東京の人気エリア「学芸大学駅」目の前にある、リラクゼーションサロン「nihilo（ニヒロ）学芸大店」。2024年4月にオープンしたばかりでありながら、月100名前後の新規客＆リピーターは70％以上！好調な理由は「すでに出店していた系列5店舗で培ったHOT PEPPER Beautyでのナレッジを、6店舗目である学芸大店に詰め込んだから」と語る(現在は計7店舗)。多様なニーズに応えるクーポン、さらにはAI活用まで!?…時代を先取りしたノウハウに迫る。

多様なニーズに応える「クーポン」

ーメニューがたくさんありますが、クーポン名を見るだけで、どんな内容か伝わってきますね。

指圧、整体、ヘッドスパ、オーガニックアロマオイルを使った足つぼやリンパマッサージ、ハンドリフレクソロジーなどのメニューがあります。施術する部位・時間を明記して、割引や特典をつける場合は、「通常より◎％OFF」「通常◎円の◎◎付き」という形で、“どのくらいお得なのか”をわかりやすくしています。

HOT PEPPER Beautyの「クーポン」一例。計7店舗あるが、臨時クーポンは各店舗の店長に任せている。その日の空き状況によって日時限定クーポンを出すなど、柔軟に対応するためだ

リピーター70％超！オリジナル手技「深圧し」

ークーポンにもある「深圧し（ふかおし）」とは、どのような技術ですか？

ガンコな首こり・肩こり・腰痛は、表面的なケアだけだと改善が難しい。「深圧し」は親指での指圧をベースに、筋肉の深層部に3～5秒間の安定圧をかけ、全身の血液循環、臓器の働きを活性化させる手技です。

創業以来、nihiloが大事にしてきた技術でありアイデンティティで、「深圧し」で商標登録もしているんです。

「深圧し」は“イタ気持ちいい”強さ。深層部の筋肉まで刺激がいくことで、凝りかたまっていたものがゆるんでいくという

ーnihiloの「足つぼ」は、どのような特長がありますか？

「足つぼ反射区療法」は、圧調整が12段階あります。一人ひとり、気持ちがいいと思う強さって違うものですよね？お客さまが理想とする強弱で施術が可能になり、結果、満足度が上がります。

足つぼも絶妙な力加減での施術。足裏のつぼを刺激することで、全身の疲れを解消することにつながるとか

ー12段階もあるとは驚きです！そこまでの技術習得となると、大変では？

そうですね。特に強い圧をかけられるようになるには、テクニックが必要です。かつ、自分の指を痛めない技術を学ぶことも大切。nihiloでは入社後、スクールで約1カ月間の研修が無料で受けられるんです。セラピスト初心者は基礎から、経験者でもイチから、「深圧し安定圧整体」と「足つぼ反射区療法」の技術・知識を身につけることができます。

デビュー後も、社内インストラクターによる店内研修がある。スタッフ同士でも日々技術チェックを行い、技術の統一化・向上につなげている

ーリピーターさんも多いのでしょうか？

リピート率は、サロン全体で70％以上。個人で見ると80％超のスタッフもいます。

nihiloの技術は施術後、”ふわっ”とした気持ち良さが持続するんです。“余韻”と呼んでいますが、これは受けた人にしかわからない（笑）。「よく眠れてスッキリした」「揉み返しがなく、押してもらったところすべてが軽くなった」と言ってくださる方が多いです。

施術が痛くてつらいだけだと、通いたくはならないですよね？nihiloの場合は、心地よい強さで改善を実感してもらいやすいので、お客さまが楽しみにして来てくれる。だから、次回予約率も高いのだと思います。

口コミ返信に、AIを活用!?

ー昨今話題のAIですが、業務でかなり活用されているとか？

はい、積極的に使っています。たとえば、AIを用いてトレンドワードを検出して、新メニューを考えることもあります。ヘッドスパメニューを始めたのも、それが理由のひとつです。実際、うちを予約された方は「東横線　ヘッドスパ  整体」で検索している人が多い。さらには、そのトレンドワードをHOT PEPPER Beautyの「ブログ」に散りばめたり、メニュー説明の文案を考える時も活用していますね。

ーなるほど！他にはありますか？

HOT PEPPER Beautyの「口コミ」返信の際、AIからヒントを得ることも。文章を書くのが苦手なスタッフは、返信にすごく時間がかかっていたんです。心の中では感謝の気持ちがあるのに、文章になると淡泊な印象になってしまったり…。

忙しい仕事の合間での返信業務は、スタッフの負担が大きくなりすぎてしまうので、必要に応じてAIを活用しようと思いました。もちろん、全部AIで書いているわけではなく、文章のチェックや定型文作成など、部分的な使い方です。

自分たちが元気でいなければ、お客さまに元気を与えることは、できませんから。

ー正直に言うと、「口コミ返信にAIを活用」と聞いて、最初は抵抗を感じました。でも、お話を聞いていると「AIを使うと心が通わない」ということはなく…。むしろ、お客さまと向き合えるようになりますね。

そうなんです。AIを活用しているからといって、真心が失われることはありません。大事なのは、お客さまが書いてくださった口コミに「なるべくはやく感謝の気持ちをお伝えする」こと。適切な文言をスピーディーに、さらに内容が濃くなる文章作成に役立っています。

ー国広さんは、すべてにおいて「効率」を重視されるタイプですか？

いえ、アナログな部分も大切にしていますね。新しい店をオープンした際は、こだわったデザインでチラシを作って、ポスティングしたり。

でも、ポスティングはスタッフを疲れさせてしまうかなと思っていたところに、それ以上に効果があったのが、店舗の入り口に毛がフワフワのアルパカ人形を置いたことです。これが結構評判が良くて（笑）。アルパカやうちの看板と、一緒に写真撮影する人が多いんです。その隣に置いていたチラシを持ち帰ってくれる方が増えました。これも、宣伝になるかなと。また、HOT PEPPER Beautyのアクセスでも「白いアルパカの人形が目印です」と入れていますが、初めて来店した方でも、店舗を見つけやすいと思います。

八ヶ岳の牧場にて本物の毛で作られているアルパカ人形を、全店舗に置いている。客寄せパンダならぬ、“客寄せアルパカ”の役割を担ってくれている

同エリア平均2.3倍の「PV数」を誇るワケ

ーnihiloは系列店すべて全体的にPV数が高く、同エリア・同プラン・同ジャンル平均の2.3倍の店舗も！秘訣はどこにあるのでしょうか？

HOT PEPPER Beautyの写真には、相当時間をかけています。定期的にプロの写真家に依頼して、丸一日かけてモデルやスタッフ、内観などを撮影したり…。

PV数には、写真のクオリティが大きく影響しますよね。「学芸大店」は北欧家具で統一していますが、家具のヴィンテージ感が出るように写真を撮影したりと、店舗によって一貫したイメージを打ち出しています。

サロンの雰囲気＆接客の良さ・技術の高さが伝わる写真を、熟考している（画像は「学芸大店」）

「今は3軍でも全国大会に」その真意とは？

ー今後の店舗展開について、教えてください。

現在7店舗ありますが、東急線沿線にしているのは、僕の目が届く範囲にしているからです。スタッフ全員のスキルを、きちんと把握しておきたい。直営でこれ以上の店舗数になると、クオリティ維持が難しくなるので、FCも視野に入れています。

ー国広さんは、自サロン以外の方に向けても技術講師として活躍されています。もともとは体育の先生を目指していた、ということなので「教育」がお好きなのでしょうか？

教育は好きですね。「たとえ今は3軍でも、技術を身につけて、全国大会に連れていく！」という気概があります。

ー野球などでは「3軍＝2軍の試合に出られない方」といった意味になるかと思います。セラピストでいうと、「技術スキルがそこまで到達していない」というような意味合いでしょうか？

そうですね。技術は教育と情熱があれば、いくらでも向上します。今は自信がなくても、未熟でも、リピート率70%まで僕が連れて行きます。この「深圧し」技術を学んで、日本を健康にしていきましょう！