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イノベーターが
見ている未来

vol.22

確固たる世界観を持ち、新しい取り組みをしている「次世代リーダー」へのインタビュー。
その取り組みと背景、そして未来についての展望をうかがいます。

Lily
代表

柳本 剛さん (age.32)

「美をもって世界を救う」ことを使命に。
ヘアケア特化サロンが抱く大望とは?

全国からその腕前にほれ込んだファンが通うサロン「Lily」。代表を務める柳本さんは「くせ毛・縮毛矯正の匠」として業界内からも注目を集めています。柳本さん以外の所属スタッフも「美髪アドバイザー」「くせ毛マイスター」といった際立った個性をもち、「ヘアケア」を重視したサロンという点も独特の存在感を放っています。なぜヘアケアに着目したのか?個性豊かなスタッフと共に目指す未来とは?柳本さんの歩みと、この先の夢に迫ります。

1985年、徳島県出身。高校卒業後に東京の美容専門学校に進学。卒業後は都内のヘアサロン2店舗で計6年間の勤務を経て独立。都内の業務委託形式のサロンにてフリーランスの美容師として、個人の月間売上が450万円に上るほど評判を呼ぶ。その当時知り合った仲間と共に2014年11月、29歳のときに東京・表参道に「Lily」をオープン。「くせ毛・縮毛矯正の匠」として「再現性・持続性・デザイン性」にこだわったオートクチュールのスタイルを提案し、髪質やダメージに悩む女性たちから圧倒的な支持を得ている。
http://beauty-architect.com/lily/

第1章不遇のアシスタント時代を乗り越えて

「当時は珍しかった美容師の個人ブログから、
アシスタントの僕でも依頼が入るように。」

美容師はいつごろから目指していたのでしょう。

「将来は学校の先生になるのもいいな」とかいろいろ考えていたんですが、美容師を目指したのは高校時代の彼女がきっかけです。彼女のお父さんが美容師で、彼女も将来は美容師を考えていると聞きまして。そういえば自分が子どものころから通っている理容室も、とても素敵な雰囲気だったんですね。そんなこともあって、美容師に惹かれたんです。ところが結局、高校卒業前に彼女とは別れてしまい(笑)、美容学校へはひとりで進学しました。

彼女と別れても、美容師になる決心に変わりはなかったんですね。

きっかけは何であれ、自分が「やりたい」と決めたことですしね。途中で投げ出すのってかっこ悪いでしょう。それで地元の徳島から上京して美容学校へ通ったんですが、いい友達に恵まれました。お金がなかったので、友達のバイト先でおごってもらったり助けられましたね。いまでも当時の仲間とは付き合いが続いています。

美容学校の卒業後は都内の美容室へ就職。スタイリストデビューは早いほうでしたか?

それが、勤めていた4年間ずっとアシスタントだったんです。当時のサロン代表のメインアシスタントを担当していて、多くの時間をサロンに費やしました。ただ、それとは反対にサロンでの個人練習が禁止されていたりと、技術習得の時間よりもモデルハントや掃除などの雑用に時間を割かれることの方が多くて。そんな環境で同期もどんどん辞めていったんですが、僕はとにかく「うまくなりたい」「技術を会得したい」という一心で残っていました。

とはいえ「これではいつまで経っても上手くはなれない」と考えていたとき、以前から知り合いだった先輩に「オーナーが店を辞めて新店舗を出す」と聞いたんです。それで4年間働いたサロンを辞めて、24歳のときに新しいサロンに移りました。ところが、こちらの店でも結局ずっとアシスタントだったんですよ(笑)。またもやサロン代表のアシスタントとして重宝されまして、デビューできないまま時が過ぎていきました。

2つ目のサロンに2年間勤めてから独立されたようですが、きっかけは?

個人的にやっていたブログが評判になっていったことですね。当時から僕はヘアケアへの関心が高く、いろんなケア剤の実験結果などをスタッフに伝えるためにブログを始めていました。最初は内部向けだったんですが、お客さまも興味があるだろうと一般向けに方向転換することにしたんです。

一般向けのブログを始めたのはもうひとつ意味がありました。当時いたサロンは売上を担保するために、割引クーポンを大量に配っていたんですね。でも、「技術を安売りする以外に、お客さまを呼ぶ手段はないんだろうか?」と僕なりに考えるようになって。それで、お客さまを呼ぶことができるかどうか、試すために始めてみたんです。

そのころは個人的にブログをやっている美容師はあまりいなかったと思いますが、見てくれる方が結構いて。そのうち僕にメールで直接、「髪の毛をお願いしたい」と依頼してくれる方も出てきたんです。サロンでは依然としてアシスタントの僕に、依頼してくれる方がいるんだってことはとても嬉しかったですね。人数は多くはありませんでしたが、営業終了後にカットモデル料金でお客さまを取るように。そうするうちに「もっとお客さまを担当したい、ならば独立しよう」という考えになりました。

それからフリーランスの美容師さんが集まる業務委託形式のサロンに入られたわけですね。そこでは順調に集客できましたか?

いえ、最初はまったくダメでした。そこは集客も個人個人でやる方式だったのですが、最初の1カ月のお客さまは10人もいかないくらい。これはまずいと思って、街でお客さまをつかまえるのがうまい後輩をならって、見よう見まねで街頭に出てみました。だけど僕は口もうまくないし、それもダメで。僕には向かない方法だなと思い知りまして、自分にできること、つまり以前からやっていたブログに力を注ぐことに。時間だけはたっぷりあったので、くせ毛や髪質改善などの記事を1日2~3本アップしていきました。

その効果と、もともとリピート率はよかったのでお客さまのクチコミもあったおかげで、4カ月後には月50万円くらい、半年経つころには月100万円くらいの売上が出せるようになりました。

お客さまがオーダーされるメニューと来店頻度は?

僕はブログ記事にも取り上げてきたように髪質改善を得意としているので、お客さまもくせ毛カットや縮毛矯正、カラーをセットで利用される方が多かったですね。来店頻度も月1回か2カ月に1回の方が多く、お客さまが増えてからは1か月間休みなく、朝から夜遅くまで働いていました。それでいつしか月450万円くらいの売上に。僕は店販がほぼなくてこの売上だったので、それこそ命を削って働いているような状況でしたね。

  • カリスマ美容師として活躍したトップスタイリストの下、技術を磨いたアシスタント時代。辞めていく同期も多いなか、「意地もあって」厳しい修業時代を乗り越えた(写真右が柳本さん)

  • フリーランス時代は時間を見つけては髪質やケア方法に関する記事をブログにアップ。現在も「Lily」のブログには髪や美容に関する想いをつづっている。これらを発信することが「もっときれいになれるんだ」というお客さまの気づきにつながると考えている

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