イノベーターが
見ている未来
vol.109
その取り組みと背景、そして未来についての展望をうかがいます。
PELE/CEO
RYUSEIさん (age.28)
Z世代美容師のトップ・オブ・トップと言わしめたRYUSEIさんだが、28歳の今、経営者としても抜きん出た存在になろうとしている。PELEは2022年、渋谷に1店舗目を開業。2024年9月30日、大阪・梅田店のオープンで計5店舗に。女性が活躍できるサロンづくりに力を入れる理由とは?さらには海外展開やサッカー事業まで…今後の構想に迫りたい。
・「PELE 渋谷」HOT PEPPER Beauty
https://beauty.hotpepper.jp/slnH000582893/
※11/25(月)開催のオンラインセミナーも必見!詳細・申込は画像をクリック!
第1章美容師という職業を選んだワケ
「美容学生に伝えたいのは
“美容師は甘くない”ということ」
飛ぶ鳥を落とす勢いのRYUSEIさんですが、まず美容師になったきっかけを教えてください。
小学1年生から高校までサッカーに夢中で、プロサッカー選手になりたいと考えていました。中学時代はJユースの下部組織に所属し、高校は山梨県代表としてインターハイで全国ベスト16まで進出するなど、それなりに結果は出していたと思います。
RYUSEIさんは山梨県の韮崎高校出身。中田英寿さん(元プロサッカー選手)の母校でもあり、サッカーの名門です。高校2年生ながらレギュラーポジションだったとうかがいましたが、すごいですね!
でも僕は、努力というより“センスだけでやっていた”。練習が好きになれず、自分はプロを目指すべきではないと思いました。
それで、何になろうか。「有名になりたい」「若くして早くお金を稼ぎたい」と考えた時、美容師という職業が浮かびました。正直、特別髪が好きとかではなかったんです。
サッカー推薦で進学する大学も決まっていたなかでの進路変更だったので、親に心配をかけないように「美容師の道に進み、こう勝ちます」とプレゼンをして、「専門学校で成績がトップじゃなかったら即退学」という約束をしたんです。専門学校時代は朝から晩まで練習し、2年間特待生でした。
有言実行は、その頃からだったとは!SNSで「ミルクティーカラー」を戦略的にバズらせるなど、マーケティングも得意な印象です。どこかで勉強されたのですか?
小学生の頃から、「こうやったら儲かるんじゃないか?」とか考えていて。親に「こわい子どもだった」と、大人になってから言われました(笑)。
僕は服も好きで、めちゃくちゃ買ってきたので、アパレル事業もしています。儲けたいというより、「儲け方が知りたい」という好奇心ですかね。原価や利益、梱包、プロモーションなど、「裏側」の仕組みを知りたくなるんです。
知的好奇心が高いんですね。RYUSEIさんの著書「BIYOSHIFT(髪書房)」にもありましたが、最速で結果を出すことにこだわるのは、なぜですか?
最初は単に「最速であることが、かっこいいから」というだけでした。あと、僕はなんでも逆算するクセがあるので、一般的に美容師として大成するまでの時間を、自分のなかで消化できないというか、もっと早く到達したいと思いました。
サッカー選手って、常に自身の引退時期を意識しますよね。そのせいか、美容師を志した段階から、引退時期を考えていたのもあります。その時は、30~35歳くらいかなって。それもあって、最速にこだわっていました。
現在はRYUSEIさんも専門学校で講師として登壇されています。学生たちに、どんなことを伝えていますか?
いちばんは、「美容師はそんなに甘くない!」ということ。ワインディングひとつにしても、おろそかにしている人は絶対成功しない。サロンワークで使わないとか言う人もいるけど、そうやって「やる意味を考えている時点で、美容師として通用しない」。
僕は20代。学生のみなさんと年齢が近いこともあり、言葉が入っていきやすいかなって。だからそれを伝えることが、自分の役割だと思っています。
美容学生さんたちと触れ合うなかで、課題に感じる部分は?
SNSのおかげで、僕たち世代は若くして輝けた。そのせいか、美容師になったらすぐに売上が出せて、いい暮らしができると夢見ている人もいます。SNSに出ているいい面だけを見て、中身の現実を知ろうとしない。うまくいくと思いすぎているから、いざ業界に入るとギャップが大きくて、すぐに辞めてしまうんです。ある意味、賢いから、切り替えが早い。
業界の先輩方も、僕もそうだけど、美容師ってかなり時間をかけて泥臭くやっていくもの。だから学生には、美容師という職業の現実性を持たせることを意識しています。
セミナーを聴いて、RYUSEIさんに憧れる人も多いでしょうね。
こわいと思われることが多いかもしれません(笑)。成長意欲のある意識が高い人は、入社を希望してくれますね。求人応募は大体100名くらいあって、今年(2024年)は14名採用しました。
PELEというチームでどう勝つか?
経営者・RYUSEIが見ている未来。