イノベーターが
見ている未来
vol.87
その取り組みと背景、そして未来についての展望をうかがいます。
Jetset(株式会社ジェットセット)
CEO ジュリア スポッツウッドさん
専門特化型サロンが増えている。そのなかでも異彩を放つのは、“シャンプー&ブロー専門店”である「Jetset」ではないだろうか。実は最近に始まったのではなく、2014年創業。アメリカでは珍しくなかったこの形態を日本に持ち込み、確実にファンを増やしてきた。カットなし、カラーなし…果たして、シャンプー&ブロー専門店は広がりをみせるのか?ジュリアさんに、その勝算を聞いた。
https://jetsetdrybar.com/
第1章アメリカでの衝撃体験
「忙しい女性を救いたい。
なぜ、このサービスが日本にないの?」
シャンプー&ブロー専門店を出そうと思った、きっかけは?
アメリカと日本で金融コンサルティング会社に勤務していた頃は、とにかく激務で…。夜遅くまで働いて家に着くと「髪を洗うか、すぐに寝るか」迷いながらも結局寝てしまい、次の日の朝、あわてて髪を洗って出社する毎日。そんな時、アメリカの友人にシャンプー&ブロー専門店の「Drybar(ドライバー:アメリカに130店舗以上展開)」を教えてもらったんです。試してみて、カルチャーショック!
「なぜ、こんなに便利なサービスが、日本にないの?」って。自分の髪を自分で洗わなくていい、って超ラク。人生が変わりました。これを日本につくって忙しい女性を救いたい、と2014年にスタートしました。
アメリカに住んでいたジュリアさんからみて、日本の美容技術はどうですか?
特に日本のシャンプー技術は、アメイジング(素晴らしい)!丁寧で、気持ちがよくて、ホットタオルでマッサージもしてくれる。日本のサロンで最初にシャンプーをしてもらった時のインパクトは、忘れられない。もう、ずーっとやっていて欲しいと思いました。
日本では「サロンでしてもらうシャンプーは気持ちがいい」というイメージですよね?アメリカでは、それは一切ありません。痛かったり、水が顔にとぶ、耳に水が入る…という感じで。
だから日本でシャンプー&ブロー専門店をやるなら、日本の技術でやろうと。気持ちよさ・丁寧さを守らないと、「また来たい」と思ってもらえませんから。
やはり、日本の技術は素晴らしいんですね!ちなみにJetsetのお客さまは、どんな方が多いですか?
99%女性で、働いている方が多いですね。年代は幅広くて、30代~60代、70代の方も。みなさん、「自分の時間が増えた」「頭皮の状態がよくなった」と喜んでくれます。会員の方は週に2~3回の利用頻度が多いです。
Jetsetに来れば、その30~45分は好きな本を読んだり、動画を観たりできます。スタッフとの会話を楽しむ方も。忙しい人にとって、リフレッシュできるその時間って大きいですよね。
サロンは一日まんべんなく、予約が入っていて。働いている方だと朝や仕事終わりの夕方に、昼は子育てで忙しいママなど。特に人気なのは、朝と夜ですね。
六本木ヒルズ店は4席あるんですが、そのうち2席が会員用で、残りは回数券と一般のお客さま用。会員のお客さまが行きたい時に予約が取れるように、ある程度会員数をキープしています。
コロナ禍での影響は?
4店舗目をオープンしたタイミングで、緊急事態宣言(2020年第1回目)が出され、その間にビルとの関係で2店舗を休業せざるを得なかった。なので2店舗(麻布十番店と表参道店)のみで営業していました。
でも「会員システムは強い」と感じたのも、コロナ禍ですね。週に2~3回だと、友だちより会っていることになるので、お客さまとは信頼関係が強くなる。「つぶれて欲しくない」と、コロナ禍でも通ってくれたり、オプションメニューを増やしてくれたり…本当にありがたかったです。
シャンプー&ブロー専門店は日本に根付く?
“I think so!” 自信あふれる答えのワケ。