イノベーターが
見ている未来
vol.110
その取り組みと背景、そして未来についての展望をうかがいます。
SENJYU
代表取締役 内田 航さん (age.30) 会長 森越 道大さん (age.35)
一般的な美容室は、指名制であることがほとんど。しかしSENJYU(センジュ)では一人のお客さまを複数名で担当する「チーム制」をとっており、リピート率90%超、2~3カ月先まで予約で埋まっている。それほどまでに、お客さまの支持を得る秘訣はどこにあるのか。働く美容師にとってのメリットも大きいという、その仕組みに迫る。
森越 道大(もりこし みちひろ)さん/株式会社SENJYU 会長。GARDENに入社後、数年で年間1億2,000万円売上という超人気美容師に。2022年4月に株式会社SENJYUを設立。美容業界全体のデジタル化を推進すべく、2023年に一般社団法人デジタルサロン協会も立ち上げた。
・「SENJYU」HP
https://morikoshi.net/
第1章SENJYUカルチャーを広める
「高い目標を目指すなら
人格者の集団でなければいけない」
まずお聞きしたかったのが、SENJYUは「店舗」という概念ではないとか?
森越●基本的には自社の店舗を持たず、他社と協働して活動する新しい形のプロフェッショナル集団です。「箱=サロンごと」というパターンもありますし、サロンの中で一部の席をSENJYUのチーム制にしているところも。また、FCにも行けるし独立もできる、プロデュース契約もあります。出店という考え方ではなく、カルチャーを広げている感じで、現在SENJYUチームとして全国12カ所に展開しています。
“コミュニティ”に近い感覚というか…。だから、サロン名に必ずしも「SENJYU」とつくわけではないんですね。自社で店舗を持たないのは、どうしてですか?
森越●需要を上回っているにもかかわらず、美容室の数は増え続けているのが現状。需要があるものを提供することがビジネスの本質だと考えた時、美容室を自社で出店することは、取り組むべきビジネスモデルではないと思ったからです。
なるほど。スタッフの方は、業務委託が多いとのことですが、理念の浸透など難しい面はありませんか?
内田●僕は「見守り隊」として、みんなの相談役になりたいと思っているので、コミュニケーションをたくさん取るように意識しています。1on1ミーティングを実施したり、LINEもしつこいくらい送っているかも(笑)。FC店舗の場合は、オーナーさんと密に会話するように心がけています。
スタッフには、「カウンセリング・ヒアリング・コンサルティング」をしている感じで、基本僕はあまり喋らず、相手の話を徹底して聞く。課題があれば、それに対してアドバイスをします。
森越●SENJYUには「企業理念10箇条(※)」というものがあり、技術だけではなく、マインドの共有も大事にしています。
どんなにすごいビジネススキームをつくったとしても、結局、最後に成功するのは「人格者」。ものすごく高い目標を目指すなら、「人格者の集団」でなければいけないと思うからです。
(※ 1.人生の理念を共有する 2.家族や最も身近な人程大切にする 3. SENJYUメンバーに愛がある 4.自己理解を深める 5.主体的である 6.素直である 7.変革し続ける 8.WIN WIN WINを考える 9.常に危機意識を持つ 10.終わりを思い描き生きる)
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