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第3章「LECO」で実現したい、これからの美容室のカタチ

「“共犯者づくり”をして人が辞めないサロンに。
それが、成功への第一歩だと思っています。」

スタッフは内田さんが直接誘った2名と、面接で選んだ4名で始動する。採用応募の履歴書は130通ほども来たそう!そこから内田さんの感性で「ピンと来た、空気感のいい人」を選んだという

「LECO」は内田さんプラス6名のスタッフでスタートします。どんなスタッフに育ってほしいとお考えでしょう。

技術の共有は、伝えて練習すれば当たり前にできると思うんですよ。どっちかというと感覚を育てることに力を入れたい。僕は天才肌じゃないので、ゼロベースで何かを生み出すタイプじゃないんですね。それでどう勝負するかって言うと、いろんな情報を蓄積して、それを取捨選択して、いかにもゼロベースでつくったかのように見せるという方法をとっている。これを「サンプリング&エディット」と僕は呼んでいるんですが、そうして自分の感度で編集していくことをスタッフにも身に付けてほしい。

感覚をどう育てるかというと、対話するしかない。どれだけ一緒に話して、一緒のものを見るか。だから先日もスタッフとライブに行ったし、今度はスタッフの一人と一緒にDJをやるんですよ。そうして彼らが知らなかった音楽やファッションも共有して、アンテナを広げていくうちに、彼ら自身が好きなモノも広がっていくでしょう。もちろんその取捨選択は彼ら自身ですることですが、まず世界を広げる機会を与えたい。

新たな一歩を踏み出すにあたり、あらためて美容業界について考えたときに感じる課題はありますか?

現状はサロンが増えすぎですよね。これから美容師は減っていくと言われていますが、僕はそれでもいい、ある程度は淘汰されるべきだと思っています。そうして残れるサロンだけ残っていくんじゃないかな。

消えていくサロンというのは、例えばどのようなサロンだとお考えですか。

うーん、これは言い方が難しいんですけど、ファンベースに考えるべきというのかな。ひとつは、自分たちのやっていることは、お客さんの納得できることなのかを、もう一度精査して判断するのが大事だと思っています。もうひとつは社員満足についてきちんと考えること。さっきも言ったようにトップダウンを排除して、共犯者づくりをする。そしてスタッフみんなが「自分がここにいる価値がある」と思えたら、辞めようとは思わないでしょう。でもこれが今までできていないサロンが多かった。

できていない理由は業務体系だったり昔からの慣習、既成概念だったり。バブルのころに成功体験がある人は、そこから抜け出せなくて「このままでいいんだ」という考えもある。そうした従来の美容業界の考えは、社員満足度を下げることになっていて、結果的にはサロンの質の低下やお客さんを減らすことにもなっている。そして先行きの見えない社員は辞めていき、小さなサロンがどんどん増えて…という負のスパイラルが起きているんですよね。

だからこそ、共犯者づくりが大事であり、「LECO」で実践していくということですね。

そうです、社員満足度を上げることがまず一番大事であり、最初に取り組みたいこと。「辞めない、辞めさせない」を真剣に考えることを土台にしたら、すべてがうまくいくと思っています。

将来的な展望もお聞かせください。3年後、10年後の「LECO」はどうなっていたらいいなと思いますか。

長期的な計画もなんとなくはあるんですが、あまり決めたくないとも思っていて。まずはいまある目の前の問題を解決することが大切ですしね。ひとつの展望としては、3年後もオープンにかかわった人たちが全員働き続けていることが目標。そうして人が辞めず、新しい人が増えて、手狭になって新店を作ること。出店したいというよりも、出さざるを得ない状況になって新店を出す。これが一番、理想的な姿ですね。

  • 経営者として新たなスタートを切った内田さんだが、時間がある限りはサロンワークも積極的に続けていくという

  • 2月27日に行われたレセプションパーティーの様子。業界内外からたくさんの人が駆けつけ、一時は店に入りきらず階段にも人が列をなしたほど!内田さんの人望の厚さがうかがえる

ご自分を評して「せっかち」だと言います。
たとえばレストランに入ったら座った瞬間に
店員さんの呼び出しボタンを押し、すぐにでも注文したいくらいに。
言われてみれば、過去のイベントや原稿のやりとりはいつも即レス。
あの忙しさの中で、いつチェックしているのだろうと不思議なくらいです。

そのくらい突っ走る人なので、3年前の強制入院の2週間は
立ち止まる時間を作るために“必然”だったのかもしれません。

そんなせっかちな内田さんだから、誰よりも時代の先を見ている。
今回は内田さんが描いている未来を、少しだけのぞくことができました。
本当はまだまだ隠している構想がある気がしますが(笑)・・・
その続きを、また聞かせてください!

渋谷1丁目から始まる新しい物語、新生・内田聡一郎の挑戦。あらためてもらった名刺に、そんな強い意志を感じた

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