リラクゼーションサロン領域
2014.05.30
Re.Ra.Kuは、疲労撃退、骨盤ケア、フットケア、ダイエット、スポーツパフォーマンスアップなどの多彩なコースで、肩甲骨や、股関節など全身のストレッチケアを取入れた「リラク系ボディケア」を提供。
2000年にサービスを開始し、現在、約120店舗と、日々、成長しつづけています。
今回は、代表の江口さんに、リラクが目指している姿について、お話をおうかがいしました。
PROFILE
江口 康二(えぐち こうじ)
1973年生まれ。1996年東海大学卒業後、株式会社ジャック・ホールディングス(現 カーチスホールディングス)入社。同社インターネット事業部長就任後、独自に開発したビジネスモデル特許「プライスダウンオ-クションシステム」が「日経優秀製品・サ-ビス賞」に選ばれ、最年少役員に就任。
2000年、株式会社リラク設立、代表取締役就任。2002年にリラクゼーションの派遣サービスを開始し、現在関東圏で約120店舗を展開。
株式会社リラク webサイト → http://reraku.co.jp/
|第4章|ブランドの差別化と、リラクゼーションの将来
野嶋 「肩甲骨から」というキーワード以外にも、素晴らしい部分がたくさんあるように感じました。そのあたりの差別化をどうエンドユーザーに伝えていくか、ブランドにしていくのか悩みませんか。
江口 そうですね、1杯のラーメンの出汁を作る製造過程が、最終的な味につながり評判になる、そんなことと似ているのかもしれません。それはうちの場合、人材育成なんですね。
じつは、東日本大震災のときに黒字基調だった店がいくつもあるんです。街中で水やお米が奪い合いになっているときに、むしろお客様が差し入れをもってきてくれた。断水されたエリアでスタッフの独断でシャワーを開放し、お客様から感謝された。そんなエピソードがいたるところにありました。なぜそういうことが起きるかというと、スタッフの心が整っているからだと思うんです。
野嶋 すばらしいですね。そういった瞬間に、自分たちの真価を実感するのかもしれませんね。
江口 経済活動ってほんとうに不思議ですね。お金を追いかけるとお金に逃げられ、追いかけずに自分たちをひたすら磨くと、お金が向こうからやってくるばかりか、お客様から感謝されるようなうれしいことが起きる。
野嶋 世の中にとって大事で、かつ、本質的な事業をやられていると感じました。働く人の満足度が企業の顔つきになっていくと思います。最後におうかがいしたいのですが、江口さんは、リラクゼーション業の可能性をどうご覧になっていますか?
江口 健康管理の分野は今後、ユーザーが、「どの店に、どのブランドに」ではなく「誰に」という個人にひもづいていくのではないかと思います。その流れの中で、企業は場所を提供する「箱の役割」になっていき、いかに個人が出かけやすい場所を開発するかが重要になっていくと思います。
たとえば「お風呂」という分野にも、銭湯からスパ施設まであって、それぞれの利用者の層がかぶっているかというとバラバラ。そのように、箱側のバリエーションで層の違いをつくる役割に、企業は変わっていくと思うんです。リラクゼーション業で、2980円で受けられるサービスが増えているのもいい流れだと思います。裾野が広がりますし、一度経験してみてよかったら、「高いところと何が違うのか」と関心がわくじゃないですか。
リラクゼ―ションサロンの経験者は17%しかいないんですよ。新たな顧客をつかむための施設をつくるのが企業、お客様との関係性を継続していく役割は個人が担う、というようになっていくと思います。
野嶋 江口さんが目指されるリラクゼーション業のあり方と、夢の実現のために何を大事にされているのかが、よくわかるお話でした。きょうは、どうもありがとうございました。
(写真/中野愛子 文/錦織信子)