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マネジメントではなくプロデュース
才能は管理じゃなく花開かせるもの

マネジメントではなくプロデュース才能は管理じゃなく花開かせるもの

千葉

求人募集では「オタク採用」「やさしい幹部採用」「ゆとらない採用」など、言葉選びが秀逸ですよね。キャッチーな言葉を生み出すコツは?

片石

多くの人は、頭がいいと思われたいとか、人に認められたいっていうのが強すぎて、そこから出てきた言葉はちょっと弱い感じがします。

 

僕は、「客観性」と「自尊心」を大事に、面白く見える部分を切り取って、チャーミングに伝える。キャッチコピーを考えることで、「今こういう人が必要だよね」って、自分たちも認識できます。

 

千葉

狙った通りの人材が獲得できていますか?

片石

みんな活躍してくれていますね。求人応募は月に200件、多い時で300件ほどあり、1人採用するかどうか。入る前からSNSである程度の影響力を持っているキラキラしている子と、それを裏から支えるプロデュースセンスがある推し力の強いオタク、両方が必要です。オタクってものすごく必要な才能だと思っていて。何かをちゃんと推せる、ひとつのことを深堀りできる人って、モノゴトをとらえる解像度がめちゃ高いんです。

千葉

確かに、そうかもしれませんね。
多い時で月に300件という、求人応募の多さにも驚きました。

片石

今、僕らより面白い会社はないと思います。社長としても、僕がいちばん面白いと思っているし。そういう面白さとか反骨精神を魅力に思う若い子にとっては、yutoriはすごくいい選択肢なのかなと思います。

若者の初期衝動のエネルギーを大事に、若者たちが熱狂を生み出し続ける場所であるという、yutoriのビジョンを表した「若者帝国」

千葉

入社後は、どのような道筋をたどるんですか?

片石

2年くらいはアシスタント的な立ち位置です。大まかにいうと、SNSでバズコンテンツが出せたら商品企画が任され、その企画のヒット率が高く、周りからも支持され、かついいマーケットがあったらブランドデビューできる。ブランドがヒットしたら、その後は複数のブランドを監督するプロデューサーになるか、あるいはスーパープレイヤーとして専門性を極める道もあります。

 

ある種、美容室に近い仕組みですよね。アシスタントから始まって、スタイリストとしてデビューするっていう。ただ、美容師さんの場合はその先に独立して自分のお店を開く選択がありますが、アパレル業の場合は独立ってかなり難しい。ある程度の規模感を出すには、お金も体力も必要なので。従業員に還元しながら、yutoriの中でみんなが夢を叶えられるように、終身雇用ができたらいいなと考えています。

千葉

「若者帝国」を打ち出していますが、終身雇用だと、若者ではなくなるスタッフも出てきますよね?

片石

長く働いてくれるスタッフが増えたら、そのぶん若者も多く入れていく。だから最終的には「若者帝国」から“若者”を取って、「帝国」になる感じですかね。

社員の平均年齢は25歳。東京・下北沢オフィスは若きスタッフたちが意見を交わす声が響く、活気ある雰囲気

千葉

現在は、子会社を含めて従業員数が約300名とのこと。人数も増えてきたなか、マネジメントで意識されていることは?

片石

マネジメントではなく、「プロデュースする」という意識です。才能を管理するのではなく、才能を花開かせる。例えるなら作家と編集者のように、上下関係ではなくてフラットな関係性を築きたいなと。ただ、経営戦略の部分はトップダウンで、現場のクリエイティビティを尊重する部分とは明確に切り分けて考えます。

千葉

立ち上げたブランドを継続するか撤退するかも、トップダウンで?

片石

そこには、明確なルールを設定しています。デビュー後1年以内に、売上が月間700万円以上を達成しなければ撤退。

 

撤退を経営陣が主観的に決めるのって、脆弱ですよね。「若者帝国」「若者の熱量が大事」と言っているのに、上の独断と偏見でブランドを潰された、という気持ちになってしまう。だから経営陣よりも“大きな概念”であるルールを作って、その概念のもとに社長を含めた経営陣がいる、っていうことを、みんなに認知してもらうことが大事。

千葉

それであれば納得感が生まれやすいですね。また、yutoriは常にスピード感がある印象です。

片石

ありがとうございます。さらなる意思決定の迅速化を図るために、「9090(ナインティナインティ)」などを展開するヤングカルチャー事業と、「minum」のコスメ事業を、それぞれ新設する子会社に分割継承する準備を開始したところなんです。

「yutoriのプロデューサー陣が成長したことで子会社制が可能になり、より強い体制になる」と片石さん(写真は、子会社の代表・役員のみなさんと)

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