美容の未来のために、学びと調査・研究を

美容サロン経営を学ぶならホットペッパービューティーアカデミー

「すべてのお客さまに、心からリラックスできる時間を過ごしてほしい」。

そう願うサロンスタッフの皆さまに向けて、今回は「知的障がい」があるお客さまとの向き合い方について、一緒に学んでいきましょう。

はじめに知っておきたい「知的障がい」のこと

知的障がいとは、情報の理解や整理、コミュニケーション、物事の段取りを決めて進めることなどに、時間がかかるといった特性がある障がいのことです。

その特性や状態は一人ひとり異なり、周りのサポートをあまり必要としない方もいれば、ご家族や支援の方が外出に付き添われる場合もあります。また、ご自身の気持ちや考えを言葉で表現するのが少し苦手な方もいらっしゃいます。

大切なのは、「知的障がい」とひと括りにせず、目の前のお客さま一人ひとりと向き合うことです。

【シーン別】~知的障がいがあるお客さま~「あったら、嬉しい」配慮は?

知的障がいがあるお客さまが、どのような配慮が「あったら、嬉しい」と感じているのでしょうか。#3でご紹介した調査をもとに、予約からお会計まで、5つのシーン別に見ていきましょう。障がいがある方全体の平均値と比較すると、その「気持ち」がより具体的に見えてきます。

知的障がいのある方(n=27)、全体平均(n=442)/ともに複数回答

1位は「店舗のホームページやSNSに、配慮に関する実績や事例が掲載されている」(48.2%)。初めての場所や初めて会う人に対して、不安を感じやすいお客さまにとって、「このサロンは障がいへの理解があるんだ」と事前にわかることは、大きな安心材料になるでしょう。

知的障がいのある方(n=27)、全体平均(n=442)/ともに複数回答

受付は、お客さまが最初にスタッフと接する大切な場面。ここで半数以上の方が「ゆっくり・はっきり話してくれる」(55.6%)を求めています

少し早口になりがちなスタッフの方は、いつもよりワンテンポだけ、落ち着いて話すことを意識するだけで、お客さまの安心感はぐっと高まります。

知的障がいのある方(n=27)、全体平均(n=442)/ともに複数回答

カウンセリングでも、「ゆっくり・わかりやすい言葉で説明してくれる」が1位で、「ゆっくり」「わかりやすく」がキーワードです。

また専門用語は避け、「この写真の、こんな雰囲気が近いですか?」など、ヘアカタログや写真を見せながら、視覚的にイメージを共有するのがおすすめです。ご本人の「こうなりたい」という想いを、焦らず丁寧に引き出していきましょう。

知的障がいのある方(n=27)、全体平均(n=442)/ともに複数回答

3位にランクインした「苦手な施術や部位について事前に確認・配慮してくれる」(22.2%)については、

  • 「シャンプーの時、顔にかける布が苦手な方もいらっしゃるのですが、いかがですか?」
  • 「ドライヤーの大きな音は大丈夫そうですか?」

など、施術に入る前に一声かけることで、お客さまは安心して身を任せることができるでしょう。

知的障がいのある方(n=27)、全体平均(n=442)/ともに複数回答

お会計は、数字の確認やお金のやり取りなど、焦りやすい場面のひとつ。1位には「支払い時に急がせず、待ってくれる」(51.9%)がランクイン。ここでも「急かさない」が大切です。

「お支払いは〇〇円です」と金額を伝えた後、少し間を置いたり、「1万円をお預かりしますね」と一つひとつの動作を言葉にしたりするだけでも、お客さまの安心につながるでしょう。

~知的障がいがあるお客さま~
お客さまの声で知る「本当にうれしかった配慮」

実際のサロン現場で、知的障がいがあるお客さまが「うれしかった」と感じたのはどんな瞬間だったのでしょうか。

40代・女性
コミュニケーションが不得手なので、スタッフさんが話しやすい空気を作ってくれて助かったことがあります
40代・女性

優しくわかりやすく話しかけてくれるスタッフさんがいてくれた

  • 顔見知りになると、何も言わずに配慮をしてくれた(20代/男性)
  • 好きなことを話かけてもらえるとリラックスできていい(19歳以下/女性)

特別なことではなく、心のこもったコミュニケーションが喜ばれているのがわかります。

1 2

障がいがあるお客さまとの向き合い方の記事一覧へ

おすすめの記事

連載記事ARTICLE

  • 新着
  • ランキング

受付中のセミナーSEMINAR

動画ランキングMOVIE

ホットペッパービューティーアカデミーに
会員登録をして、
美容サロン経営に役立つ動画
を見よう!