お客さまに支持されたサロンを表彰する日本最大級のアワード、「HOT PEPPER Beauty AWARD」。「GOLD Prize」「SILVER Prize」受賞サロン、または「注目サロン」に選出されたサロンへのインタビュー。取り組みや受賞の秘訣をうかがいます。
【長野】ショート特化で、時間単価UP!
平均月収72万円&年間休日108日を可能に。
flen【フレン】
HOT PEPPER Beauty AWARD 2023 GOLD Prize
長野県上田市にあるヘアサロン。「ショートスタイルが得意なわけではなかった」「自分にカリスマ性がないから、仕組みで戦う」と語る代表が、“ショート特化”にした理由とは?
https://beauty.hotpepper.jp/slnH000480336/CONCEPT
ショートスタイルを武器に、特にオトナ女性世代からの支持が厚い。「居心地のいい空間&お手頃価格で何度でも通えるサロン」がコンセプト。
AWARD受賞・
売上アップに向けた
取り組み
「ショート特化」メリット①来店頻度が高くなる
「ショート特化」メリット②時間単価&待遇UP
「ショート特化」メリット③スピード教育
「ショート特化」メリット①来店頻度が高くなる
HOT PEPPER Beauty の「スタイル」ページに並ぶのは、ほぼショート。その理由をたずねると…。
代表・藤原さん/『創業は2020年。当時、都会ではショート特化のヘアサロンが増えていましたが、長野にはほとんどなかったんです。最初は1人で始めたので、オンラインサロンなどでショートを勉強しました。地方は特に、高齢化が進んでいます。歳を重ねるとショートにする方が多いですよね?また、白髪染めをする必要も出てくるため、頻度高く通ってくださるお客さまが集まります』
もともと、表参道や銀座の有名サロンに勤務していた藤原さん。本来、レングス問わず幅広いデザインに対応でき、ヘアメイクまでこなせるが、あえてショートにしぼった。
HOT PEPPER Beauty「スタイル」ページより
「ショート特化」メリット②時間単価&待遇UP
ショート推しにした2つ目の理由は、時間単価を上げるため。ショートの場合、カラーの塗り&乾かす時間も短くなるので、回転率が高くなる。さらに、カラー剤も少ない量で済むので、材料費も軽減。
現在の時間単価は、約5,000円。そうなるようにメニューを組んでいるという。売上の見通しがハッキリつけば、スタッフの給料をどこまで出せるか試算可能に。「スタッフが働ける8時間で、いかに効率よく予約を埋めて売上を出すか。そして、待遇面を充実させられるか?」…それを常に考えている。
藤原さん/『ガツガツ稼ぎたい人は、都心部にいきます。地方の場合、“やりがい”を押しつけると、辞めてしまう傾向に…。それよりも、“安定した給料と休み”を求めている人が多いんです』
求人を増やし、かつ離職率を下げるために、「平均月給72万円・年間休日108日以上」という厚待遇。スタイリスト最高月収は120万円というから、驚きだ。
店内は2階建て・2フロア。お子さま連れも歓迎。大型ショッピングセンターの目の前という便利な立地にある
「ショート特化」メリット③スピード教育
創業から3年経った現在、スタッフは6名に増えた(うち、1名は産休中)。ショート特化にしたことで、技術教育のスピード化にもつながったという。
スタイリストは、前下がりショート・前上がりショート・ボブベースショートの「基本3パターン」を習得。ここから、ウエイトの高さを変えることなどで、すべてのスタイルに応用が利くという。
スピード教育&早期デビューもまた、求人を増やし離職を防ぐ、大事な役割を持つ。
代表インタビュー
藤原 つかささん
長野県生まれ。東京・銀座&表参道のブランドサロンにて、店長などを経験。同郷でもある奥さんの「長野で子育てをしたい」との思いもあり、2020年、長野県上田市に開業。
ー「ショート特化」のメリットをいくつかうかがいましたが、他にはありますか?
お客さまの満足度も上がります。それは、ショートの技術に納得してもらえることはもちろんですが、もうひとつ。
うちでは、「お客さまを絶対に待たせない」というルールがあるんです。オーダーのほとんどがショートなので、オペレーションが効率化できる。なので、「前のお客さまが終わらない」という理由で、お待たせしてしまうことはありません。
また、施術自体もお客さまが想像しているより、はやく終わらせることが多いので、喜んでもらえますね。
ー確かに、口コミでも「はやく終わって助かった」という声がチラホラありました。他に、「居心地がよい」「明るい雰囲気」といったコメントも目立ちます。意識していることは、ありますか?
採用面接では、「他のスタッフと、うまくいきそうか?」という視点で見ています。
うちの決まりで「他のスタッフの悪口を言ってはいけない」というのがあって、入社時にも必ず伝えています。僕の悪口は、いくら言っても構わないんですが(笑)。
やっぱりスタッフ同士の人間関係というのは、お店の雰囲気に出てしまうと思うので。
ー「平均月給72万円・年間休日108日以上」と、待遇面が非常に手厚いですね。
求人が一番の課題なので、それだけの給料・休みを担保できるように「仕組み」を考えました。
スタッフが辞めてしまうというのは、非効率なこと。だから、待遇を厚くする。それだけの待遇を実現するには、時間単価を上げる。そのためのショート特化…という流れです。
ーなるほど、全てがつながっているのですね!
僕みたいにカリスマ性や人を引きつける力がない場合、「待遇」で人を雇い、「仕組み」でまわさないと、うまくいかないと思うからです。
ースタッフの方とは、どのようなコミュニケーションをとっていますか?
うちは、面談やミーティングなどは一切ありません。営業中は、お客さまがフルで入っていますし、残業になるとスタッフの不満につながるので。 必要なことがあれば、グループLINEで伝えるくらいです。
ー今後の店舗展開について、教えてください。
美容室は、人を育てるのに時間がかかりすぎることもあり、スケールさせるのが難しい。なので、いま検討しているのは「ヘッドスパ専門店」。ヘッドスパなら、マニュアルさえあれば1カ月で習得できます。
美容師さんが辞める理由で、「接客が嫌だった」というのは、あまりない。「カットはうまくできないけど、美容の仕事は続けたい」という人が多いんです。
ヘッドスパなら、そういった人も、産休でブランクがあっても、働ける。これは、求人面においても強みになります。
ーなるほど。金額帯のイメージは?
価格は7,700円~1万5,000円くらいの間で、時間によって料金を変える予定です。時間単価は、7,000円を超えるように設計したい。
普段リラクゼーションサロンに通っている方にも満足してもらえるよう、デコルテ・肩・ハンドマッサージも取り入れて、専門の方に講習をしてもらいます。また、トリートメントのメニューも入れます。
長野はヘッドスパ専門店が少ないので、チャンスがある。何より、“僕が行きたいと思う”サロンがまだないので、それをつくれたらいいですね。
取材レポート
全てが効率的で、理にかなっている。それを伝えると、
「僕はある意味、ドライなんです」と、藤原さん。
お客さまもスタッフも、幸せであることは間違いない。仮にドライだとしても、その人が望むものを提供できていれば、それは「やさしさ」になる。
店名の「flen」は、fan=愛好者、love=愛、energy=活力、newness=新しさ…その頭文字から名付けた。まさに、それらを体現しているサロンだ。
flen【フレン】
- アクセス
- JR・しなの鉄道・上田電鉄「上田駅」より徒歩4分
- 創業年
- 2020年
- 店舗数
- 1店舗
- 設備
- セット面5席
- スタッフ数
- スタイリスト3名/アシスタント3名