LGBTQ+のお客さまへの接客等を考えることで、「誰もが自分らしく美容を楽しむ、表現できる」そんな美容サロンを実現するお店づくりのヒントをご紹介します!
社会で多様性の受け入れがますます重要視される中で、多様なお客さまに対応できるサロンは業界のスタンダードになっていくでしょう。そのためには、多様なスタッフが活躍できる職場が重要です。
スタッフが性のあり方を気にすることなく、いきいきと働ける職場づくりには何が必要でしょうか?今回はスタッフからカミングアウトを受けたときの受け止め方、寄り添い方について学んでいきましょう。
※こちらの記事もチェック!「Vol.6/お客さまからカミングアウトを受けたら?」
スタッフがカミングアウトする背景は?【相談したいことがある場合】
カミングアウトとは、自分の性的指向や性自認などを自ら表明することです。
職場でのカミングアウトには背景がいくつかあります。一つ目は、「相談したいことがあるため、やむを得ずカミングアウトする」ケースです。例えば、自身が手術を予定している、同性のパートナーが入院したので付き添いたい、などがあるでしょう。
まずは「相談してくれてありがとう。」と自分を信頼してくれたことに感謝の気持ちを伝えましょう。
そして例えば、パートナーの入院であれば「パートナーさん大丈夫?」など、スタッフに寄り添いましょう。「LGBTQ+だったら、こんな特別な対応が必要」という正解があるわけではありません。他のスタッフから「家族が入院した」ということを知らされた時と同じように、本人の気持ちを尊重した対応とケアが望まれます。
一方で、休暇の制度を活用したい、といった希望がある場合、職場の制度がLGBTQ+の従業員のことも包摂しているかどうかによって対応選択肢が変わってくる場合もあるため、丁寧に確認しながら進めましょう。
スタッフがカミングアウトする背景は?【自然に話す場合】
具体的な相談事項がなくても、スタッフがカミングアウトをするケースもあります。「この店長(もしくはスタッフ)であれば話してもいいかな?」と相手を信頼している場合もあるでしょう。
または、スタッフ自身のキャリアを話す上で「(自分がセクシャルマイノリティとして感じてきたことを踏まえて)多様なジェンダー表現にもこたえられるスタイリストになりたい」など、自然と会話の中でカミングアウトに触れる場合もあるかもしれません。
そのときも最初に「大切なことを話してくれてありがとう」と感謝を伝え、キャリアの相談に乗ったり、「私たちが知らないうちに、傷つけてしまっていたことがあれば教えてほしい」などを伝えたりするのもよいかもしれません。
スタッフのカミングアウトで大切にしたいこと
またもう一つ。「店内のスタッフにはどのような感じで伝えたい?あるいは伝えたくない?」など情報共有の範囲を確認することも大切です。
カミングアウトはお客さまであれ、スタッフであれとても勇気がいる行動です。
Vol.6で「アウティング」(誰かの性のあり方について、本人の了承なく第三者に暴露してしまうこと)に触れましたが、「この人なら」と思って信頼できる相手にだけ話したのに、勝手に周囲に言いふらされるようなことはスタッフにもしてはいけません。
そして過剰に気を遣いすぎて、スタッフを腫物扱いしているように感じさせることも気を付けましょう。
カミングアウトを受けたらどう答えたらいいのか?どう対応すればいいのか?という正解はありません。スタッフが「自分を受け入れてくれた」という安心感が持てることと、スタッフとの関係性の中で、コミュニケーションを構築していくことが大切でしょう。