第4章美容サロン経営者に求められるもの
「経営者は、独立した日から経営者。
まず、“経営者とは何か”を考えること。」
「NO LIMIT」でいろんなオーナーさんから相談を受けるなかで、「美容サロン経営の壁」と感じたことは?
西川●「経営者とは何か」と考えることからまず始めたほうがいいと思う。経営者は、独立した日から経営者。法人化していたら株主でもある。「株主って何だろう?」って僕も勉強しています。でもそういう感覚がない人も多いんですよね。経営者と言いつつプレイヤー気分のままで、売上さえあればいいだろって考えて経営の勉強をしない。
大河内●前に西川さんが、「うちのスタッフが勉強しないって質問が来るけど、あなたはどれだけ経営者として勉強しているの?」って答えてて。ディスってるんですよ(笑)。だけど本当そうだなぁって思います。
西川●だって「スタッフが練習しない、練習しない」って質問がいっぱいくるんだけど、悩むなら練習日を決めたり仕組み化すればいいのに、なぜか自発性に任せてるんですよ。練習しないな~、そろそろするかな~?って待っているだけ。意味ないですよね。
大河内●「どう練習させるのかを考える」ことが、経営者としての勉強なのにね、ってことですね。
鈴木●あと経営者として、どういうふうになりたいか考えることも大事。1店舗だけでずっと自分がプレイヤーで80歳までやって引退するなら、経営なんて視点は必要ない。でも2店舗目、3店舗目を出したいなら、とりあえず「経営者の日」を作れって話してます。毎日美容師をやっていると経営のことを考える余裕がないから、まず「経営者の日」を作る。
僕も2週間に1回、事務所にこもる日を作ることから始めました。どんどん日にちが足りなくなって、いまはサロンワークをするのは金土日だけという状況に。その経営者の日に僕は過去の数字を分析することから始めたけど、ホットペッパーを作り直すとか、何をするかは人それぞれでいいと思います。
大河内●目標は大事ですね。僕らは「ONE MILLION(ワンミリオン)」というオンラインサロンも始めたんだけど、そっちは「年商1億円を目指す」という明確な目標設定をしています。すると正解が絞られてくる。「法人化はいつすべき?」という問いには「いますぐ」と答える。法人化しないと年商1億にいきませんから。そういうふうに目標設定がないと、考えもふわふわしちゃう。いま何をすべきかも、目標が明確でないとわからなくなります。
では最後に、今後の「NO LIMIT」をどうしていきたいか考えはありますか。
鈴木●もともと会員数を1000人にしたいって話していたので、そのためにリニューアルしたり動画コンテンツを作ったり…。昨日もその件で3時間くらい話し合っていて、8月くらいから動画をアップしていく予定です。あとは…、オンラインサロンメンバーは材料が安く買えたりとか、「NO LIMIT」を軸にして、経営が楽になるようにできたらって思います。
西川●「独立前にはとりあえず、NO LIMITに入る」という流れを作りたいですね。あと美容業界って、売上が何千万とかいう数字の基準があいまいで。それって税込なのかとか。いいようにごまかせちゃうので、「NO LIMIT基準」を作りたい。
大河内●表に出てくる数字ってちょっと盛ってるんだよね。その盛った情報にみんな踊らされて…、僕らも踊らされたし(笑)。
とにかく、この3人でいるのはすごいおもしろい。一緒に過ごすなら、前進している人と付き合いたいと思うんです。変化していく人じゃないと、傷のなめあいみたいになるでしょう。同じ目線を持ちながら、前に前にと進んでいる人と一緒にいると自分を伸ばしてくれる。オンラインサロンも、そういう役割を果たせる場だと思います。
だから、主宰者である自分たちがきちんと、“知っている”必要がある。」
その言葉を裏付けるように。この数年、美容業界関連のセミナーやイベントで私自身が一番多く見かけたのは、間違いなくこの3人です。
誰よりもアンテナを高く張り、すべてに即レスし、圧倒的な行動量でみせる。そうでなければオンラインサロンという形で、同じ立場の美容サロン経営者に何かを言うことなど、できないのでしょう。
自分たちもたくさんの失敗をしている、とも言います。
そのリアルな体験が言葉に説得力を持たせ、だからこそ日々、オンラインサロンメンバーの気持ちに寄り添うことができるのだと思いました。