントとして、長い修行期間を乗り越えてきたサユミさんですが、美容の仕事にやりがいを感じたのはママになってからだとか。「幅広い層のお客さまの役に立ちたい」と力強く語るサユミさんに、これまでの道のりを伺いました。
Staff Data
サユミさん 28歳
スタイリスト。『ONEone 二子玉川』(東京都世田谷区)店長。
スタイリスト歴2年。2歳の男の子のママ。
週5~6日、10時~17時のパート勤務。火曜定休。
サユミさんのLife History
★…ターニングポイント
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18歳
高校3年の進路を決める時期に、それまで選択肢になかった美容師が浮上。技術を身につければ女性でも自立して働ける職業として魅力を感じ、上京して美容学校へ入学。
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20歳
都内のヘアサロンに入社。技術習得に力を入れているサロンだったため、スタイリストデビューがなかなか見えてこない日々。一人前を目指して練習に励んだ。
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25歳
スタイリストへの道のりの長さに気持ちが付いていけなくなり、友人が務めるサロンに転職。再スタートを切ってしばらくした頃に妊娠が判明し、同業の彼と結婚。
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26歳
★長男を出産。業務委託契約だったため産休・育休はなく、産後2カ月でサロンへ復帰。長男の保育園が決まった頃、夫を介して『ONEone 二子玉川』の立ち上げスタッフへ誘われて、転職。目標だったスタイリストデビューを果たす。
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28歳~
店長に就任。日曜・祝日は子ども同伴でサロンに立ち、忙しい子育て中のお客さまたちに美容を提供している。今後はさらに、幅広い層のお客さまの役に立てるようになることが目標。
サユミさんへのインタビュー
Q. アシスタント時代に妊娠されましたが、仕事を続けるか悩みませんでしたか?
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A. 「スタイリストになりたい」と思っていたので、続けられる方法を模索しました。
仕事は、私にとってかなり優先順位の高いものなんです。なので妊娠がわかった時、夫よりも先に上司に伝えました。「この先どうすればいいですか?」と相談したら、「子どもが一番大事だから、自分のやりやすいスタイルで働いてもらって構わない」と言っていただいて。つわりの時期は休んだりと、かなり自由に働かせてもらいました。
出産後も早く働きたいという思いが強くて、2カ月くらいで復帰しました。子ども連れで出社して、寝かせられる場所を考えたり、アシスタントではなくレセプションをやってみたり…。どうしたら赤ちゃん同伴で上手く働けるかをいろいろ試してみたのですが、難しくて。そんな中、サロンと距離が離れている自宅近くの保育園に子どもの入園が決まり、育児と仕事の両立がさらにハードルの高いものに。『ONEone 二子玉川』からオファーをいただいたのは丁度その頃なんです。夫の元同僚のママスタイリストさんが立ち上げ当時の店長で、夫を介してお声掛けいただきました。スタイリストとして採用してもらえる上に、育児しながら働ける環境も整っていると聞き、救われた気分に。当時勤めていたサロンにも寛大に送り出していただき、息子の入園と同時にここでお世話になることになったんです。
Q. ママ美容師だけのサロンで働くことの魅力は、どんなことですか?
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A. 急な欠勤や早退も、「お互い様」という気持ちで支え合えています。
やはり、ママスタッフ同士でいろいろ共感し合えることが良いですね。誰かが急に休んだりしてもまったくストレスに感じませんし、自分自身が子どもの熱などで休ませてもらう場合にも、それほど心苦しくなりません。前のサロンでは自分だけ特別扱いをしてもらっていることがストレスでしたが、ここならお互い様なので。
入社前には「指名予約のある日に子どもの具合が悪くなったらどうしよう」と心配しましたが、それも取り越し苦労でした。接客中に保育園から呼び出しがかかれば、オーナーが子どもを迎えに行ってくれるんです。息子はそのたびに大喜びですよ。指名のお客さまでない場合は他のスタッフに代わりに入ってもらったり、切りのいいところで早上がりさせてもらったりと、かなり助けられています。スタッフの中には二人目や三人目のお子さんを育てている先輩ママもいるので、「将来子どもが増えても、仕事を続ける方法はあるんだな」と希望を感じられるのもありがたいことです。
Q. 母親になって、仕事への向き合い方に変化はありましたか?
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A. 「美容でお客さまの役に立ちたい」という思いが強くなりました。
アシスタント時代は大きいサロンにいて、「お客さまがヘアサロンに通うのは当たり前」という中で接客してきました。母になり、お客さまの大半が子育て中のママというこちらのサロンで働くことで、視野が広がったと思います。小さい子どもがいるママは、いつでも自分のことを後回しにせざるを得ません。ヘアサロンに行けなかったり、サロンでの時間を楽しめなかったりするんです。自分が母親になってみて、それを痛感しました。美容を必要としているけれど、簡単にはヘアサロンに行けない。そういうお客さまに向けて美容を提供し、その時間を楽しんでもらえていることが、今の自分のやりがいです。介護や福祉の分野の美容にも興味が湧いてきているので、この先はもっと幅広い層のお客さまの役に立てたらいいなと思います。
Q. 美容師の仕事を続けて来てよかったと思えることは?
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A. やりがいのある仕事をしているからこそ、育児も楽しめています。
私の場合はアシスタント時代が長かったので、スタイリストになって、お客さまと1対1で関わることができている今の状況がとても幸せです。特にこのサロンですと、子育て中のお客さまが多いので、美容室を楽しむという考えをお持ちでない方がほとんどです。「子どもを長く待たせられない!」と焦ってしまうんです。でもこのサロンはお子さんにも楽しんでもらえる環境を整えているので、そういう心配は無用です。施術しているとお客さまがリラックスされて、ひとりの女性に戻られるんです。そんな瞬間を垣間見られた時に、一番やりがいを感じますね。
私自身、子育てを大変に感じることもありますが、この仕事をしているから、毎日子どもと楽しく過ごせているんだと思います。仕事がいいリフレッシュになっています。
若手女性スタッフへ、メッセージをお願いします!
自分の人生の優先順位を決めて、それを自分で叶えられるように、よく考えて働く場所を決めてください。私の場合は仕事が一番、二番くらいに大事でしたが、別に三番や四番でもいいと思うんです。希望する働き方にあったサロンが見つけられれば、それがベストです。今は本当にさまざまなスタイルのサロンがあるので、こだわりを持って探せばぴったり合うところが見つかるはず。美容師のように技術職でキャリアを積まないといけない仕事となると、女性は若干弱い立場になると思うので、自分でちゃんと先を見据えて下調べしていくことが必要だと思います。
Salon Data
ONEone 二子玉川 【ワンワン フタコタマガワ】
- アクセス
- 東急線二子玉川駅東口から徒歩3分
- 創業年
- 2017年
- 店舗数
- 1店舗
- 設備
- セット面2席
- スタッフ数
- 5名(スタイリスト4名、レセプション1名)