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イノベーターが
見ている未来

vol.94

確固たる世界観を持ち、新しい取り組みをしている「次世代リーダー」へのインタビュー。
その取り組みと背景、そして未来についての展望をうかがいます。

アトリエはるか
株式会社ハルカホールディングス

代表取締役社長 岩井 大輔さん (age.42)

ヘアメイク専門店だけにあらず!?
眉コスメから福祉事業まで、新たなる挑戦!

「アトリエはるか」といえば、駅ナカ・駅チカにあるヘアメイク専門店…そうイメージする人も多いだろう。実は、それに留まらず「眉コスメ」「福祉事業」でも注目を集めている。コロナ禍では一時、サロンの売上が10分の1以下に激減。アフターコロナを見据えた、新たな勝ち筋とは?

岩井 大輔さん/1981年、千葉県生まれ。2004年に芝浦工業大学工学部卒業後、帝国データバンクに入社。奥さまである西原 良子さんが2000年に創業した「株式会社アトリエはるか」に、2006年入社。2019年、アトリエはるかを中心とするグループ3社を統括する「株式会社ハルカホールディングス」代表取締役社長に就任。

・HP(株式会社ハルカホールディングス)
https://www.haruka.global/

・西原 良子さん「トップインタビュー(2016年)」
https://hba.beauty.hotpepper.jp/check/8500/

第1章アイブロウ技術を全国のヘアサロンに

「コロナ禍で売上が10分の1以下に。
一方で“眉”の売上だけは2倍以上に」

ブロー・セット・メイク、ネイルなどのサービスを提供する「アトリエはるか」は、全国の駅ナカ・駅チカに63店舗を展開

コロナ禍では、イベントなどが大幅に減少し、ヘアメイクの需要も減ってしまったと思います。「アトリエはるか」は、どのような状況でしたか?

2020年4月~6月の緊急事態宣言が出たあたりは、売上は約10分の1以下に。毎月1億5,000万円もの赤字になりました。創業から20年分の純資産が、一瞬にしてとんでしまい…。でも、現場では社員を誰一人として解雇しないと決めていました。そして、アフターコロナを見据えつつ分析をして「目元美容=眉」に勝算があるのではないかと検討を重ねました。

いまもこうしてオンラインでインタビューを受けていますが、コロナ以降、いやがおうにも自分の顔と向き合う時間が増えましたよね?顔のなかでも、眉毛は気軽にできるうえに、変化量が大きいこともあって、サロンでのアイブロウニーズも上昇傾向にありました。

そこで、2023年3月にアイブロウブランド「Karen EYEBROW DESIGN(カレンアイブロウデザイン)」を立ち上げました。このブランドはコスメだけではなく、アトリエはるかのノウハウが詰まった“眉カット技術そのもの”を指します。希望があれば、どのヘアサロンでもメニュー&店販として、取り扱うことができます。

自社だけではなく、ほかのヘアサロンにも展開したのは、なぜですか?

コロナ禍で沈みかけたとき、「アトリエはるか」が美容業界にできることを考えました。自分たちのことを考えるだけでなく、美容業界のために提供できるものは何なのだろうかと。そして行きついたビジョンが「どの街角でも、気軽にメイクアップができる世界に」でした。

いきなりのメイク導入はハードルが高いので、前髪やスタイリングとのバランスに影響を与える眉毛に注目し、眉カット(トリミング×メイクアップ)のノウハウを整理して提供することにしました。

いつも通っているヘアサロンで眉を整えることができたら、お客さまもうれしいですよね。創業から延べ500万人以上の眉カットを行ってきた「アトリエはるか」ならではの技術や接客トークのナレッジと、使いやすい化粧品のセットをつくりました。

アイブロウメニューがあれば、客単価が一撃で1,500円くらい上がる。原価がほぼゼロなので、利益率が高い。うちでも4月に入ったばかりの社員が、たった1カ月で20~30万円の売上を出しています。

一般的なヘアサロンでのアシスタント業務は、シャンプーやヘッドスパなど、いわゆる“作業”で、ときに手が荒れてしまうことも。眉カットはハサミを使うので、実はミニシザーワーク。実践しながら、カウンセリングや会話も身につきます。お客さまから「ありがとう」と言われる機会が増えるので、モチベーションも上がるんです。

「アイブロウメニュー+店販」で売上が見込めるだけでなく、モチベーションにもつながるとは!技術は、どのくらいで習得できますか?

週1日・4時間を4セットで、1カ月くらいです。僕らもヘアサロンをやっているのでわかりますが、講習にそこまで時間を取られるわけにはいかないと思うので、効率的なカリキュラムを組んでいます。

同時に「アイブロウ専門店」をオープンされました。反応は、いかがですか?

飛び込みのお客さまも非常に多くて、絶好調ですね!特徴は、男性比率が多いこと。「アトリエはるか」は、お客さまが1,000人いたらメンズは2~3人くらいでしたが、「Karen」では50人くらいなので、約5%。今後、さらに広がっていくと思います。

  • 2023年3月、東京駅直結の商業施設・グランスタ丸の内に、「Karen EYEBROW DESIGN」のフラッグシップサロンをオープン。メニューは、カット・シェーバー・眉メイクがセットになった「Karen眉カット(10分/2,200円)」など

  • 簡単&上手に仕上がる形状と質感を兼ね備えたアイテム(写真左から眉毛カラーマスカラ・アイブロウパウダー・アイブロウペンシル)。高品質のサロン専売品を開発するため、開発チームと共に岩井さん自ら韓国の化粧品メーカーに足を運んだ

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