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イノベーターが
見ている未来

vol.108

確固たる世界観を持ち、新しい取り組みをしている「次世代リーダー」へのインタビュー。
その取り組みと背景、そして未来についての展望をうかがいます。

DaB

代表 八木岡 聡さん (age.65) 取締役 小野 浩一さん (age.61)

Z世代の教育法?
自分が変わり、許容すること。

1995年創業のヘアサロン「DaB(ダブ)」は、来年2025年10月で30周年を迎える。長年、トップサロンであり続けられる理由。そして、年齢差があるスタッフとのコミュニケーションの秘訣とは?代表である八木岡さんと、取締役としてマネジメントを担う小野さんにうかがった。

八木岡 聡さん/「株式会社ダブ」・「株式会社ビタミンズ」代表。現在、代官山・青山・銀座にヘアサロンを4店舗展開。ヘアデザイナーのほか、インテリア・インダストリアルデザイナーとしてプランニングやデザイン、化粧品の開発・ディレクションなど幅広く活躍。

小野 浩一さん/「株式会社ダブ」・「株式会社ビタミンズ」取締役。おもにマネジメントや経理など、組織運営からブランド構築までを統括。また、14のブランドサロンのアシスタントが出演するヘアショー「JUNIOR TOKYO(ジュニアトーキョー/Instagram) 発起人の一人でもある。

・「DaB」HP
https://dab.co.jp/

第1章どれだけ“長くできるか”

「楽しくなくなったら辞めますが、
そうなる気配がないんです(笑)」

週4でサロンに立つ八木岡さんは、1日25人から30人のお客さまを担当。予約は3カ月先まで解放するが、常に一瞬で埋まる

著名人をはじめ、多くのお客さまに愛されている八木岡さん。美容師として、常に第一線で活躍できる秘訣は、どこにあるのでしょう?

八木岡●人生の中で仕事の時間って長いから、「好き」であることは大事だよね。僕は、休みで家にいるほうが疲れる(笑)。

生き方を含め、美容という仕事を通じて、いかに仲間と協働していくか。若いスタッフをどう育てていくかを、丁寧に考えることが大事だと思います。

現在、新規のお客さまは受け付けておらず、紹介のお客さまのみでいっぱいとのこと。ご自身の中で、サロンワークは何歳までと決めていますか?

八木岡●楽しくなくなったら辞めますが、そうなる気配がないんです(笑)。

とても幸せな美容師人生ですね。八木岡さんが美容業界に入った頃とは、時代の変化を感じることも多いのでは?

八木岡●いまはSNSの時代で、バズれば簡単にお金を稼ぐことができる。もちろん成功している人もいるけれど、それをどれだけ「長くできるか」。老婆心ながら、いまの若い方たちも、そこを考えることが大切なのではと思います。

長年活躍されてきた八木岡さんの言葉だからこそ、重みがあります。
小野さんは、現在サロンワークはされていないですよね?

小野●創業2年目から、マネジメントに専念することにしました。DaBには、八木岡 聡と山田 千恵というスターが二人いる。自分は裏方にまわろうと。

八木岡●DaBを強い「組織」にするために、小野の存在は絶対的に必要でしたね。

八木岡さんと山田さんという、あまりにも大きい存在があると、逆に新たなスターが生まれにくいということは?

八木岡●DaBには、スターがたくさんいますよ。たとえば、ここにある『PERM BOOK(髪書房/2024年7月発行)』は、DaB のR&D(研究開発)チームであるパーマラボのメンバーがつくっていて、僕や山田は一切タッチしていないんです。

小野●パーマラボは、教育・ヘアデザイン・商品開発を、うまくつなげることができたと思っています。「マーケットがあるから」という理由だけで、それに合わせて商品をつくることはしません。スタッフ一人ひとりが活躍できて、新しいものを生み出すオリジナリティを持つ。そういう志を持ったスタッフが、DaBには集まっていますね。

  • 1994年頃、アフリカのチュニジアにて映画の撮影での八木岡さん。いまもサロンワークでは、3回先まで予約を入れていくお客さまがいるほどの人気を誇る

  • DaB創業当時の小野さん。立ち上げ時、八木岡さんと「大きな会社ではなく中身の濃い組織をつくろう」と誓った

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