「withコロナ時代」と呼ばれる環境下で、美容サロンに求められるものとは?
先進的な取り組みを通して、そのヒントをお伝えします。
vol.13
※紹介しているコロナ対策は取材時点のものです。状況によって、日々変わる可能性がありますのでご了承ください
表参道・横浜・渋谷にヘアサロンを3店舗展開する「HONEY GROUP」。3~4年前からオンラインでのカウンセリングを模索していたこともあり、コロナのタイミングでもスムーズにオンライン化を実現しました。オンラインカウンセリングは、ホスピタリティーの一環として始めたものなので、すべて無料。お客さまとの関係性強化だけではなく、働くスタッフのモチベーションUPと、思いがけないメリットもありました。
※「HONEY 表参道店」
https://beauty.hotpepper.jp/slnH000275560/
#01オンラインで、お客さまの髪の悩みに対応。
コロナの影響で、3月末頃から多くのお客さまが外出を控える状況に。そこで4月初旬から来店できずお困りのお客さまへの情報提供・精神的なサポートを目的に、ビデオ会議ツール「ZOOM」を使ったオンラインカウンセリングをスタートしました。(お客さまからの希望があれば、「来店前のオンラインカウンセリング」も対応可)
オンラインの要望で多かったのは、前髪セルフカットのレクチャー。「お客さまは家にある普通のハサミですし、僕らが普段使っているカットの専門用語も伝わりません。なので、簡単な言葉に置き換えて説明すること、ウィッグを使って見本をみせるなどの工夫をしました。ここで学んだ“わかりやすく伝える”ということが、通常のサロンワークでのお客さまとのやりとりにも活きていると思います。」とオーナーの吉田さん。
また、お客さまの旦那さん、お子さんなどご家族に画面上で挨拶できたり、髪の相談に答えることで安心感を持ってもらえたりと、信頼関係がより強固に。
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今回お話をうかがったのは、オーナー兼スタイリストの吉田 遼平さん。現在オンラインカウンセリングを行っているのは吉田さん&共同オーナーである小田 泰之さんのみだが、スタッフの希望があれば順次対応していく
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2014年の起業時より「これからはITに強い人材が必要」と、友人でもありIT業界に詳しい高橋 一成さん(写真)が経営陣に加わっている。オンライン施策もスピード感を持って進めることができた
#02「COLORIS」と連携し、LINEでカラーアドバイス。
「COLORIS(カラリス)」は、お客さまがオンライン上で質問に答えていくことで自分に合ったホームカラー剤を購入できるサービス。昨年10月から美容師アドバイザーとして「COLORIS」と提携していたが、当初は質問がほとんどこなかったという。しかしコロナの影響で、4月~5月は1日に5件前後くるように。やりとりはLINEでのテキストメッセージで、お客さまの質問に答えていく形だ。文章が長すぎるとわかりづらいので、丁寧でありつつも簡潔に伝わることを意識。結果、美容師としてのコミュニケーション力も高まったと感じている。
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「コロナによって時間・席数制限もあり、技術売上だけでは限界が・・・。でもカラー剤などオンラインでの商材販売で、売上を伸ばしていくことは可能。」と吉田さん
#03今後も、さまざまなオンライン活用を模索!
現在も、社内での役員会議はオンラインで行うことが増えたという。また吉田さん自身、表参道と横浜の店舗を行き来していることもあり、「今後さらに出店や提携店舗を増やしていくなかで、お客さまのカウンセリングに対応、スタッフ教育、FCオーナーへのコンサルティングなどをオンラインでもしていきたい、という構想がある。
ゆくゆくは、女性スタッフが出産・育児などでサロンワークができない期間、お客さまとの関係をキープするためにオンラインカウンセリングを活用することも検討中だ。
「オンラインカウンセリングもそうですが、何かをきっかけにスピーディーに新しい試みをリリースできたことはよかった。お客さまからもうれしい声をいただき、あらためて“フットワークの軽さ”が大切であると実感しました。スタッフも、新しいことにチャレンジしてみよう、この会社なら新しいことができるんじゃないか、というポジティブな空気に。それが一番の収穫かもしれません。」と吉田さんは語る。
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現在はグループ全体で、26名ものスタッフを擁する
- オンラインで、お客さまの髪の悩みに対応。
- 「COLORIS」と連携し、LINEでカラーアドバイス。
- 今後も、さまざまなオンライン活用を模索!