先輩女性インタビュー
サロンで働く先輩女性たち
長く活躍しているさまざまな女性スタッフに、どんなキャリアを歩んできたのかインタビューしていきます。
自分なりの「なりたい私」を見つけてください!
vol.89
エステサロン店長は、2児のママ!
接客が育児のパワーになる理由とは?
恵比寿駅に近いビル内の静かなフロアで、脚とボディのケアを提供するエステティックサロン「フォーレディ恵比寿/代官山」。創立から店長を務める塚田洋美さんは、さまざまな業界で営業職を務めた経験を活かし、お客さまの信頼を獲得してきました。出産してママになるときには、サロンの隣にマンションを買うというバイタリティを発揮。2人の子どもを育てながら、今もトップエステティシャンとして活躍しています。人を元気にするポジティブなオーラを放つ彼女に、これまでの道のりをうかがいました。
Staff Data
塚田洋美さん 43歳
エステティシャン。フォーレディ恵比寿/代官山店長。エステティシャン歴15年。
小学校4年生の女の子、3歳の男の子のママ。
週休2日、10:00〜18:00の時短勤務。
塚田さんのLife History
★…ターニングポイント
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20歳
短大英文科に在学中、航空会社の客室乗務員を目指すが、正社員の募集がなかったため断念。生命保険会社に営業職として入社する。
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23歳
早起きが苦手だったため、「12時出社の会社だったから」という理由でフェイシャルのエステティックサロンに転職。化粧品の販売に携わる。
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27歳
さらに営業の腕を磨こうと婚約指輪の販売会社に転職するが、職場が肌に合わず、1年ほどで再び別のエステティックサロンへ転職。そこでボディエステの施術を学び、エステティシャンの道に。
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29歳
★20歳の頃から知り合いだった社長に声をかけられて、エステティックサロン「フォーレディ」の立ち上げに加わり、恵比寿店の店長に就任。エステティシャンとして本格的に活動を始める。
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31歳
前年に夫と結婚し、7月に長女を出産。たまたまサロンの隣のマンションに良い部屋が見つかり、購入して引っ越した。夫の両親に長女の世話を頼んで、11月にフルタイム復帰。
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39歳
第2子を妊娠。妊娠8カ月まで勤務し、長男を出産。妊娠中にサロンの目の前で新しい保育園の建設が始まり、長男を1期生として0歳から入園させることができた。
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43歳~
長男出産後は10:00〜18:00の時短勤務を続けている。仕事が終わると、職場の目の前の保育園に迎えにいき、隣のマンションに帰宅する毎日。
塚田さんへのインタビュー
Q. さまざまな業界を経て、エステティシャンになった理由は何ですか?
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A. 知人のサロン起業に誘われ、施術方法に納得して入社しました。
短大を出て最初に就いた仕事が生命保険の営業。自分の頑張りが「数字」で結果に表れるのが性に合っていたので、それから会社を変えても営業職を続けました。そして14年前、知人にエステティックサロンでの経験を買われて、「フォーレディ」の施術者としてスカウトされたんです。そのときにサロンで採用すると説明された機器や施術方法は、全部が理にかなっていて納得できるものでした。聞いてすぐに、お客さまがキレイになっていく姿が頭の中に浮かんだほどです。それまでいろいろなものを販売してきましたが、自分自身が惚れ込み、一切ストレスを感じずお客さまに勧められる商品はこれが初めてでした。そんな理由から、本格的にエステティシャンになる決心をしたんです。
フタを開けてみたら予想以上の反響で、連日サロンは大忙し。ボディケアへの関心の高まりもあり、女性のニーズに合っていたんですね。本当に多くのお客さまに喜んでいただき、チャレンジして良かったと思いました。
Q. 店長として忙しい日々。子育てとの両立に苦労はありますか?
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A. 環境と周囲の理解に恵まれ、子育てを通じて店長としても成長しました。
最初の出産を前に、幸運にもサロンの隣のマンションに良い部屋を見つけて、引っ越しをしたんです。しかも夫の両親が自宅に通ってくれたので保育園の心配もなく、長女が生後3カ月のときに職場復帰。おかげで長女が小さいころは、用があるとちょっと自宅に帰らせてもらったりしながら、従来通りフルタイムで働き続けることができました。周囲の協力に恵まれたためか、大変だったことはあまり覚えていないんです。
ふたりめ(長男)の妊娠中は、両親が高齢になったこともあり、預け先に悩んでいました。すると驚くことに、サロンの向かいで保育園の建設が始まったんです。まるで私のためにできたみたい(笑)。そこで長男は保育園に預けて、私が送り迎えをすることにしました。それに伴い、今は仕事も時短勤務にしています。社長自ら「子どもがいるのだから時短は当たり前」という空気をつくり、他のスタッフも良く助けてくれるので感謝していますね。
長女はほぼ両親が育てたので、私的には今回が初めて子育てをしている感覚。時間の余裕はないですが、子どもは本当にかわいいです。私は子育てを通じて、「辛抱強く待つこと」「できない子の気持ちを汲むこと」を覚えました。そんな部分で、店長としても少し成長できたのかなと思います。
Q. エステティシャンとして心がけてきたことは何ですか?
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A. お客さまとの間に壁をつくらず会話すること。そのおかげで、私自身の頭もクリアになれます。
まずお客さまとの間に壁をつくらないことです。エステティックサロンとは、自分の恥ずかしい部分とあえて向き合い、それを解消するために来るところ。そんな思いをお客さまが言葉にしやすいよう、オープンに接するよう努めています。2時間以上個室で一対一になる接客なので、技術だけでなく、会話も含めてトータルで心地よさを提供することが大事です。
仕事はいつでも楽しい!施術で結果を出すことだけでなく、そのプロセスで人と話すこと自体が好きです。若いスタッフに携帯電話の使い方を教えてもらったり、年上のお客さまにいつの間にか人生相談していたり。今は1日があっという間で考える暇もないですが、ストレスはありません。なぜかといえば、私の頭の中は、お客さまとおしゃべりすることで日々整理されているんですね。育児の悩みなども、全部お客さまに話します。日ごろ思うことをたくさん話して、お互いにストレスを解消しているんです。施術しながら元気をもらえる。本当に良いお客さまに恵まれていると思います。
若手女性スタッフへ、メッセージをお願いします!
将来の結婚や出産に不安を感じている人は「子どもを産んだらできなくなることが多い」と考えているんじゃないでしょうか。でも私は逆に「子どもを産んでからの方が、できることが増える」と思います。私も出産前に比べて時間の使い方がずっと上手くなりました。今は仕事をしている時間こそ短いですが、内容も数字もフルタイムのときと何も変わっていません。何より子どものいる生活はとても楽しい。ぜひ希望を持って頑張ってください。
Salon Data