理美容業界の環境課題とは?
昨今、よく耳にするようになった「SDGs(エス・ディー・ジーズ)」とは、「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称。理美容業界における水・電力といったエネルギー使用量&CO2排出量・廃棄物の削減、再生可能なエネルギーへのシフトを目指して、2021年5月19日、「一般社団法人理美容SDGs推進協会」が設立された。
理美容サロンは、カラー剤・パーマ液といったケミカルなものを使用することが多く、「環境・循環型社会(有限である資源を効率的に利用すること)」に対して、大きな課題を抱えている。そういった理美容業界の環境対策と、DX化の支援・推進が、協会のおもな活動となる。
SDGsは、マナーからルールへ
「理美容SDGs推進協会」の設立時代表理事であり、「mod’s hairグループ」COO 兼 「株式会社ライトスタッフ」代表取締役 半澤 勝己さんに、設立への想いをうかがった。
『SDGsへの取り組みは今後、避けて通れないテーマ。つまり、“マナーからルール”になっていくと思います。理美容業界で、環境をメインテーマに活動している団体は、今までなかった。経営者としても、美容に身を置く者としても、この活動をすることが、使命だと感じました。
理美容サロン、メーカー、ディーラー、理美容専門学校、省庁…と、一枚岩でやっていくことが大事。おかげさまで、世界最大級の化粧品メーカーである日本ロレアル株式会社さま、大手美容POSメーカーの株式会社ティビィシィ・スキヤツトさま、大手美容ディーラーの株式会社ガモウさま、株式会社きくや美粧堂さま、株式会社ダリアさまと、理美容業界の中核である企業のみなさまが、設立時正会員として参画してくださっています。
今後「SDGs」がさらに、当たり前の世の中になったとき…。もし理美容業界が、それに遅れをとっていたとしたら?「理美容師になりたい」と言う子どもに、親は反対するかもしれない。理美容専門学校の先生は、「環境対策ができていないサロンには、大事な生徒を紹介できない」と言うかもしれない。そうならないために、“今”から準備しておくことが、大切なんです』
環境対応は、コストから「付加価値向上」へ
また、半澤さんは、こうも語る。
『環境への取り組みを行うことで、サロンに「集客向上」「売上向上」「企業価値向上」という好循環が生まれます。それは、お客さまも同様に「SDGsへの取り組みをしているか」という観点で、サロンを選ぶ時代がすぐ来る、と考えるからです。
今はまだ、それらを“コスト”だと考えるサロンオーナーが、いるかもしれません。しかし、それらはきっと“付加価値”になる。これからも、“環境対応はコストから付加価値向上へ”をメインテーマに、理美容業界一丸となって、取り組んでいきたいと思います』
▼「りびか(理美容SDGs推進協会)」WEBサイト