2004年長野で開業。自身で開発したアイラインエクステを普及させるため、8年前に東京に上京し現在の幡ヶ谷にサロンをオープン。まつげエクステの常識を変えたい!という強い思いから商材・技術開発までに至った原動力を、オーナーの伊東さんに伺います。
代表/伊東 真紀さん
まつげエクステ専門サロン Angela 代表。
アイラッシュソムリエ、松風公認エデュケーター、松風公認インストラクターを兼任。
お客さまを虜にするオーダーメイドデザインや、1by1とボリュームラッシュ、スマートラッシュの利点を活かしたデザインまで一貫した高度提案を得意として、勉強会やセミナー、海外からの依頼も多く年間数十回の登壇、シミュレーションツールの開発など、施術業務以外の活動も積極的に行っている。
お客さまの悩みを解消する「アイラインエクステ」とは
ーまず、開発された「アイラインエクステ」という技術について教えてください。
アイラインエクステは、一人ひとりの目に合わせたパーソナルデザインをメイクのようにオーダーメイドで作る技術です。
1層目は短いまつげエクステを用い、目元の修正とのラインを形成する「アイライン」、2~4層は一般的に使用されているまつげエクステを用い、全体のバランスをデザインする「アイデザイン」という4層構造になっています。基本のパターンは28パターン、これを毛質やデザインなどを組み合わせると200種類以上。独自のカウンセリングを行うことで、お客さまの目元に最適なデザイン提案ができます。
まつげのリフトアップや、目のフレーム補正などが期待できる、お悩みを解消することに特化した技術です。
ーこの技術はどのようにして誕生したのでしょうか?
きっかけは、自分自身の目にコンプレックスがあったことだと思います。
もともと化粧品会社にいたので、アイラインやつけまつげによって、目の印象が大きく変化することを知っていました。
それと同じように、まつげエクステを使って瞼をぐっと引き上げたり、目がぱっちりするような付け方はできないかなと、エクステの可能性を常に探っていました。
ボリュームラッシュの技術がないころから、1本のエクステに2本付けてみたり、極太なエクステで根元をぐっと押さえてみたり、まつげエクステ装着後ビューラーで上げてみたり。ボリュームが多ければいいということでもなく、付け方によっては逆に目が小さく見えてしまうこともあったりしましたね。
そんな試行錯誤を繰り返しながら、たどり着いたのがプロのヘアメイクアップ理論にまつげエクステの良さを融合した今の技術です。
ー通常のまつげエクステと違うポイントを教えてください。
目のフレームを修正して、トータルでお顔の印象を変えましょう!という、お客さまの印象そのものを変える新しいかたちを提供していること、実際にお客さまが「全然違う!」と仰る独自のカウンセリング術を用いていることが、通常のまつげエクステとは異なるポイントです。
技術的なポイントとしては、1層目の短い毛でしっかりアイライン効果を付けつつ、毛先はナチュラルにすれば従来の同じ本数を付けているまつげエクステより目力を出しながらナチュラルな印象を作ることができます。
1層目は強制力のあるしっかりした毛なので、つけまつげのようにぐっとまぶたを押し上げてくれる効果もあり、目力アップや、二重になる人も。
まぶたが上がることによってエイジングケアや目元のお悩みを解消する効果も非常に高いです。
エクステといえば「若い人がするもの」、「一重には向かない」など、さまざまなイメージを持っている方も多いと思いますが、アイラインエクステは少しでもお悩みをお持ちの方にはぜひお試しいただきたいメニューです。
アイラインエクステ 理論確立までの道のり
ー約10年前にアイラインエクステの技術が確立した、とのことですが、普及させるまでの道のりはどうだったのでしょうか?
技術的にはでき上がっても、当時はそれを理論的に説明することができなかったので、商材メーカーさんにもうまく伝えられなかったり…。
トレーニングさせていただく多くのアイデザイナーさんも「理論」というより、経験値や感覚で付けていることが多いので、これでは伝わらないなと感じていました。
そこで、目元のことをもっと理論的に理解するため、5年ほど前に松風さん(アイラッシュ商材メーカー)が開催されたヘアメイクアップアーティストの講座を受講しました。
もともとメイクの世界にいたのでわかったつもりでいましたが、改めて学んでみると勉強になることばかり。何より、「アイラインエクステでやってきたことは間違いじゃなかった!」とすごく腹落ちできたんです。
そこから、アイラインエクステの理論を一人で資料にまとめました。膨大な量になりましたね(笑)。
ーそのあふれるパワーはどこからくるのでしょうか?
やはり目の前でお客さまが喜んでくださっている姿を日々見ていたことが原動力になったと思います。
「コンプレックスだった目が好きになった!」「ナチュラルなのに目力がすごい!」「理想の目元になれた」などたくさんの喜びの声をいただきました。
本当にいいものだと確信しているし、多くの方のお悩みを解消できる技術だからこそ、あきらめずに続けられました。
理論ができたことで徐々に話をきいてくださる方が増え、現在では松風さんのご協力もあり、商品化や教育パッケージ・資格などもできました。
松風さんの商材は、どのカットを買ってきても均等。アイラインエクステは配置が命なので、質のいい商材を提供しているからこそできた技術でもありますね。
どんなに競合がいても選ばれるサロンになる
ーすごい道のりだったのですね…。
はい、でも今となってはそれが強力な強みになっています。
まつげエクステって、こう付ければこういうデザイン、といった付け方のベースはあっても、「それぞれの目元や悩みに合わせた」オーダーメイドな提案に必要な知識や分析方法・装着の仕方を教えてくれる場所がないんです。なので、どうしてもどのサロンに行っても同じようなカウンセリング、同じようなデザイン(ナチュラル・キュート・セクシーの中から選択)などになってしまいがちです。
でも、このアイラインエクステは、目元だけでなく顔の印象をコントロールする技術で、多角的な分析とお客さまに寄り添うカウンセリングをした上で細かいデザイニングをしていくため、他店とは圧倒的な差別化を図ることができます。
ーその後、どのようにこの技術を広げていったのでしょうか?
このような技術もあり、当時経営している長野のサロンでは”アイラッシュと言えばアンジェラ”といわれるくらいまで知名度がありました。
ただ、アイラインエクステは好評でしたが、サロン自体にネームバリューがあるからなのかなとも思っていて。
本当に日本中で成功する技術なのかチャレンジしてみたくなり、長野のサロンの運営を妹と友人に任せ、5年前に東京に引っ越し現在のサロンをオープンさせました。
本当にお客さまが0の状態からのスタートでしたので、ホットペッパービューティーで集客できたことは大きかったですね。
ー東京での反響はどうだったのでしょうか?
お客さまは「自分の目元をわかってくれる」「悩みを解消できた」と思ってもらえると必ずリピートしてくださります。
おかげさまでリピート率はほぼ100%。長野のサロンは今も3カ月先まで予約が埋まっていますし、幡ヶ谷のサロンも1カ月ごとしか予約を開放していませんが、おかげさまでほぼ満席の予約をいただいています。
この技術とカウンセリングのノウハウがあれば、どんなに競合が現れても選ばれるサロンになれる、と感じましたね。
アイサロンの常識を変える!アイラッシュに対する想い
ーまつげエクステのシミュレーターを制作したのも伊東さんだとか…?
そうなんです。アイラインエクステの技術を考え出したのと同じくらいの頃(約10年前)だったと思います。
普段私が担当しているお客さまの施術を他のスタッフに任せたときに、「仕上がりがイメージと違う」とクレームをいただくことがあって。
きちんと技術はあるスタッフばかりでしたが、技術ではなくお客さまのニーズをしっかりくみ取れていないことが原因だ、と気づいたんです。
まつげエクステは、お客さま自身もどんなデザインがいいのか説明できないもの。だからこそいかに双方のギャップがない状態で施術できるかが重要でした。
当時、その「お客さまのニーズの引き出し方」を私自身もスタッフに伝える技術がなかったので、シミュレーターを作ることにしました。
最初に作ったときは、100円ショップでルーペを買ってきて、中をくりぬいて半分に割って、そこにつけまつげを付けた、手作り感満載のものでした(笑)。濃さやカール、長さの違う20種類くらいだったかと思います。
今では販売もしています。全国のアイサロンにとってこのツールがお客さまのニーズを引き出すお手伝いになれば、と思っています。
ー次なる目標もあるのでしょうか?
まつげエクステの常識を変えたいですね。
例えば本数によって値段が変わる、毛質やシングルラッシュかボリュームラッシュかによって値段が変わる、などのサロンが一般的ですが、お客さまは何が自分に似合うのかわからない方のほうが多いはず。
アイデザイナー側から、お客さま一人ひとりに合わせたパーソナルデザインを提案する。その上で必要な本数や毛質をオーダーメイドで提案できれば、もっとお客さまのお悩みに寄り添えたり、メイクのようにまつげエクステを楽しんでもらうことがきっとできるはず。そんな世の中にしていきたいですね。
もっとお客さまに似合う・理想とするまつげエクステを、という気持ちはどこまでも終わりがなく、必要な方にはカラー診断やファッション診断なども取り入れています。うちもまだまだもっと進化していきたいですね。
ーオンラインサロンも始められたのだとか…?
はい。前半にも少しお話しした通り、やはりそれぞれの目元や悩みに合わせたオーダーメイドに必要な知識や分析方法や付け方を教えてもらえる場所がまだまだ少ないんです。
まつげエクステに可能性を無限大に感じているからこそ、お客さまには個性の時代にもっとエクステを楽しんでもらいたいですし、アイサロンのカウンセリングはもっと進化するべきだと思っています。
そんな気持ちからオンラインサロンをスタートさせました。
これも全部自力で(笑)。約30本の動画も自分で制作・編集しています。
「他店と差別化したい」「お客さまの悩みにもっと寄り添たい」「新しい技術を身に着けたい」など、必要なサロンにこの技術が届けばいいなと思っています。
伊東さんが実演くださっている「上級カウンセリングテクニック」動画セミナーはこちら
SALON DATA
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EyelashSalon Angela【アイラッシュサロンアンジェラ】
- アクセス
- 京王新線幡ヶ谷駅から徒歩3分/笹塚駅から徒歩17分
- 創業年
- 2004年
- 店舗数
- 2店舗(幡ヶ谷・長野)
- 設備
- 総数2(リクライニングチェア2)
- スタッフ数
- 3名